第12夜
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外を窓から見ると、雨が降っていた。
「雨…」
(まるであの日のよう…)
瞼をそっと閉じた。
そう、あれは咲が六歳の時の事だった。
旅行に行くために家族三人で車に乗った。
だが、目の前には大型トラックが迫っていた。
トラックを避けるためにカーブをしたら車がひっくり返り、転倒…
母親は咲を抱き締めた。
自分を犠牲にしてでも、守るように。
車は転倒し、窓ガラスが体に刺さっていた。
致命傷を負った両親
咲はガラスの破片が腕に刺さっていた。
子供なのにじっと我慢した。
嫌、痛みさえも忘れる光景が目に入ったからだろう。
両親の体は血だらけ
「お母さん、お父さん」
涙を流しながら2人を揺さぶった。
だが、返事はなかった。
涙は拭いても拭いても溢れてくるだけ。
「何でなの…返事してよ」
車には先程より強い雨が降り注いだ。
咲の涙に反応しているかのように…
やがて、車の周りには人だかり…
病院に電話してくれる人や警察に電話する人もいた。
救急車が来て、咲は直ぐに処置をされた。
ガラスは深くは刺さらなかったけれど、跡は残ると言われた。
両親は死んでいると告げられた。
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