第17話
夢小説設定
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歌い終わり涼は観客の方に顔を向ける
「まだまだ未熟で、集まったのもつい最近だ…今は軌跡の涼としではなく、『蓮華』の涼として見てくれ…それが無理なら、ファンにならなくて良い。『蓮華』の人間として見てくれないと俺等のバンドは何も成立しない…」
ふぅ、と息を吐いた
「俺等は『蓮華』だ…ここには軌跡の俺は居ない。それはわかってもらいたい」
切実な声音
「メンバーに内緒でな、『蓮華』の曲作ったんだ…ギターと俺の声だけじゃ、足りないかもしんねェけど聞いててくれ――‘蓮華’」
マイクの高さを調整し、ピックで弦を弾き始める
メンバーは固まり、それをみていた
涼の一変した雰囲気に呑まれたのだ
「今だから言えることは、軌跡のメンバーとは仲良くなかった…意見は割れちまうし、仲間での喧嘩。仲間とは思えないくらいだった…でも、今は此奴等と組んでさ―――なんつーか。すっげェ楽しいんだよ。一人一人がちゃんとしっかりしててさ…練習にも文句無いぐらい成果も出すし、相手の良いとこを潰さないで前に皆で進めてる気がすんだ。俺、此奴等と組めて――――幸せなんだ。これ以上に最高のメンバーなんていねェ。そう胸を張って言えちまうメンバーなんだよ…俺とバンド組んでくれて、俺に前に行けるように声をかけてくれて――有難う」
メンバーに視線をやり、そう言った
「これから、宜しく頼むな?」
「「「当たり前」」」
涼はふっと笑い、帽子で顔を隠した
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