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24
ブチャラティとルナが、扉の方へ駆け寄った時には、アバッキオの姿はもう、影も形もなかった。
ふと、デッキの血の跡が目に入る。
これはーーーー・・・
「くそっ!」
「・・・ブローノ。」
ブチャラティが顔を上げる。
ルナは無言で、デッキに着いた筋状の血の跡を指さした。
引きずり込まれる時、アバッキオは、自身のスタンドを刺されたにも関わらず、両方の拳から出血していた。
つまり、敵に襲われる寸前、わざとスタンドでパイプの内側を殴り、本体の手を出血させたということ。
何のために?
それは私たちに、最後の謎を教えるためーーーー!
ブチャラティは、はっとしたようにデッキの下をのぞき込み、さらにメインマストの方を見上げた。
「・・・」
そして、ルナを見て、一つ頷いた。
「スティッキィ・フィンガーズ!」
ブチャラティのスタンドが、連続して床を殴りつけ、次々とジッパーが開いていく。ルナが中を確かめた、その時だった。
「ーカモメが飛んでるってことはよお、もう、陸が近いってことだな。」
いやな笑い声と共に、男の声が聞こえた。
「最初はよお、その女をとっ捕まえるつもりだったんがよお。どんだけ大事な女か知らねえが、ずっとチームの誰かがくっついてやがって、やりにくくてしょうがねえ。だから方針変更したってわけだ。感謝しろよお、ブチャラティ。」
ルナは息をのんで、ブチャラティと視線を交わす。
やっとー、やっと、敵が現れた・・・!
「きさま、いったいー」
「おっとー!!待て待て待て!しゃべるのはこの俺だ!俺が仕切る!てめえは黙ってろ、てめえのメソメソしたセリフなんか聞きたかねえんだ!俺が質問して答えろって命令するまで、口ふさいでろっ!いいな!!」
ブチャラティは険しい表情で、声が聞こえてくる辺りをーー、ハエが飛んでいる辺りを見ていた。
「よーし・・・俺は、おまえと女はいつだって自由に始末できるし、おまえの仲間はみんな生かしてある。仮死状態だ。ありがたく思え?殺して海に捨てることもできたんだ、お魚さんたちが食いやすいよう、細切れにしてな。おまえさえその気なら、仲間は元通りになることもできる。ポルポの隠し財産の在り処を、俺に教えればな!」
「・・・きさま、パッショーネの者か?」
と、ブチャラティは冷静な声で言った。
「なあんか、ブチャラティ、おまえ・・・わかってねえなあ。」
ガラリと、敵の声色が変わる。
「ブッ殺すぞてめえこらあっ!!女の前だからってカッコつけてんじゃあねえ!!いいか、しゃべっていいのは金の在り処だけだ!それ以外の言葉をひとことでも、その便器に向かったケツの穴みてえな口から吐き出してみろ!ひとことにつき、仲間ひとり殺す!何?ってきき返しても殺す!黙ってても殺す!あとで嘘を言ったとわかっても、また殺す!!」
ーーはあ・・・
ルナは、うんざりして溜め息をついた。
よくしゃべるうえに、下品な奴。
「いいな?注意深く、神経を使ってしゃべれよ?」
敵は、ゼエゼエ言いながら続ける。
「それじゃあ、質問するぜ。金は、どこに隠してあるんだ?」
ーボコリ、と、足元から音が聞こえた。
波音に混じりながらも、確実にーーーー。
「ーウミネコだ。」
と、ブチャラティは言った。
「え?・・・どこだって?」
敵の声が上ずる。
たぶん、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているに違いない。
ブチャラティは、ヨットの周りを飛んでいる鳥の群れを指さしながら言った。
「ありゃあカモメじゃねえぜ。ウミネコだ。どうやって見分けるか?ニャアニャア泣くのはウミネコだ。おまえはカモメって言ったが、ありゃウミネコの間違いだ。」
足元の音が大きくなってくる。
呆気に取られたような間の後、敵は、低い声で笑った。
「ひとりブッ殺す!!」
「やってみろ!!てめえが引きずり出されなきゃあなっ!!」
ブチャラティが叫んだ、次の瞬間、デッキの穴から、水柱が勢いよく噴き出した。
「なっ、何をやってる!?てめえっ!!」
海水が波となってデッキに流れ込み、ヨット全体がぐらりと傾く。
スティッキィ・フィンガーズを使って、ルナを船室の屋根の上に避難させながら、ブチャラティも、その横に軽く飛び乗った。
「さっきデッキを殴ったのは、アバッキオを捜すためじゃあない。船底に穴を開けるためだ。」
「あ、穴だと!?」
「アバッキオが、おまえがどこに潜んでいるのか、謎を解いた。それをみずから証明していってくれたもんでな。」
「アバッキオは、わざと拳を傷つけて、流した血を私たちに見せてくれた。血の流れはデッキの床下に落ちていなかった。血のりは途切れていたわ、デッキの表でぷっつりとね。つまりどういうことかー、どこに引きずり込まれたのかーー・・・」
穴を開けた船尾側から、船が少しずつ沈み始める。
「俺は左側のヨットを借りた。アバッキオは空を見上げた時、マストに書かれたナンバーに気づいたんだ。」
なぜ、もっと早く気づかなかったのだろう。
ネアポリスの港で、私たちは一番手前に泊めてあったヨットに乗った。けれど、いつのまにか、マストに書かれているのは<LAGOON 2>となっていたことに!
「もう、バレたんだ・・・溺れるのがいやなら、出て来ることだ!」
その時、マストの表面の一部が、まるでビニールが裂けるように破れ始め、その下に同じマストの表面が見えた。
そして、船が二つに分裂した。
「船は、2隻あった!」
言うと同時に、ブチャラティは無事な方の船へ飛び移り、くるりと回転しながらあざやかに着地した。その隣へ、スティッキィ・フィンガーズが両手で抱きかかえたルナを大切そうに降ろす。
もう一つのヨットが海に沈んでいく中で、苦しそうに咳込む声が聞こえた。
「て、てめえら・・・」
下のデッキに現れたのは、全身びしょ濡れの、緑色の巻貝みたいな髪型の男だった。
「・・・やっと、お目にかかれたわね。」
と、ルナは言った。
「ヨットの上に、もう一隻のヨットを薄っぺらにかぶせて隠れていたんだ。きさまはその表面の薄っぺらの中を移動して、俺たちを攻撃してやがった。わからないはずだ、そこんとこは尊敬してやるぜ。」
「そばに来るんじゃあねえ、ブチャラティ!仲間をブッ殺すぜ!!」
男のスタンドが現れる。
その手は短剣のようなものを握り、アバッキオの喉元に突きつけていた。
「そんなシャバイ脅しにビクついて、ギャングがやってられるかどうかは、きさま自身でよく知っているはずだ。」
ーやだ、カッコいい。
今日は、ブローノのギャング口調が新鮮で、ドキドキするわ、、、
「彼女を人質に取らなかったのは賢明だったな。もし髪の毛一本でも傷つけやがったらー、俺の怒りはこんなものじゃあ済まなかったからな。ーだが、」
ブチャラティは一度言葉を切ると、敵を鋭く見すえた。
「あいにく、<姿を見られた>時点でもう、きさまは見放されてるんだ・・・運命の女神にな。」
敵のスタンドの、短剣を持つ腕が振り上がる。
「死ねえーーっ!!」
が、その攻撃がアバッキオに届くことはなかった。
「ーやめれば、許してあげたのに。」
ルナは、アバッキオを引き離し、さらに男ののスタンドを消し去る。
「ーーっ!!?」
支配された男は、恐怖すらにじむ表情で、ルナのスタンドをただ見ていることしかできない。
「自業自得、ね・・・」
アブソリュート・ブレスが、男の身体を空に放り投げる。そこへ、スティッキィ・フィンガーズが拳を叩き込んだ。
「ジョルノが言った通りだ。隠れて攻撃する能力ってことは、それが弱点。」
ブチャラティの声と同時に、ジッパーで切断された頭と胴体が、デッキに転がった。
♢
アバッキオが目を開けると、絹糸のような琥珀色の長い髪が、ふわりと風に流れているのが見えた。
綺麗だな、と、純粋に思った。
「ーまったく。」
ルナは、アバッキオのそばに膝をついたまま、微笑んで続けた。
「夢中になって謎を解いたのは、前の職業の癖?それとも、男の意地ってやつ?」
「・・・」
アバッキオは、ルナの後ろに立っている男を睨む。
「まあ、彼女ならーー、<遅かれ早かれ>かと思ってたんでな。」
と、ブチャラティは涼しい顔のまま言った。
以前、自分が言ったセリフ。
ルナを溜まり場に連れて来て、ブチャラティが惚れていることをチームの連中にバラしたのは、アバッキオだった。
「仕返しってわけか。」
ブチャラティは何も言わず、ふっと笑って、アバッキオの手をしっかりと掴んで起こした。
『アバッキオ、大切なのは結果ではなく、そこに至るまでの道筋だ。俺のチームに来い。過去に縛られたまま死ぬな。』
あの日から、自分のーー、絶対的な羅針盤。
「もう、ジョルノをあんまりいじめないでね?アバッキオ。」
こちらを見上げて、ルナはくすりと笑う。
気品のある顔立ち。裏表のない優しさ・・・
ブチャラティほどの男が、真剣に惚れるのもーー、わからなくはない。
だからこそ、と、アバッキオは思う。
ジョルノ・ジョバァーナ、あいつは、気に食わない。
ブチャラティとルナが、扉の方へ駆け寄った時には、アバッキオの姿はもう、影も形もなかった。
ふと、デッキの血の跡が目に入る。
これはーーーー・・・
「くそっ!」
「・・・ブローノ。」
ブチャラティが顔を上げる。
ルナは無言で、デッキに着いた筋状の血の跡を指さした。
引きずり込まれる時、アバッキオは、自身のスタンドを刺されたにも関わらず、両方の拳から出血していた。
つまり、敵に襲われる寸前、わざとスタンドでパイプの内側を殴り、本体の手を出血させたということ。
何のために?
それは私たちに、最後の謎を教えるためーーーー!
ブチャラティは、はっとしたようにデッキの下をのぞき込み、さらにメインマストの方を見上げた。
「・・・」
そして、ルナを見て、一つ頷いた。
「スティッキィ・フィンガーズ!」
ブチャラティのスタンドが、連続して床を殴りつけ、次々とジッパーが開いていく。ルナが中を確かめた、その時だった。
「ーカモメが飛んでるってことはよお、もう、陸が近いってことだな。」
いやな笑い声と共に、男の声が聞こえた。
「最初はよお、その女をとっ捕まえるつもりだったんがよお。どんだけ大事な女か知らねえが、ずっとチームの誰かがくっついてやがって、やりにくくてしょうがねえ。だから方針変更したってわけだ。感謝しろよお、ブチャラティ。」
ルナは息をのんで、ブチャラティと視線を交わす。
やっとー、やっと、敵が現れた・・・!
「きさま、いったいー」
「おっとー!!待て待て待て!しゃべるのはこの俺だ!俺が仕切る!てめえは黙ってろ、てめえのメソメソしたセリフなんか聞きたかねえんだ!俺が質問して答えろって命令するまで、口ふさいでろっ!いいな!!」
ブチャラティは険しい表情で、声が聞こえてくる辺りをーー、ハエが飛んでいる辺りを見ていた。
「よーし・・・俺は、おまえと女はいつだって自由に始末できるし、おまえの仲間はみんな生かしてある。仮死状態だ。ありがたく思え?殺して海に捨てることもできたんだ、お魚さんたちが食いやすいよう、細切れにしてな。おまえさえその気なら、仲間は元通りになることもできる。ポルポの隠し財産の在り処を、俺に教えればな!」
「・・・きさま、パッショーネの者か?」
と、ブチャラティは冷静な声で言った。
「なあんか、ブチャラティ、おまえ・・・わかってねえなあ。」
ガラリと、敵の声色が変わる。
「ブッ殺すぞてめえこらあっ!!女の前だからってカッコつけてんじゃあねえ!!いいか、しゃべっていいのは金の在り処だけだ!それ以外の言葉をひとことでも、その便器に向かったケツの穴みてえな口から吐き出してみろ!ひとことにつき、仲間ひとり殺す!何?ってきき返しても殺す!黙ってても殺す!あとで嘘を言ったとわかっても、また殺す!!」
ーーはあ・・・
ルナは、うんざりして溜め息をついた。
よくしゃべるうえに、下品な奴。
「いいな?注意深く、神経を使ってしゃべれよ?」
敵は、ゼエゼエ言いながら続ける。
「それじゃあ、質問するぜ。金は、どこに隠してあるんだ?」
ーボコリ、と、足元から音が聞こえた。
波音に混じりながらも、確実にーーーー。
「ーウミネコだ。」
と、ブチャラティは言った。
「え?・・・どこだって?」
敵の声が上ずる。
たぶん、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているに違いない。
ブチャラティは、ヨットの周りを飛んでいる鳥の群れを指さしながら言った。
「ありゃあカモメじゃねえぜ。ウミネコだ。どうやって見分けるか?ニャアニャア泣くのはウミネコだ。おまえはカモメって言ったが、ありゃウミネコの間違いだ。」
足元の音が大きくなってくる。
呆気に取られたような間の後、敵は、低い声で笑った。
「ひとりブッ殺す!!」
「やってみろ!!てめえが引きずり出されなきゃあなっ!!」
ブチャラティが叫んだ、次の瞬間、デッキの穴から、水柱が勢いよく噴き出した。
「なっ、何をやってる!?てめえっ!!」
海水が波となってデッキに流れ込み、ヨット全体がぐらりと傾く。
スティッキィ・フィンガーズを使って、ルナを船室の屋根の上に避難させながら、ブチャラティも、その横に軽く飛び乗った。
「さっきデッキを殴ったのは、アバッキオを捜すためじゃあない。船底に穴を開けるためだ。」
「あ、穴だと!?」
「アバッキオが、おまえがどこに潜んでいるのか、謎を解いた。それをみずから証明していってくれたもんでな。」
「アバッキオは、わざと拳を傷つけて、流した血を私たちに見せてくれた。血の流れはデッキの床下に落ちていなかった。血のりは途切れていたわ、デッキの表でぷっつりとね。つまりどういうことかー、どこに引きずり込まれたのかーー・・・」
穴を開けた船尾側から、船が少しずつ沈み始める。
「俺は左側のヨットを借りた。アバッキオは空を見上げた時、マストに書かれたナンバーに気づいたんだ。」
なぜ、もっと早く気づかなかったのだろう。
ネアポリスの港で、私たちは一番手前に泊めてあったヨットに乗った。けれど、いつのまにか、マストに書かれているのは<LAGOON 2>となっていたことに!
「もう、バレたんだ・・・溺れるのがいやなら、出て来ることだ!」
その時、マストの表面の一部が、まるでビニールが裂けるように破れ始め、その下に同じマストの表面が見えた。
そして、船が二つに分裂した。
「船は、2隻あった!」
言うと同時に、ブチャラティは無事な方の船へ飛び移り、くるりと回転しながらあざやかに着地した。その隣へ、スティッキィ・フィンガーズが両手で抱きかかえたルナを大切そうに降ろす。
もう一つのヨットが海に沈んでいく中で、苦しそうに咳込む声が聞こえた。
「て、てめえら・・・」
下のデッキに現れたのは、全身びしょ濡れの、緑色の巻貝みたいな髪型の男だった。
「・・・やっと、お目にかかれたわね。」
と、ルナは言った。
「ヨットの上に、もう一隻のヨットを薄っぺらにかぶせて隠れていたんだ。きさまはその表面の薄っぺらの中を移動して、俺たちを攻撃してやがった。わからないはずだ、そこんとこは尊敬してやるぜ。」
「そばに来るんじゃあねえ、ブチャラティ!仲間をブッ殺すぜ!!」
男のスタンドが現れる。
その手は短剣のようなものを握り、アバッキオの喉元に突きつけていた。
「そんなシャバイ脅しにビクついて、ギャングがやってられるかどうかは、きさま自身でよく知っているはずだ。」
ーやだ、カッコいい。
今日は、ブローノのギャング口調が新鮮で、ドキドキするわ、、、
「彼女を人質に取らなかったのは賢明だったな。もし髪の毛一本でも傷つけやがったらー、俺の怒りはこんなものじゃあ済まなかったからな。ーだが、」
ブチャラティは一度言葉を切ると、敵を鋭く見すえた。
「あいにく、<姿を見られた>時点でもう、きさまは見放されてるんだ・・・運命の女神にな。」
敵のスタンドの、短剣を持つ腕が振り上がる。
「死ねえーーっ!!」
が、その攻撃がアバッキオに届くことはなかった。
「ーやめれば、許してあげたのに。」
ルナは、アバッキオを引き離し、さらに男ののスタンドを消し去る。
「ーーっ!!?」
支配された男は、恐怖すらにじむ表情で、ルナのスタンドをただ見ていることしかできない。
「自業自得、ね・・・」
アブソリュート・ブレスが、男の身体を空に放り投げる。そこへ、スティッキィ・フィンガーズが拳を叩き込んだ。
「ジョルノが言った通りだ。隠れて攻撃する能力ってことは、それが弱点。」
ブチャラティの声と同時に、ジッパーで切断された頭と胴体が、デッキに転がった。
♢
アバッキオが目を開けると、絹糸のような琥珀色の長い髪が、ふわりと風に流れているのが見えた。
綺麗だな、と、純粋に思った。
「ーまったく。」
ルナは、アバッキオのそばに膝をついたまま、微笑んで続けた。
「夢中になって謎を解いたのは、前の職業の癖?それとも、男の意地ってやつ?」
「・・・」
アバッキオは、ルナの後ろに立っている男を睨む。
「まあ、彼女ならーー、<遅かれ早かれ>かと思ってたんでな。」
と、ブチャラティは涼しい顔のまま言った。
以前、自分が言ったセリフ。
ルナを溜まり場に連れて来て、ブチャラティが惚れていることをチームの連中にバラしたのは、アバッキオだった。
「仕返しってわけか。」
ブチャラティは何も言わず、ふっと笑って、アバッキオの手をしっかりと掴んで起こした。
『アバッキオ、大切なのは結果ではなく、そこに至るまでの道筋だ。俺のチームに来い。過去に縛られたまま死ぬな。』
あの日から、自分のーー、絶対的な羅針盤。
「もう、ジョルノをあんまりいじめないでね?アバッキオ。」
こちらを見上げて、ルナはくすりと笑う。
気品のある顔立ち。裏表のない優しさ・・・
ブチャラティほどの男が、真剣に惚れるのもーー、わからなくはない。
だからこそ、と、アバッキオは思う。
ジョルノ・ジョバァーナ、あいつは、気に食わない。