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21
髪、結んでくれば良かったかしら・・・
乾いた潮風に髪をもて遊ばれながら、ルナは、ぼんやりと思った。
ブチャラティとチーム全員、そしてルナ。
全部で7人を乗せた白いクルーザーヨットは、ネアポリスの港を離れて、紺碧の海を進んでいた。
ブチャラティが、ルナの部屋を訪ねて来たのは、今朝。
これから仕事で出かけるが、一緒に来て欲しいと、言われた。
『仕事なんでしょう?どうして、私も?』
『・・・わからない。俺にも。』
そう言ったブチャラティのサファイアブルーの瞳から、怒りや悲しみや葛藤やーー、さまざまな気持ちがあふれ出て、ルナの胸をついた。
『ブローノ・・・そんなに自分を責めないで。お願いだからー・・・』
ブチャラティの肩に手をかけ引き寄せながら、ルナは、背伸びして彼に口づけた。
一瞬、驚いたように身を硬くした後、すぐにブチャラティはルナを強く抱きしめた。
片手でルナの頭の後ろを押さえて、深く深く、キスしながらーーー。
潔癖そうな形のいい唇から流れ込んでくる彼の情熱は、いつも、びっくりするくらい熱い。
『ー何とかなるわよ、きっと。守ってくれるんでしょう?』
『あたりまえだ。俺の命にかえても。』
唇と唇が触れ合いそうな距離でささやくように、でもきっぱりと言ってブチャラティは、まだ足りないというふうに、ルナに口づけた。
ーーなぜ、<組織>が・・・パッショーネが、自分なんかに興味を持つのだろう。
ルナは不思議に思いながらも、引っかかるものを感じた。
これは、ブローノが私を巻き込んだというよりむしろ、私の方に何かがあるのでは?
運命の輪が、動いているーーー・・・
「ルナ!飲み物いる?」
ナランチャがクーラーボックスを開けながら言って、ルナは我に返った。
「あ、うん。Grazie.」
「オレ、ルナが一緒で嬉しいなー。なあ、ルナもパッショーネに入れば?同じチームの仲間になろうぜ!」
「バーカ!んなこと、ブチャラティが許すわけねえだろ。」
と、ミスタが、雑誌から顔を上げて言った。
「なんでだよ、ミスタ。ルナはブチャラティの彼女なんだから、いいじゃん。スタンド使いだし。」
「まあ、ブチャラティは・・・我々の世界の恐ろしさをよく知っている分、カタギの人間を関わらせるのは、人一倍いやがりますからね。今回、あなたを連れて来たのは、彼にとって、苦渋の決断のはずです。我々は、組織の命令には逆らえない。もし逆らえばそれはーー・・・死につながります。」
そう言って、フーゴは困ったような顔でルナを見た。
「すみません、ルナ。本当は、僕たちも、あなたを危険な目に遭わせたくはないんですが・・・矛盾していますよね。」
ルナは、フーゴに向かって微笑んだ。
「わかってる。私は大丈夫よ、フーゴ。心配してくれてありがとう。」
「・・・」
気のせいか、優しげに整ったフーゴの顔が、少し赤くなった気がした。
「無自覚って、こえーな・・・」
ふと、隣から聞こえた呟き。
「何よ?ミスタ。」
「いや何でもねー・・・おーい!!ブチャラティ!いい加減によ、この船がどこに向かってるのか、教えてくんねーかよ!?」
と、ミスタは、船首の方へ向かって身を乗り出しながら叫んだ。
その声に、ブチャラティ、アバッキオ、ジョルノが振り向く。
「いいだろう。陸も遠くなったしな。」
それにしても、ブローノって、こんな大きなヨットの操縦もできるのね。どこで覚えたのかしら。
ミスタたちと一緒に、船首方向のデッキに移動すると、ルナは、ブチャラティに尋ねた。
「・・・私、遠慮しましょうか?」
行き先って、仕事の話よね。
ブチャラティは首を横に振った。
「いや。ここまで連れて来ておいて、もう、今さらだ。君がいやでなければ、きいてかまわない。」
「・・・」
ルナは、手すりに寄りかかる。
「行き先は、カプリ島だ。」
と、ブチャラティは皆に向かって言った。
「カプリ島!?」
「観光ってわけじゃあ、なさそうですね。」
「観光でなけりゃあ、何の用事で行くんだ?」
「ー先日、幹部のポルポが自殺した件だが、」
ブチャラティの言葉に、思わず、ルナの息が止まる。
「まあ、なぜ死んだかはどうでもいい。ポルポは、死んで当然のことをやっていた幹部だからな。」
言いながらブチャラティは、一瞬、ジョルノの方を見たように感じた。
「しかし、ポルポの自殺とカプリ島に、どんな関係があるんです?」
と、フーゴが尋ねた。
「実は、ポルポには隠し財産がある。その額は、100億リラだ。」
100億!!!?と、全員が驚愕した。
「俺だけが、その隠し場所を知っている。ポルポに命令されて隠したのは、俺だからな。つまり、100億は俺たちのものだ。その金があれば、幹部の座が手に入る。」
チームのみんなは息をのんだ。
そして、それぞれの表情が、驚きから高揚に変わってゆく。
「どこだあ?カプリ島のどこに、そんな金、隠したんだよ!?ブチャラティ。」
と、ナランチャが興奮した様子で言った。
「それはまだ言えない。以前から隠し金の噂が、組織の一部で流れている。金を確保するまで、絶対に知られるわけにはいかないからな。」
そこまで言った時、ブチャラティの表情が変わった。
「おい!何かおかしいぞ!どうかしたか、ナランチャ!!」
えっ?
髪、結んでくれば良かったかしら・・・
乾いた潮風に髪をもて遊ばれながら、ルナは、ぼんやりと思った。
ブチャラティとチーム全員、そしてルナ。
全部で7人を乗せた白いクルーザーヨットは、ネアポリスの港を離れて、紺碧の海を進んでいた。
ブチャラティが、ルナの部屋を訪ねて来たのは、今朝。
これから仕事で出かけるが、一緒に来て欲しいと、言われた。
『仕事なんでしょう?どうして、私も?』
『・・・わからない。俺にも。』
そう言ったブチャラティのサファイアブルーの瞳から、怒りや悲しみや葛藤やーー、さまざまな気持ちがあふれ出て、ルナの胸をついた。
『ブローノ・・・そんなに自分を責めないで。お願いだからー・・・』
ブチャラティの肩に手をかけ引き寄せながら、ルナは、背伸びして彼に口づけた。
一瞬、驚いたように身を硬くした後、すぐにブチャラティはルナを強く抱きしめた。
片手でルナの頭の後ろを押さえて、深く深く、キスしながらーーー。
潔癖そうな形のいい唇から流れ込んでくる彼の情熱は、いつも、びっくりするくらい熱い。
『ー何とかなるわよ、きっと。守ってくれるんでしょう?』
『あたりまえだ。俺の命にかえても。』
唇と唇が触れ合いそうな距離でささやくように、でもきっぱりと言ってブチャラティは、まだ足りないというふうに、ルナに口づけた。
ーーなぜ、<組織>が・・・パッショーネが、自分なんかに興味を持つのだろう。
ルナは不思議に思いながらも、引っかかるものを感じた。
これは、ブローノが私を巻き込んだというよりむしろ、私の方に何かがあるのでは?
運命の輪が、動いているーーー・・・
「ルナ!飲み物いる?」
ナランチャがクーラーボックスを開けながら言って、ルナは我に返った。
「あ、うん。Grazie.」
「オレ、ルナが一緒で嬉しいなー。なあ、ルナもパッショーネに入れば?同じチームの仲間になろうぜ!」
「バーカ!んなこと、ブチャラティが許すわけねえだろ。」
と、ミスタが、雑誌から顔を上げて言った。
「なんでだよ、ミスタ。ルナはブチャラティの彼女なんだから、いいじゃん。スタンド使いだし。」
「まあ、ブチャラティは・・・我々の世界の恐ろしさをよく知っている分、カタギの人間を関わらせるのは、人一倍いやがりますからね。今回、あなたを連れて来たのは、彼にとって、苦渋の決断のはずです。我々は、組織の命令には逆らえない。もし逆らえばそれはーー・・・死につながります。」
そう言って、フーゴは困ったような顔でルナを見た。
「すみません、ルナ。本当は、僕たちも、あなたを危険な目に遭わせたくはないんですが・・・矛盾していますよね。」
ルナは、フーゴに向かって微笑んだ。
「わかってる。私は大丈夫よ、フーゴ。心配してくれてありがとう。」
「・・・」
気のせいか、優しげに整ったフーゴの顔が、少し赤くなった気がした。
「無自覚って、こえーな・・・」
ふと、隣から聞こえた呟き。
「何よ?ミスタ。」
「いや何でもねー・・・おーい!!ブチャラティ!いい加減によ、この船がどこに向かってるのか、教えてくんねーかよ!?」
と、ミスタは、船首の方へ向かって身を乗り出しながら叫んだ。
その声に、ブチャラティ、アバッキオ、ジョルノが振り向く。
「いいだろう。陸も遠くなったしな。」
それにしても、ブローノって、こんな大きなヨットの操縦もできるのね。どこで覚えたのかしら。
ミスタたちと一緒に、船首方向のデッキに移動すると、ルナは、ブチャラティに尋ねた。
「・・・私、遠慮しましょうか?」
行き先って、仕事の話よね。
ブチャラティは首を横に振った。
「いや。ここまで連れて来ておいて、もう、今さらだ。君がいやでなければ、きいてかまわない。」
「・・・」
ルナは、手すりに寄りかかる。
「行き先は、カプリ島だ。」
と、ブチャラティは皆に向かって言った。
「カプリ島!?」
「観光ってわけじゃあ、なさそうですね。」
「観光でなけりゃあ、何の用事で行くんだ?」
「ー先日、幹部のポルポが自殺した件だが、」
ブチャラティの言葉に、思わず、ルナの息が止まる。
「まあ、なぜ死んだかはどうでもいい。ポルポは、死んで当然のことをやっていた幹部だからな。」
言いながらブチャラティは、一瞬、ジョルノの方を見たように感じた。
「しかし、ポルポの自殺とカプリ島に、どんな関係があるんです?」
と、フーゴが尋ねた。
「実は、ポルポには隠し財産がある。その額は、100億リラだ。」
100億!!!?と、全員が驚愕した。
「俺だけが、その隠し場所を知っている。ポルポに命令されて隠したのは、俺だからな。つまり、100億は俺たちのものだ。その金があれば、幹部の座が手に入る。」
チームのみんなは息をのんだ。
そして、それぞれの表情が、驚きから高揚に変わってゆく。
「どこだあ?カプリ島のどこに、そんな金、隠したんだよ!?ブチャラティ。」
と、ナランチャが興奮した様子で言った。
「それはまだ言えない。以前から隠し金の噂が、組織の一部で流れている。金を確保するまで、絶対に知られるわけにはいかないからな。」
そこまで言った時、ブチャラティの表情が変わった。
「おい!何かおかしいぞ!どうかしたか、ナランチャ!!」
えっ?