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19
ランチタイムを過ぎた頃。
ルナが、リストランテのドアを開けると、すっかり顔なじみになったカメリエーレが、笑って奥を親指で指した。
「いらっしゃい、ルナ。今日はみんなそろってるよ。」
あら、めずらしい。
ルナが奥の部屋に入りかけた時、
「うそだろオイッ!!飲みやがったこいつ!!」
「はっはっはっはっ!!おまえ面白えな、ほんとに飲んだのか!?」
「違うっ、飲んでるわけはない!!なあ、どうやったんだ?どこに隠したんだ!?」
「教えてくれよ、俺にだけ!」
「さあね・・・君たちだって、能力を秘密にしてるんだろ?」
「!!!?」
・・・なんか、また、取り込んでるわ。
「あっ、ルナだ!」
ナランチャが気づいたので、全員がこっちを見た。
アバッキオ、フーゴ、ミスタ、ナランチャ・・・そして、ハルくん。
ブローノだけいない。トイレかしら?
「Ciao!にぎやかね。どうしたの?」
「聞いてくれよルナ!今この新入りが、アバッキオのー」
「うるせえっ!黙ってろナランチャ!!」
ナランチャのセリフの続きは、アバッキオの怒声にかき消された。
「はっはっはっ!アバッキオ、おまえ自分でやっといて黙れはねーよ。なあ?ま、ルナにバレたくない気持ちはわからんでもけど〜。ぜってー嫌われるぜ、おまえ。」
「ミスタ、てめえ・・・」
まったくわからん。
ルナの頭の上でクエスチョンマークが踊っていた時、ジョルノがにこりと笑って言った。
「何でもありませんよ、ルナ。僕の為にわざわざお茶を淹れてくれたんです。」
「ふうん・・・」
「おい。なぜ、新入りのおまえがルナを知ってるんだ?」
あらフーゴ、鋭いツッコミ。
「だって、ジョルノと私は、幼なじみだもの。」
ジョルノの代わりにルナが答えると、全員が驚愕の悲鳴を上げた。ジョルノを除いて。
「まあ、10年会ってなくて、こっちで再会したばかりなんだけど。ジョルノって、子供の頃、日本に住んでたのよ。こう見えてお母さんは日本人だから。お互いの家が近所だったの。」
「マジでーっ!!?」
「マジで。一緒にお風呂に入って、一緒にベッドで寝てた仲よ。」
再び、悲鳴。
でもなぜかみんな、そのまま、固まってしまった。
あら、変なこと言ったかしら?
「一応、言っておくけど、僕が、3つ4つの頃の話ですからね・・・」
と、顔をしかめたジョルノが、頭痛がするとでもいうように額を押さえながら呟いた。
その時、
「母親が日本人なのか、ジョルノは。」
艶やかな低い声とほぼ同時に、後ろから頰にキスされる。
瞬間、控えめに、ふわりと香るマリンノート。
「Ciao、ブローノ。」
イタリア人は、人前で、キスをするのも見るのも抵抗は無いらしい。
だいぶ慣れたけど・・・ほっぺとはいえ、やっぱり、照れる。
「向こうでちょっと相談事をされていたんだがー、俺のいない間、こいつら、ちゃんとジョルノに挨拶してたか?」
「・・・ジョルノがここにいるっていうことは、そういうこと、よね?」
ブチャラティは頷いた。
「ああ。パッショーネの入団試験に合格した。今日から、俺のチームに入る。」
「そっか・・・」
ハルくんは、夢の一歩を踏み出したんだ。たぶんそれは、とても険しい道のりだろうけれど。
ルナは、今朝の承太郎との会話を思い出す。
『ハルくんはー、ジョルノ・ジョバァーナは、承太郎さんが心配するような、危険な人ではないわ。』
『なぜ、そう思う?』
と、受話器の向こうから、冷静な声が尋ねた。
『幼なじみだから言ってるんじゃあないの。承太郎さん、私、わかるの。だって私は、ジョセフおじいちゃんと、承太郎さんと、仗助とー、3人も知っているわ。正しくジョースターの血統を受け継ぐ人たちを。』
『・・・』
『ハルくんは・・・確かにDIOの息子。スタンド能力や、容姿もそうだけど、雰囲気っていうのかしら・・・人を魅了するカリスマ性みたいなものがある。けれど、まぎれもなくジョースターの正義の意志を受け継いでいる。承太郎さんたちと同じ、黄金の心が、ハルくんの中にはある。彼を見ていると、それを強く感じるの。』
「みんなが挨拶したかどうかは、私も来たばかりだからわからないけど・・・」
ルナは、みんなから質問責めに合っているジョルノを見つめながら続けた。
「きっと大丈夫よ。ジョルノには、自然と、人に認められていく才能みたいなものがある。あなたが感じた通り、ね・・・」
「・・・」
ブローノは、本能的に気づいているはず。
だからこそ、ハルくんに協力することを承諾した。
「ブチャラティ!ルナ!何やってんの?腹へったから何か食おうよ。」
「ーーそうだな。」
ナランチャの呼び声に、ブチャラティは優しくルナの背中を押し、彼女のために椅子を引いた。
♢
「ホテルを出る?」
と、ブチャラティは、思わず訊き返した。
チームで食事をした後、今夜は特に仕事は入っていなかったので、解散することにした。
皆が自由に街に散って行き、ブチャラティはいつものようにルナをホテルまで送っていた。
「そう。そろそろチェックアウトしようと思って。長い間、贅沢しちゃったわ〜。」
「それはー・・・つまり、帰国するということなのか?」
「えっ。」
一瞬、きょとんした後、ルナはくすくす笑った。
「そんな顔しないで、ブローノ。違うの。今のホテル、高いでしょ?もったいないから、別の所に移りたいだけ。日本のパスポートは、ビザがなくても3か月はいられるの。まだ日本に帰るつもりはないわよ?」
ブチャラティは溜め息をついた。
「おどかさないでくれ・・・心臓に悪い。」
「ふふっ。なんだか、ブローノ、可愛い。」
「・・・」
ブチャラティは、ルナの肩に腕を回して、強引に抱き寄せた。
そして、もう片方の手で、目を見張ったルナの顎を持ち上げてキスした。
何度触れても驚くほど、ルナの唇は柔らかくて、甘い。
人のことは言えないな。と、ブチャラティは内心苦笑した。
15とは思えない冷静さと豪胆さのあるジョルノが、ルナのことになると、感情が露骨に表に出ていた。
たぶん、今の自分も、そうだったのだろう。
ルナがいなくなることを考えるとーーーー、寂しいなんていう言葉では、到底言い表せない感情が湧き上がる。
ブチャラティにようやく解放されると、予想通り、ルナは真っ赤になって睨んできた。
「もーっ・・・まったくイタリア人は!よく人前で平気でキスできるわね。」
「君も、半分はイタリア人だろ。」
「日本育ちなんだから、日本人なの!」
ブチャラティは笑いながら、ルナの手を握って歩き出す。ふくれっ面をしながらも、彼女のほっそりした白い手は、すんなりとブチャラティの手の中に収まった。
「それで、今のホテルを出てどこに?」
「ん〜、決めてない。」
まずそこを決めてからだろう、普通は。
「とりあえず、キッチン付きのお部屋を借りたいわ。もう、まともな日本食が食べたくて食べたくて。」
「じゃあ、俺の家に来ればいい。」
と、ブチャラティが言うと、ルナは目を丸くして固まった。
「サン・ピエトロの部屋とはいかないが、キッチンくらいある。もともとあまり物がないから、クロゼットも空いてる。」
「いやいやいや!!無理でしょ!」
ルナは勢いよく首を横に振ると、
「男の人の家に転がり込んだなんてバレたら、いとこから、日本に強制送還されちゃう!今朝電話した時だって、帰って来いって言われたのを、なんとか説得したところなのに!」
ルナの話によると、保護者代わりの歳の離れたいとこは、過保護に近い心配性らしい。
ーー気持ちは、わからんでもないな。
だがしかし、いったいいつになったら、この愛しい女神は自分のものになるのだろう?
服の上からでもわかる、十分すぎるほど女らしい身体の曲線。しなやかな長い手足。
ふわり、と風が吹けば、琥珀色の髪が舞い上がり、透き通りそうに白く、細いうなじがのぞいた。
うぬぼれでないことを祈るが、今、抱こうとすれば、おそらくルナは拒否しないだろうと、ブチャラティは思う。
しかしそうやって抱いたとしても、ルナの心は、手に入らない予感があった。
ルナ自身で、<愛される覚悟>を決めない限りは。
ブチャラティは、ふう、と息を吐いて言った。
「あのリストランテの上のアパルタメントが、何部屋か空いているはずだ。ルナが良ければ、オーナーに話してみるが?」
あそこなら、自分や、自分がいない時もチームの誰かの目が届きやすく、安心だから、とは言わないでおく。
この間のようなゲスな輩が、また、ルナを狙わないとは限らない。
「ほんと!?」
ルナの顔が、ぱあっと輝いた。
「ありがとう、ブローノ!」
白い花が咲くような美しい笑顔。
この笑顔が、自分を生き返らせてくれた。
『ルナが、僕にとって、一番大事な人であることに変わりない。』
ーー同じ目だった。
初めて対峙した時とーー、俺を殺そうと覚悟を決めた時と同じ、本気の目。
ジョルノにとって、おそらく、己の人生に深く影響を与えた女なのだろう。
俺の人生を変えたように。
「・・・感謝するのは、俺の方だ。」
そう言って、ブチャラティは、つないだ手に力を込めた。
ランチタイムを過ぎた頃。
ルナが、リストランテのドアを開けると、すっかり顔なじみになったカメリエーレが、笑って奥を親指で指した。
「いらっしゃい、ルナ。今日はみんなそろってるよ。」
あら、めずらしい。
ルナが奥の部屋に入りかけた時、
「うそだろオイッ!!飲みやがったこいつ!!」
「はっはっはっはっ!!おまえ面白えな、ほんとに飲んだのか!?」
「違うっ、飲んでるわけはない!!なあ、どうやったんだ?どこに隠したんだ!?」
「教えてくれよ、俺にだけ!」
「さあね・・・君たちだって、能力を秘密にしてるんだろ?」
「!!!?」
・・・なんか、また、取り込んでるわ。
「あっ、ルナだ!」
ナランチャが気づいたので、全員がこっちを見た。
アバッキオ、フーゴ、ミスタ、ナランチャ・・・そして、ハルくん。
ブローノだけいない。トイレかしら?
「Ciao!にぎやかね。どうしたの?」
「聞いてくれよルナ!今この新入りが、アバッキオのー」
「うるせえっ!黙ってろナランチャ!!」
ナランチャのセリフの続きは、アバッキオの怒声にかき消された。
「はっはっはっ!アバッキオ、おまえ自分でやっといて黙れはねーよ。なあ?ま、ルナにバレたくない気持ちはわからんでもけど〜。ぜってー嫌われるぜ、おまえ。」
「ミスタ、てめえ・・・」
まったくわからん。
ルナの頭の上でクエスチョンマークが踊っていた時、ジョルノがにこりと笑って言った。
「何でもありませんよ、ルナ。僕の為にわざわざお茶を淹れてくれたんです。」
「ふうん・・・」
「おい。なぜ、新入りのおまえがルナを知ってるんだ?」
あらフーゴ、鋭いツッコミ。
「だって、ジョルノと私は、幼なじみだもの。」
ジョルノの代わりにルナが答えると、全員が驚愕の悲鳴を上げた。ジョルノを除いて。
「まあ、10年会ってなくて、こっちで再会したばかりなんだけど。ジョルノって、子供の頃、日本に住んでたのよ。こう見えてお母さんは日本人だから。お互いの家が近所だったの。」
「マジでーっ!!?」
「マジで。一緒にお風呂に入って、一緒にベッドで寝てた仲よ。」
再び、悲鳴。
でもなぜかみんな、そのまま、固まってしまった。
あら、変なこと言ったかしら?
「一応、言っておくけど、僕が、3つ4つの頃の話ですからね・・・」
と、顔をしかめたジョルノが、頭痛がするとでもいうように額を押さえながら呟いた。
その時、
「母親が日本人なのか、ジョルノは。」
艶やかな低い声とほぼ同時に、後ろから頰にキスされる。
瞬間、控えめに、ふわりと香るマリンノート。
「Ciao、ブローノ。」
イタリア人は、人前で、キスをするのも見るのも抵抗は無いらしい。
だいぶ慣れたけど・・・ほっぺとはいえ、やっぱり、照れる。
「向こうでちょっと相談事をされていたんだがー、俺のいない間、こいつら、ちゃんとジョルノに挨拶してたか?」
「・・・ジョルノがここにいるっていうことは、そういうこと、よね?」
ブチャラティは頷いた。
「ああ。パッショーネの入団試験に合格した。今日から、俺のチームに入る。」
「そっか・・・」
ハルくんは、夢の一歩を踏み出したんだ。たぶんそれは、とても険しい道のりだろうけれど。
ルナは、今朝の承太郎との会話を思い出す。
『ハルくんはー、ジョルノ・ジョバァーナは、承太郎さんが心配するような、危険な人ではないわ。』
『なぜ、そう思う?』
と、受話器の向こうから、冷静な声が尋ねた。
『幼なじみだから言ってるんじゃあないの。承太郎さん、私、わかるの。だって私は、ジョセフおじいちゃんと、承太郎さんと、仗助とー、3人も知っているわ。正しくジョースターの血統を受け継ぐ人たちを。』
『・・・』
『ハルくんは・・・確かにDIOの息子。スタンド能力や、容姿もそうだけど、雰囲気っていうのかしら・・・人を魅了するカリスマ性みたいなものがある。けれど、まぎれもなくジョースターの正義の意志を受け継いでいる。承太郎さんたちと同じ、黄金の心が、ハルくんの中にはある。彼を見ていると、それを強く感じるの。』
「みんなが挨拶したかどうかは、私も来たばかりだからわからないけど・・・」
ルナは、みんなから質問責めに合っているジョルノを見つめながら続けた。
「きっと大丈夫よ。ジョルノには、自然と、人に認められていく才能みたいなものがある。あなたが感じた通り、ね・・・」
「・・・」
ブローノは、本能的に気づいているはず。
だからこそ、ハルくんに協力することを承諾した。
「ブチャラティ!ルナ!何やってんの?腹へったから何か食おうよ。」
「ーーそうだな。」
ナランチャの呼び声に、ブチャラティは優しくルナの背中を押し、彼女のために椅子を引いた。
♢
「ホテルを出る?」
と、ブチャラティは、思わず訊き返した。
チームで食事をした後、今夜は特に仕事は入っていなかったので、解散することにした。
皆が自由に街に散って行き、ブチャラティはいつものようにルナをホテルまで送っていた。
「そう。そろそろチェックアウトしようと思って。長い間、贅沢しちゃったわ〜。」
「それはー・・・つまり、帰国するということなのか?」
「えっ。」
一瞬、きょとんした後、ルナはくすくす笑った。
「そんな顔しないで、ブローノ。違うの。今のホテル、高いでしょ?もったいないから、別の所に移りたいだけ。日本のパスポートは、ビザがなくても3か月はいられるの。まだ日本に帰るつもりはないわよ?」
ブチャラティは溜め息をついた。
「おどかさないでくれ・・・心臓に悪い。」
「ふふっ。なんだか、ブローノ、可愛い。」
「・・・」
ブチャラティは、ルナの肩に腕を回して、強引に抱き寄せた。
そして、もう片方の手で、目を見張ったルナの顎を持ち上げてキスした。
何度触れても驚くほど、ルナの唇は柔らかくて、甘い。
人のことは言えないな。と、ブチャラティは内心苦笑した。
15とは思えない冷静さと豪胆さのあるジョルノが、ルナのことになると、感情が露骨に表に出ていた。
たぶん、今の自分も、そうだったのだろう。
ルナがいなくなることを考えるとーーーー、寂しいなんていう言葉では、到底言い表せない感情が湧き上がる。
ブチャラティにようやく解放されると、予想通り、ルナは真っ赤になって睨んできた。
「もーっ・・・まったくイタリア人は!よく人前で平気でキスできるわね。」
「君も、半分はイタリア人だろ。」
「日本育ちなんだから、日本人なの!」
ブチャラティは笑いながら、ルナの手を握って歩き出す。ふくれっ面をしながらも、彼女のほっそりした白い手は、すんなりとブチャラティの手の中に収まった。
「それで、今のホテルを出てどこに?」
「ん〜、決めてない。」
まずそこを決めてからだろう、普通は。
「とりあえず、キッチン付きのお部屋を借りたいわ。もう、まともな日本食が食べたくて食べたくて。」
「じゃあ、俺の家に来ればいい。」
と、ブチャラティが言うと、ルナは目を丸くして固まった。
「サン・ピエトロの部屋とはいかないが、キッチンくらいある。もともとあまり物がないから、クロゼットも空いてる。」
「いやいやいや!!無理でしょ!」
ルナは勢いよく首を横に振ると、
「男の人の家に転がり込んだなんてバレたら、いとこから、日本に強制送還されちゃう!今朝電話した時だって、帰って来いって言われたのを、なんとか説得したところなのに!」
ルナの話によると、保護者代わりの歳の離れたいとこは、過保護に近い心配性らしい。
ーー気持ちは、わからんでもないな。
だがしかし、いったいいつになったら、この愛しい女神は自分のものになるのだろう?
服の上からでもわかる、十分すぎるほど女らしい身体の曲線。しなやかな長い手足。
ふわり、と風が吹けば、琥珀色の髪が舞い上がり、透き通りそうに白く、細いうなじがのぞいた。
うぬぼれでないことを祈るが、今、抱こうとすれば、おそらくルナは拒否しないだろうと、ブチャラティは思う。
しかしそうやって抱いたとしても、ルナの心は、手に入らない予感があった。
ルナ自身で、<愛される覚悟>を決めない限りは。
ブチャラティは、ふう、と息を吐いて言った。
「あのリストランテの上のアパルタメントが、何部屋か空いているはずだ。ルナが良ければ、オーナーに話してみるが?」
あそこなら、自分や、自分がいない時もチームの誰かの目が届きやすく、安心だから、とは言わないでおく。
この間のようなゲスな輩が、また、ルナを狙わないとは限らない。
「ほんと!?」
ルナの顔が、ぱあっと輝いた。
「ありがとう、ブローノ!」
白い花が咲くような美しい笑顔。
この笑顔が、自分を生き返らせてくれた。
『ルナが、僕にとって、一番大事な人であることに変わりない。』
ーー同じ目だった。
初めて対峙した時とーー、俺を殺そうと覚悟を決めた時と同じ、本気の目。
ジョルノにとって、おそらく、己の人生に深く影響を与えた女なのだろう。
俺の人生を変えたように。
「・・・感謝するのは、俺の方だ。」
そう言って、ブチャラティは、つないだ手に力を込めた。