窮奇編
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その涙は月により反射される
(俺みたいに苦しむ奴は見たくない…)
瞼を閉じ、最後の涙を流しまた歩き始めた
暗視の術をかけ、歩いていく
京の闇は深く、暗視の術や火が無ければぶつかってしまいそうだからだ
「昌浩、部屋に戻ったのか」
そう闇に体が溶け込んだ状態で呟いた
その呟きはどこまでも広がる闇に呑まれた
そして、闇に紛れながら昌浩達の居る部屋に向かった
戸を開け、中に入っていくと
「行くなら着いていく…今日は嫌な予感がする」
遠くの方を見据えながら発した言葉にもっくんは息を呑んだ
昌浩はその表情に固唾を飲み込んだ
「警戒を怠るなよ?俺の予感は嫌なこと程当たる」
剣呑に光る瞳
「で、昌浩はどこに行くんだ?」
「馬代邸へ…彰子っと一の姫の遠縁の方の様子を見に」
(それが鬼女だな…)
「――!暁、聞いてる?」
「え、あ、うん。聞いてなかった…」
「暁はきちゃ駄目だ!」
「何で?」
上目遣いで昌浩を見上げている
それに顔を真っ赤にした昌浩にもっくんは溜息を吐いた
「昌浩が心配なのに…手助けになりたいのに」
「うっ…」
自分の為の行為だと知って昌浩の壁は崩された
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