窮奇編
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暁の後ろに顕現した朱雀
《体を早く休めな》
「まだ大丈夫だ。心配するな…高於とも話がある」
真剣な眼差しを天に向けた
微かな目眩が襲う
「一度帰る。それから出直すつもりだ。高於の前で倒れたら笑い事じゃなくなるからな」
口元に弧を描きながらそう呟いた
昌浩達を見ると白虎の風で戻って行くようだ
「白虎、お願い」
その言葉に応えるように直ぐに運ばれた
腕の中で眠っているもっくんを離さぬよう少し力を入れながら
地に着き白虎に礼を言い、瞳を伏せた
(あ、帰って来たか)
上から来る神気
それに笑みを浮かべ迎えた
「長旅ご苦労様です」
ちらほらと雨が降り始めた
「騰蛇は自分で自分を責める。周りは騰蛇を責めるなよ。以上だ」
丁寧な口調が一変した
眼差しも強くなる
腕の中にいるもっくんが身じろいだ
ゆっくり瞼が開かれる
「もっくん、大丈夫?」
バッと視線が上がり、腕から抜け出そうともがく
けれど、暁は離そうとはしなかった
「昌浩なら大丈夫だ。俺も燃えていない。騰蛇が自分を責める必要などどこにも無いんだ…誰も傷つけていない。」
少しずつ大人しくなっていく
「だから自分を責める必要など無い。もう少し眠れ」
瞼に手を置き、額に唇を落とした
手を退かせるともっくんは眠っていた
「暫く騰蛇を預かる。先に失礼する」
それだけ言って踵を返した
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