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10
ーーあ、これはちょっと・・・
ルナは、地面に尻もちをついたまま、目の前の人相悪い3人組を見上げて思った。
「おまえ、ブチャラティの女か?」
ピンチ、かも・・・
事の発端は、承太郎さんからの連絡。
ジョルノ・ジョバァーナのーー、ハルくんの通う学校がわかったという知らせ。
ルナは、早速行ってみようと張り切ってホテルを出た。
どうやら山の上にある学校らしく、市街地からはケーブルカーで行けるらしい。ちなみにイタリアではケーブルカーはフニコラーレって言って、「ケーブルカー」では通じないのよ。
ところが、ざっくりすぎる地図のせいか、方向音痴のせいか・・・フニコラーレの駅に行く途中で迷子アゲイン。
早くハルくんに会いたい焦りもあって、注意力が散漫だったのかも。
だから、こんな薄暗い路地に押し込まれるまで、連中に気づかなかった。
ーーで、話は、冒頭に戻る。
「最近、ブチャラティのチームの周りをウロウロしてる女は、おまえだよなぁ?」
まあ、あのリストランテはよく行くから、チームの誰かしらには会っているけど。
「おいコラ聞いてんのか!?てめー」
「ブチャラティの女なら、何なの?」
と、ルナは冷静に返した。
しゃべっていた男は一瞬、気圧されたように黙ったが、すぐに下卑た笑みを浮かべて、
「おとなしく一緒に来てもらえりゃあ、それでいいさ、お嬢ちゃん。おいっ!」
仲間の男が近づいて来る。
めんどくさい・・・ルナがそう思いながら、スタンドを使おうとしたその時、
「女ひとりに3人がかりか・・・てめえら恥ずかしくねえのか?」
路地の奥の方、男たちの背後から低い声が響いた。
「誰だっ!?」
現れたのは、若い男だった。
20代前半くらいだろうか。
すらりとした長身にイタリアンブランドのスーツを着こなし、タバコをくわえている。
「てめえらごときに答えてやるつもりはねえ。邪魔なんだよ、てめえら。死にたくなきゃあ、俺の進路をふさぐんじゃあねえ。」
直後、3人組が、男に襲いかかった。
が、勝負は、あっという間についた。
ルナは、思わず男の動きに感心した。
強い。ケンカ慣れしてるっていうレベルじゃない。特殊な訓練を受けたような、プロの身のこなしだわ。
若い男は、うめき声をあげて崩れ落ちた連中を一瞥すると、ゆっくりとルナの前に近づき、手を差し出した。
「おい、立てるか。」
尻もちをついたままだったので、どうやら腰を抜かしていると思われたらしい。
「Grazie.」
ルナは、ありがたく手を取って立たせてもらった。一緒に路地を出ながら続ける。
「助かったわ。どうもありがとう。」
男は、新しい煙草に火をつけながら言った。
「フン・・・ただの暇つぶしだ。」
明るい場所で改めて見ると、きりりとした眉、影が出来そうな長い睫毛、鋭い銀色の瞳、シャープな顎のライン。
あらやだ、と、ルナは思った。
イケメンじゃない、めちゃくちゃ。
ルナの視線を感じたのか、男は、何気なくルナの方を見た。
「ーー!」
「?」
なぜか息を飲んで動きを止めた男を見て、ルナが首を傾げた時、
「兄貴〜〜っ!!プロシュート兄貴〜!!」
間延びした大声が聞こえて、男は我に返ったようだった。
「こんな所にいたんですかい!?オイラ探しちまいましたよ!!」
ゼイゼイ言いながら走って来たのは、緑の・・・パイナップル?
「何してんですか、兄貴、こんな所で。そろそろ時間なんじゃあないですか?」
「あ!!」
その言葉で、外出の目的を思い出す私。
「私も行かなきゃ。今度会ったらお礼するわね。それじゃあ。」
「ーおい。」
振り向くと、パイナップルから兄貴と呼ばれたイケメンは、ルナを見すえていた。
「名前は?」
「ルナよ。Ciao!」
ルナはにっこり笑って、ついでに投げキスもサービスして、その場を後にした。
パイナップルの方はともかく、イケメンの方は、素人っぽくないな。
もしかして、ブローノと同じ方面の人かしら。
最近、ブチャラティは忙しいらしく、アマルフィでのデート以来、会えていない。
くだんのリストランテにふらっと行くと、他のメンバーに会うことはあるが、ブチャラティとは入れ違いになっている。
まあ、電話くれるし、お花も届くんだけどね。イタリアーノがマメなのか、ブローノの性格なのか・・・
そんなことをたらたら考えながら、ようやく見つかったフニコラーレの駅で、切符を買って電車に乗り込む。
おもしろい。坂道を上り下りするからだろうか、車体が階段状になってる。
電車はどんどん坂道を登ってゆく。
そして、もうすぐ目的地の駅の二つ前、という時だった。
「ん?」
思わず声が出たのは、線路から無理やり車道を突っ切る人影が見えたから。
「ブローノ・・・!?」
ルナは息をのんだ。
一瞬だったが、その人影は、ブチャラティの姿に見えたのだ。
少しして、目の覚めるようなブロンドの男が、ブチャラティの後を追って走って行くのが見えた。
おそらく二人は、1本先の電車に乗っていたのだろう。
ーー追って!!
頭の中にスタンドの声が響いた時はもう、
ルナは、ドアへと走っていた。
駅で電車を飛び降り、二人が消えた方角へ走る。
理由は、わからない。
けれど、入り組んだ通りの先、見晴らしの良い小さな広場に二人がいるということが、なぜかはっきりとわかっていた。
「!!」
ブチャラティが戦っていたのは、まだ少年と言えるぐらいの若者だった。
二人とも、スタンドを出して激しく打ち合い、そのせいか、ルナの存在にはまったく気づいていない。
ーーブローノのスタンド、初めて見たわ・・・
青と銀色の人型のスタンドを目にして、そう思った時、ブチャラティの左腕に、相手の金色のスタンドが拳を打ち込んだ。
「ゴールド・エクスペリエンス!!」
相手が叫んだ、次の瞬間、ブチャラティの左腕がジッパーのようなもので外れた。
その刹那、ルナの目には、ブチャラティがほんのわずかに動きを止めたように見えた。
しかしすぐにブチャラティは、右腕からスタンドを発動させながら、叫んだ。
「始末させてもらうぞっ!!ジョルノ・ジョバァーナ!!」
「ーーー!!!?」
ーーあ、これはちょっと・・・
ルナは、地面に尻もちをついたまま、目の前の人相悪い3人組を見上げて思った。
「おまえ、ブチャラティの女か?」
ピンチ、かも・・・
事の発端は、承太郎さんからの連絡。
ジョルノ・ジョバァーナのーー、ハルくんの通う学校がわかったという知らせ。
ルナは、早速行ってみようと張り切ってホテルを出た。
どうやら山の上にある学校らしく、市街地からはケーブルカーで行けるらしい。ちなみにイタリアではケーブルカーはフニコラーレって言って、「ケーブルカー」では通じないのよ。
ところが、ざっくりすぎる地図のせいか、方向音痴のせいか・・・フニコラーレの駅に行く途中で迷子アゲイン。
早くハルくんに会いたい焦りもあって、注意力が散漫だったのかも。
だから、こんな薄暗い路地に押し込まれるまで、連中に気づかなかった。
ーーで、話は、冒頭に戻る。
「最近、ブチャラティのチームの周りをウロウロしてる女は、おまえだよなぁ?」
まあ、あのリストランテはよく行くから、チームの誰かしらには会っているけど。
「おいコラ聞いてんのか!?てめー」
「ブチャラティの女なら、何なの?」
と、ルナは冷静に返した。
しゃべっていた男は一瞬、気圧されたように黙ったが、すぐに下卑た笑みを浮かべて、
「おとなしく一緒に来てもらえりゃあ、それでいいさ、お嬢ちゃん。おいっ!」
仲間の男が近づいて来る。
めんどくさい・・・ルナがそう思いながら、スタンドを使おうとしたその時、
「女ひとりに3人がかりか・・・てめえら恥ずかしくねえのか?」
路地の奥の方、男たちの背後から低い声が響いた。
「誰だっ!?」
現れたのは、若い男だった。
20代前半くらいだろうか。
すらりとした長身にイタリアンブランドのスーツを着こなし、タバコをくわえている。
「てめえらごときに答えてやるつもりはねえ。邪魔なんだよ、てめえら。死にたくなきゃあ、俺の進路をふさぐんじゃあねえ。」
直後、3人組が、男に襲いかかった。
が、勝負は、あっという間についた。
ルナは、思わず男の動きに感心した。
強い。ケンカ慣れしてるっていうレベルじゃない。特殊な訓練を受けたような、プロの身のこなしだわ。
若い男は、うめき声をあげて崩れ落ちた連中を一瞥すると、ゆっくりとルナの前に近づき、手を差し出した。
「おい、立てるか。」
尻もちをついたままだったので、どうやら腰を抜かしていると思われたらしい。
「Grazie.」
ルナは、ありがたく手を取って立たせてもらった。一緒に路地を出ながら続ける。
「助かったわ。どうもありがとう。」
男は、新しい煙草に火をつけながら言った。
「フン・・・ただの暇つぶしだ。」
明るい場所で改めて見ると、きりりとした眉、影が出来そうな長い睫毛、鋭い銀色の瞳、シャープな顎のライン。
あらやだ、と、ルナは思った。
イケメンじゃない、めちゃくちゃ。
ルナの視線を感じたのか、男は、何気なくルナの方を見た。
「ーー!」
「?」
なぜか息を飲んで動きを止めた男を見て、ルナが首を傾げた時、
「兄貴〜〜っ!!プロシュート兄貴〜!!」
間延びした大声が聞こえて、男は我に返ったようだった。
「こんな所にいたんですかい!?オイラ探しちまいましたよ!!」
ゼイゼイ言いながら走って来たのは、緑の・・・パイナップル?
「何してんですか、兄貴、こんな所で。そろそろ時間なんじゃあないですか?」
「あ!!」
その言葉で、外出の目的を思い出す私。
「私も行かなきゃ。今度会ったらお礼するわね。それじゃあ。」
「ーおい。」
振り向くと、パイナップルから兄貴と呼ばれたイケメンは、ルナを見すえていた。
「名前は?」
「ルナよ。Ciao!」
ルナはにっこり笑って、ついでに投げキスもサービスして、その場を後にした。
パイナップルの方はともかく、イケメンの方は、素人っぽくないな。
もしかして、ブローノと同じ方面の人かしら。
最近、ブチャラティは忙しいらしく、アマルフィでのデート以来、会えていない。
くだんのリストランテにふらっと行くと、他のメンバーに会うことはあるが、ブチャラティとは入れ違いになっている。
まあ、電話くれるし、お花も届くんだけどね。イタリアーノがマメなのか、ブローノの性格なのか・・・
そんなことをたらたら考えながら、ようやく見つかったフニコラーレの駅で、切符を買って電車に乗り込む。
おもしろい。坂道を上り下りするからだろうか、車体が階段状になってる。
電車はどんどん坂道を登ってゆく。
そして、もうすぐ目的地の駅の二つ前、という時だった。
「ん?」
思わず声が出たのは、線路から無理やり車道を突っ切る人影が見えたから。
「ブローノ・・・!?」
ルナは息をのんだ。
一瞬だったが、その人影は、ブチャラティの姿に見えたのだ。
少しして、目の覚めるようなブロンドの男が、ブチャラティの後を追って走って行くのが見えた。
おそらく二人は、1本先の電車に乗っていたのだろう。
ーー追って!!
頭の中にスタンドの声が響いた時はもう、
ルナは、ドアへと走っていた。
駅で電車を飛び降り、二人が消えた方角へ走る。
理由は、わからない。
けれど、入り組んだ通りの先、見晴らしの良い小さな広場に二人がいるということが、なぜかはっきりとわかっていた。
「!!」
ブチャラティが戦っていたのは、まだ少年と言えるぐらいの若者だった。
二人とも、スタンドを出して激しく打ち合い、そのせいか、ルナの存在にはまったく気づいていない。
ーーブローノのスタンド、初めて見たわ・・・
青と銀色の人型のスタンドを目にして、そう思った時、ブチャラティの左腕に、相手の金色のスタンドが拳を打ち込んだ。
「ゴールド・エクスペリエンス!!」
相手が叫んだ、次の瞬間、ブチャラティの左腕がジッパーのようなもので外れた。
その刹那、ルナの目には、ブチャラティがほんのわずかに動きを止めたように見えた。
しかしすぐにブチャラティは、右腕からスタンドを発動させながら、叫んだ。
「始末させてもらうぞっ!!ジョルノ・ジョバァーナ!!」
「ーーー!!!?」