あとがき
だらだらと長い話を最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
好きが抑えきれなくて相澤先生の夢を書くようになった昨年3月。恋愛下手な相澤先生が出入り業者に恋をする話、ごく普通の一般人との恋をする話が読みたいと書き始めたはいいものの、先生が自分の気持ちを押し殺さず恋に前向きになる想像と、もだもだを続ける非合理的な先生の想像が足りず、何度も止まってしまい、一年かかってしまいました。
駆け引きをしない、ストレートに好意は伝えてくるけど「好き」とは言わない相澤先生はずるい!を見たい!を胸になんとか少しずつ書くことができました。
勝手な解釈で相澤先生はめんどくさくない付き合いはできるけど、心を深く通わせるような恋愛は苦手で、けれども好きになったら一直線、でろでろのあまあまな彼になるんじゃないかなあ、そうだったらいいなあの気持ちがありまして。好きだと自覚した途端好意がダダ漏れになったり、でもどうやって進展すればいいのかわからず会えない間何ヶ月も悶々としたり、不器用に高価なものを渡して不安にさせたり、突然電話かけたり会いに来たり、付き合ってもないのに触れてきたり、嫉妬したり、意識させたいと思ったのに逆にキュンとさせられてしまったり、ケーキ作ったりなどなど。
いやあ、相澤先生はこんなことしないでしょ?!なことをやっちゃうくらいの恋愛下手なりの本気をみたいなと。そんな相澤先生に接されて、夢主は「優しい」「笑顔が素敵」「センスいいんだな」「意外とマメなんだな」と思っていくのが楽しかったです。お付き合い開始後、夢主が学校へ行った時、香山さんに「相澤くんとはどう?大事にしてもらってる?」なんて聞かれた時に「笑顔が素敵で、」とか言ったら香山さんが「ねえ付き合ってるのって相澤くんで合ってるわよね?」とクエスチョンマークが大量に浮かびそうです。夢主もどういう意味かわからず「合ってます」と言いつつもクエスチョンマークが浮かんで噛み合わない会話になりそう。
いくら小汚くても、連絡がなくても少なくても会えなくても、教師でヒーローってだけでちゃんとした人認定されるのは相澤先生の強みですよね。だからこそギャップがすごいし、身綺麗にしたときの破壊力がたまらないです。沼です。
見たかった先生を詰め込めることができ、そして無事書き終わることができて満足です!
登場人物について少し補足と込めた思いを。
まず、夢主の飼い猫よるさん。
彼女は、桜の花びらを追いかけていたら迷子になってしまった子。迷子になったのがあまりにも子猫のときなので、親猫や兄弟猫よりも夢主と居た時間の方が長く、夢主のことが大好き。お世話したり面倒をみたりアドバイスしたり話を聞いたりと同居人、相棒のようなねこちゃんでした。賢いし、しっかりしてる風だけど、花びらを追いかけて迷子になっちゃうような子なのでちょっと抜けてたり、まいっか、と流しちゃったりと、夢主と似ている性格です。
夢主と相澤先生をつなぐ大事なポジションでしたので、よるさんパートを何話か入れたのですが、夢小説に猫視点いる?と何度か自分でも悩んでいて、そんな中「よるさん好きです」と言ってくださる方がいらっしゃって、ホッとしました。ありがとうございます。
次に、噛ませ犬、同期で営業の杉村くん。
彼は相澤先生が嫉妬するほどいいやつにしようと思っていました。最初の流れだと2話ほど彼パートもあったのですが、さすがにモブが多く動くのもなあと削ってしまったのでこちらで消化させてください。
彼の設定としては、入社式から夢主のことが気になっていて、同じ歳、食の好みが似ていて、話して楽なところ、清楚風な見た目なのに反してしっかりと意見は言うところ、仕事が出来るところが好きで、ずーっと近くで夢主を想っていました。入社当時から社内でモテる夢主を隣に自分がいることで、変な噂から守っている健気なやつだったんです。
余談ですが、それに気づいている夢主の後輩の宮森さんも「先輩ニブ〜」と思っていたことでしょう。彼女は彼女で先輩である夢主が好きだったので、下心ダダ漏れで経理部へ入ってくる何名かの男性社員よりは杉村のほうがいいなと思っていました。
そろそろ休日に二人で出かけるのに誘って距離を詰めていこうとしていたところに夢主と相澤先生の距離感を間近で見てしまうという、彼を思うととてつもなく切ない展開に。それでもいいやつなので告白はするけども、夢主を応援してくれるという、たまにキューピッドみたいなこともして、それが逆に相澤先生も気になってしまって、こんないいやつが夢主の近くにいるんだよな、とちょっと焦ったりもするという、噛ませ犬すぎて申し訳ないくらいのいいやつでした。ですが、仮に夢主が恋に敗れて弱った時、ガンガン攻めていくような強かさと押しの強さもあるやつです。弱った時って、寄り添いと優しさと少しの強気ってぐらっとしますよね。
もし夢主が同期女子に相談していれば、「そんな遠い存在で滅多に会えない人なんかやめて、杉村にしときなよ、いいやつじゃん」と言われていたと思います。
何気に杉村くんも人気あって嬉しかったです。
同期で夢主と同じ部署の柏木さん。
彼女もいい人なのですが、杉村くんが夢主に気があるのを知って、夢主が相澤先生に出会う前からくっつけようとあれこれ行動していた人でした。はっきりしない杉村くんにも、自分の言動にも気づかない夢主にも(杉村は友人同士だと思っていたため、彼にも失礼だろうと夢主はあえて気づかない風にしてました)多少のモヤモヤを抱えていて、はよくっつけと勝手に、ほんと勝手に思っていた人です。
いらないお世話だと夢主は思っていたので、そんな中、「本当は好きな人いるんだ」とも言いづらく、ましてや相手はプロヒーローで有名高校の教師だなんて言えるはずもなく、仲良い同期とは言え、告白してくれた杉村くんにしか相澤先生のことは話していませんでした。夢主の相談相手がよるさんのみでしたので、余計にもだもだしちゃいました。
私自身も、二人のもだもだが長く、なんだよ!はやく付き合っちゃえよ!と思ったりもしました。でも告白のタイミングって間違えるといくら両片想いでもすれ違ったりするじゃないですか。二人には付き合う前に擦り合わせをして欲しく、ゆっくりお互いを知って、触れ合っても違和感ないくらいの勝ち確の状態まで持っていきたくて、最後までもだもださせてしまいました。
お付き合いが始まって、最初はあまずっぺー付き合い方をして、香山さん辺りに「どこまで進んだのよ」と余計なお世話をされそうです。山田には待ち受けにした彼女とよるさんのツーショを見られて、「もしかしてカノジョ?!」「そう、彼女」とサラッと認めそう。
そしてそして相澤先生なので、ぐいぐいと積極的にその先に進んでくれることを期待して妄想に耽っております。ピュアピュアに一年も両片想いを続けてきた二人の初めてとか大変唆られます。「え、と、あの、よるさんいるから気になっちゃって」「ああ、では俺の家行きますか」なんて初めてそこでご近所相澤の家へ行くんだと思います。その後の妄想も美味しいですね。
最後になりましたが、Xで読んでくださった方々、しぶで読んでくださった方々、いいねやブクマ、スタンプ、コメント、うぇぶぼへの絵文字や感想、直接感想をくださった方々、みなさまに支えられて書き終わることができました!
本当に、本当に、ありがとうございました!