4話 窓のそと
ひらひらの薄い布が上からかけてあって、そこに登れば
〇〇が置いてくれたふかふかの敷物がある。外のいろんなものが見えるお気に入りの場所。あたたかいし、ひなたぼっこもできるのよ。
ここからは
〇〇の話す天気の話や季節の話に出てくるものが見えて、
〇〇と同じものが知れるのがうれしかったりするの。お休みの日は一緒にここからお外を眺めたりするのよ。
上にはトリが飛んでいてうずうずするし、下はヒトやイヌも歩いていてその流れを見たりするのもたのしいの。
よくわたしと同じようにまっくろのヒトがこっちを見ていて、なにかしら? とわたしも見てしまうのだけれど、あやしいわ。だって、たくさん通っていくモノのなかでアレだけがわたしを見るのだもん。
もしかして仲間なのかしら? 覚えてないけれど別れたきょうだいとか? でも見た目はヒトよね?
〇〇と同じだもの。
ふしぎね、なんなのかしら。
ふしぎと言えば、コレも。
丸くてずっとそこにいる。たまに音がして、叩いてみるのだけれどびくともしないのよ。
ちょいちょい、えいっえいっ。ほらね。
でも気づいたら音がしなくなるからきっとわたしの勝ち。いつも。
今日も勝ったわ。疲れたから少し寝ることにする。
ガチャと音が聞こえる。
〇〇だ。お迎えに行かなきゃ。
「よるさん、ただいまー」
とてもうれしそう。声も高いし、いつもより撫でる時間が長いわ。
どうしたの? 何があったの? わたしにも教えて。
〇〇の足の間をくるりくるりと回って話しかける。
「うふふ、よるさんどうしたの? くすぐったいよ」
伝わらない、もどかしいわ。わたしも
〇〇にお話したいことたくさんあるのに。