第12夜
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涙は止まることを知らなかった。
警察の人からは保険をかけていたこと、大型トラックからの謝罪金が渡される事を聞かされた。
それを聞きつけた親戚達は金の欲しさに咲を引き取ると言い出した。
だが、咲はそれを全て断った。
嫌味を言いながら親戚達はかえって行った。
葬式をして、両親は骨になった。
それを見た咲はまた涙を流した。
雨は降り続けていた。
目は充血し、ご飯もろくに食べれなかった。
食事をしないで既に3日…
そんな時、声が聞こえた。
《泣かないで。私達は咲を守れて良かった…だから、生きて。私達の分まで》
《頑張って生きろ》
咲は顔を上げ、周りを見回したが誰も居なかった。
《私達の分まで…》
その言葉を最後に何も聞こえなくなった。
(生きるよ…お父さん、お母さん)
光が灯されていなかった瞳には光が戻っていた。
それから咲は仮面を被った。
笑顔という仮面…
笑顔の仮面の裏には弱い自分が潜んでいる。
周りの人からは分からない演技力。
何よりも評判が良かった…
それにより、笑顔の仮面を外せなくなっていた咲だった。
だが、外せなくなっていたのではない。
外すのが怖いだけだった。
素の自分を受け止めてくれるのか分からない世の中…
そんな世界にも嫌気がさしていた。
その時、ライドが来たのだ。
咲はDグレにも興味もあった。
-自分の仮面を取ってくれる、溶かしてくれる者が居るのか…-
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