天国にはまだ早い

[main] タイトル : クトゥルフ神話TRPG「天国にはまだ早い」
肉体ロストver KPレス版

[main] 【導入】 : ──その瞬間、誰かとすれ違った気がした。


静寂の中、あなたは目を覚ます。
ぼんやりとした視界が輪郭を取り戻して、純白が目に入った。
眩しいほどの真っ白な部屋。そこに立っている。
息苦しいほどに静かで、何もない。

あなたに今まで白い部屋に閉じ込められた経験があったとしても、本当に何もないように見える。

あなたは自分の記憶を辿るだろう。

[main] 2 : どうしてここにいるのかと、自分の記憶をたどる。そうしてあなたは思い出す。

最期の光景。
強大な存在になすすべもなく、あるいは誰かの悪意を受けて、あるいは自らの選択の結果として。
あなたの灯が消えてしまったこと。

あなたという命は、世界からなくなってしまった。
そうして今、あなたは自分が死んだことを思い出した。SANC1/1d4

[main] 葦千穂 光羽 : 1d100<=48 【正気度ロール】 (1D100<=48) > 39 > 成功

[main] system : [ 葦千穂 光羽 ] SAN : 48 → 47

[main] 葦千穂 光羽 : CCB<=50 【目星】 (1D100<=50) > 30 > 成功

[main] 3 : ・<目星>成功

服は、死んでしまったときに着ていたものだ。
持ち物も、その時に持っていたものなら持っている。
ただし魔術的な道具を持っていた場合、それは作用しないだろう。

さらに白い壁に、何か文字が浮かび上がるのが見えた。
「再演算の結果、この存在により 貊?コ。縺ョ譛ェ譚・縺。早急に 蜃ヲ蛻?☆縺ケ縺」

文章は奇妙に動いたかと思うとすぐに消えてしまい、完全に読むことはできなかった。

[main] 葦千穂 光羽 : CCB<=70 【アイデア】 (1D100<=70) > 65 > 成功

[main] 4 : ・<アイデア>成功

死んでしまったせいだろうか。体に何か違和感があるような気がする。

まるで自分のものではないようだ。

[main] 5 : 「やあ」

突然、声が降ってくる。合成された音声のような、無機質な話しぶりだった。
あなたが辺りを見渡せば、背後に白衣姿の若い男性が立っているのが見える。
目元は長い前髪で隠れていて、表情がよく読めない。

「初めまして。突然のことで驚いているよね」
「君に危害を加える気はないから落ち着いて。安心してほしい」

青年はどこか慣れた様子で、あなたに話しかけてくる。
あなたはこの、奇妙な青年に質問ができる。

[main] 葦千穂 光羽 : 「落ち着け、と言われてもだな……そもそも、君は一体……?」

[main] 6 : ・青年について聞く

「僕かい? 僕の正体や名前は今重要じゃない」
「でも君には、名前がないと不便かな。ジェーン・ドゥとでも呼べばいいよ」

[main] 葦千穂 光羽 : CCB<=75 【知識】 (1D100<=75) > 86 > 失敗

[main] 葦千穂 光羽 : 「そうか。では、ジェーン。もうひとつ……いや、ふたつ訊かせてもらおう。

[main] 葦千穂 光羽 : 俺は確かに、あのとき家族と……一緒に、いたはずだ。最期までな。それなのに、何故こんなところにひとりで放り込まれているんだ」

[main] ジェーン : 「そうだね。ひとつずつ、答えていくとしようか」

[main] 7 : ・「自分は死んだはずでは?」

「まず、君はそのことを思い出したんだね。そうだな……その質問に答えるには、少し説明が必要になる」
「でも今は、その時じゃない」
それ以上あなたが尋ねても、彼は何も答えない。

[main] 葦千穂 光羽 : CCB<=40 【聞き耳】 (1D100<=40) > 32 > 成功

[main] <聞き耳>成功 : 「君はまだ死んでいない……僕達の定義では」
そう聞こえた気がした。

[main] ジェーン : 「さて、もうひとつ。ここはどこなのか、それについて説明が必要だろうね」

[main] 8 : ・「ここはどこ?」

あなたの質問に、白衣の青年は淡々と答える。

「ここは天国でも地獄でもない」
「君の生きていた場所や時間、それら全てから遠く離れた場所だ」

「急に全ての現実を見せると、君の精神に良くないからね。今はこの空間で隠している」
「どうだろう、君はそれでも現実を見たい方かい?」
「それとも、身を守るために見ないことを選ぶかい?」

[main] 葦千穂 光羽 : 「皮肉なものだな。現実で死ぬ直前にも幸せな箱庭に閉じ込められていたというのに、ここに来てまた安全な空間で守られることになろうとは。

[main] 葦千穂 光羽 : まぁ、閉じ込めた張本人がそう言うのならば、外はあまり見ない方がいいのかも知れないな」

[main] 10 : ・やめておく

「わかった。目を背けるのもまた知性だ」

ジェーンはそう、納得したように言う。
彼の言動は無機質でありながら、どこかあなたに対する気遣いが感じられる。

[main] 11 : ・一通り質問をした

「聞きたいことは色々あるだろうけど」
「その前に君には、してもらわないといけないことがあるんだ」

そう言っておきながら、ジェーンは思い出したように質問してくる。

「ああそうだ。ところで君には、どこか見たい景色や行きたい場所はあるかい?」
「できれば君の知っている場所の中からで頼むよ。「死後の世界」とかいうのは許可できないからね」

冗談か本気かわからないような調子で、ジェーンは言う。

あなたの、見たい景色や行きたい場所──

[main] 葦千穂 光羽 : 「……そうだな。可能ならば……

[main] 葦千穂 光羽 : もう一度、あの家に戻りたい。俺が心から大切に想っていた……家族のいる、葦千穂家に」

[main] 12 : 「それなら、それがどんな場所か教えて。景色を思い浮かべるといい」

あなたは言われるまま、その場所を思い起こす。
かつて生きていた場所、馴染み深い場所。思い出の場所。憧れの場所。

それはあなたの職場だったり自宅だったりするかもしれない。
誰かとの思い出の場所、落ち着ける場所であるかもしれない。

と、水面に色が落ちるように景色が変わる。
瞬く間に、そこは白い部屋からあなたの思い描いた空間へと形を変えていた。
匂いも、湿度も。あなたは間違いなくその場所だと思える。
持ち物や道具も、あなたが望むならそこにある。

ただ、誰一人としてそこには居なかった。
人々のざわめきも、鳥や虫の鳴き声もしない。それは動くものの存在しない、空っぽの景色だった。
「親しい人のいる場所」を思い浮かべたとしても、そこには誰もいない。
ただ今にも、その人が現れそうな景色だけがある。

[main] ジェーン : 「へえ。なかなか興味深い場所だね」

[main] ジェーン : 「どうかな。君はここで、何かしたいことはあるかい?」

[main] 葦千穂 光羽 : 「したいこと、か……強いて言えば『家族に会いたい』だが、それは難しかったか?」

[main] ジェーン : 「ごめん。今はこれしかできなくてね。人や生き物に会わせてあげることはできないけれど、それ以外ならば好きにしてもらって構わない」

[main] 葦千穂 光羽 : 「ということは……白羽たちだけでなく、ぴぴやぶんさんに会うこともできないか」

[main] ジェーン : 「それは、ペットか何かかな? もしそうなら、残念ながらね」

[main] 葦千穂 光羽 : 「いや、構わない。

[main] 葦千穂 光羽 : ……そういえばあの子たち、現実に戻ったあとは見かけなかったな。俺が潰されて動けなかったから、というのもあるけど、無事に生き延びていてくれていたらいいな。

[main] 葦千穂 光羽 : しかし……好きにしていいと言われても、何も思いつかない。俺の思い出の中では、いつも隣に誰かがいた。俺自身は、これといって趣味もないし、自分に興味がなかったからな。

[main] 葦千穂 光羽 : まぁ、あんたがそこまで言うなら、せめてもう一度……本当に最後の、思い出くらいは残していくとしよう」

[main] 葦千穂 光羽 : CCB<=40 【写真術】 (1D100<=40) > 49 > 失敗

[main] 葦千穂 光羽 : 「全部ブレてるが……まぁ、いいか。これくらいがちょうどいい」

[main] 13 : ・景色を見て回る

ふと気が付くと、ジェーンの姿は消えていた。

あなたはこの、懐かしく静かな景色を一人で見て回ることになるだろう。
しかしどこまで行ってもやはり、そこには誰もいない。痛いほどの静寂だ。

辺りを見ていると、ぽつんと机と椅子が置いてあることに気づく。
どちらもあなたが使った覚えのあるものだ。
もし既に机や椅子を見つけているなら、そこに変化があることに気づくだろう。

ジェーンの声が頭に響いた。

「頼みがあるんだ」

「教えてほしい。君と、君の────死について」

[main] 葦千穂 光羽 : 「理由を聞かせてもらおうか。見ず知らずのお前に、容易くそんなことを教える義理などないからな」

[main] ジェーン : 「悪いけれど、君にはどうしてもやってもらわなくてはいけない。理由は……後で話す」

[main] ジェーン : 「そうしなければ、君はずっとこの空間から出られないままだ」

[main] ジェーン : 「僕が居なくなれば、この静寂に君の精神は長く耐えられないだろう」

[main] 葦千穂 光羽 : 「まったく、どいつもこいつも……一体何回ひとを箱庭に閉じ込めれば気が済むんだ。

[main] 葦千穂 光羽 : 分かった。その代わり、約束は果たしてもらうぞ(席に着く)」

[main] 13(続) : あなたは椅子に座る。
机には本と、奇妙な石板が置かれており、傍らにはあなたの使い慣れた筆記具が置かれている。

[main] 16 : ・本を開く


あなたは目の前の椅子に座り、本を開く。それを読んだあなたは驚くだろう。
そこにはあなたが生まれてからの人生の内容が、事細かに書いてあった。

延々と続く文字の羅列は、唐突に終わりを告げる。
あなたという存在が死ぬ。そのことを示す文章で。
自分の人生が記録されているという事実に、SANC0/1。

[main] 葦千穂 光羽 : 1d100<=47 【正気度ロール】 (1D100<=47) > 80 > 失敗

[main] system : [ 葦千穂 光羽 ] SAN : 47 → 46

[main] 16(続) : もしこれが自分の人生の記録ならば、これ以上書かれることはないはずだ。
しかしその次のページをめくれば、まだ文章が見えた。それは質問のように見える。
読もうとする前に、またジェーンの声が頭に響いた。

「その本は君の人生だ。しかしまだ、完結はしていない」
「そこに現れる問いに、答えてほしい。簡潔でも冗長でも構わない」
「君が何を書いても、僕は見ていない。誰も見ていない。もし話し相手が欲しければそれでもいい」
「問いに縛られなくていい。聞かれていないことを答えてもいいし、答えになっていなくてもいい。君の思うままで構わない」

彼の意図は不明だが、嘘をついている様子や、悪意は感じられないだろう。

[main] 14 : ・石板に触る

机の上に、薄い石板がある。
あなたが触れるとそれは虹色に光り、奇妙な文字列のようなものを映し出した。
知らない言語であるはずだが、あなたはなぜかその文字を読むことができる。

_________________
イス歴 XXXX年 XXXX日
どうやらこれは夢ではないらしい。気づいたら、この星にいた。人間ではない体となって。
この星の種族……宇宙人と言ったらいいのか。彼らはイスというらしい。

私は若くして研究者としての才能を認められ、大学に籍を置いていた。
彼らは私と精神を交換し、人類について調べたいのだという。
時期が来れば、体を返してくれるらしい。その間、彼らの知識を私も得ることができるのだと。
突然精神を拉致されれば、普通は怒りが沸いて来ようというものだ。
しかし、私には彼らの英知が何より魅力的だった。ああ、これから何を学んで過ごそうか。

イス歴 XXXX年 XXXX日
このイスという種族は理知的で、人間に対して紳士的に見える。
知識と、自分たちの種族を守るためなら手段を選ばない点はあるが。
そんな彼らに、今日は珍しく動揺が見られた。

精神を交換され、イスの精神を宿した人間。
つまり私の肉体が、地球での偶発的な事故によって命を落としたらしい。
彼らの力をもってしても、どうにもならない存在によって引き起こされた死であるようだ。
私は、帰るべき肉体を失ってしまった。

彼らはお詫びに、私をイスの同族として迎え入れると言ってくれた。
この知らせを聞いた時、私は深く安堵した。

人間の研究者として生きていた時の私は、空虚だった。
奇人変人だと後ろ指を指され、他人から向けられる嫉妬に辟易としていた。
この星ではそれがない。皆がただ純粋に知識とそれを活かす方法を模索している。

この星で私は初めて、理想的な仕事と居場所を得たのだ。私はこうなるべきだったのだ。
私が死んだところで、惜しまれるのは私の研究成果くらいのものだろう。

[main] 15 : イス歴 XXXX年 XXXX日

私にも、友人と思える存在ができた。まあ、向こうがどう思っているかは知らないが。
個体コードで呼ぶのもなんだから、ジェーン・ドゥと呼ぶことにした。
するとジェーンは、私のことをナナシと呼んだ。面白いやつだ。

ここでの生活に不満はない。楽しく満ち足りている、はずだ。しかしこの欠乏感は何だろう。
日に日に何かが、失われていくような気がする。

イス歴 XXXX年 XXXX日

司令部から私に、地球調査の任務が下された。
人間の精神と入れ替わり、特定年代の地球を調査して欲しいとのことだった。

私がイスとして生き始めてから、気の遠くなるような年月が過ぎている。
うまく人間の「フリ」ができるかどうか、少し心配だ。
_____________________

あなたが石版に触れても、それ以上続きは現れなかった。

[main] 17 : <執筆パート>
あなたは一人、この静かな空間で文字を綴ることになる。
あの本を見てしまったからだろうか。嬉しかったこと。悲しかったこと。
様々な記憶を、あなたは思い起こすかもしれない。

(※質問が多い、答えにくいなどと感じたら適時飛ばしてください。)

[main] 質問 : 1.あなたの名前を教えて下さい。

2.あなたは、どんな風に育ってきましたか。あるいは、どんな子供でしたか。

3.あなたはどんな暮らし方をしていましたか。例えば学校に行ったり仕事をしたりしていましたか。

4.人生で特に印象に残っている出来事や思い出はありますか。
良いものでも悪いものでも、両方でも構いません。

5.生きる上で、大切にしてきた事や信念はありますか。それはなぜですか。

6.あなたの死につながる、不可思議な出来事。それに巻き込まれる前のことを思い出してください。
あなたは、自分の生き方に満足していましたか。不満足でしたか。それはなぜですか。

7.あなたには、最期まで伝えられなかった秘密や気持ちがありますか。

8.死の瞬間、あなたは何を思いましたか。

9.あなたは自分の生き方や、死に後悔を感じていますか。感じていませんか。

10.あなたより前、もしくは近い時期に命を落とした大切な人はいますか。
もしわからなければ、問いかけてみてください。この本に答えが現れるでしょう。
(※ 過去設定もしくは同シナリオでロストした、親しいPCやNPCがいるかどうか。PLが知っていてPC が知らない場合、ここで知ったことにして良いです。PCが知りたがらない場合は「いない」を選択
してください。)

→いる(次ページへ)
→いない(次ページで11の質問を飛ばす)

11A.命を落としたその人と、あなたはどんな関係ですか。その人をどう思いますか。

11B.その人に、あなたは伝えたかったことがありますか。今その人が目の前にいるなら、何と言いますか。

12.あなたには、遺してきた大切な人がいますか。複数人でも構いません。

→いる
→いない(12の質問を飛ばす)

12A.遺してきたその人(たち)と、あなたはどんな関係ですか。

12B.その人(たち)のことをどう思いますか。

13.最後の質問です。あなたが今、自分の気持ちを手紙に書いて渡せるとしたら、誰に何と書きますか。
相手は生きている人でも死んでいる人でも、個人でも複数人でも構いません。書きたくないなら、飛ばしても構いません。
ただし、今のあなたの具体的な状況については書かないでください。
(この手紙はPC・NPC、相手の生死を問わず誰にでも書いて良い。)

[main] 葦千穂 光羽 : 1.葦千穂 光羽

[main] 葦千穂 光羽 : 2.現在(と言っていいのかは不明だが)と変わりなく、周囲に関心が薄く、少し勉強ができる程度の取り柄も面白味もない子供だった。理系寄りで、図形や空間把握は特に得手としていたので、強いて言えば建築に関する興味ならば少し強かったように思う。

[main] 葦千穂 光羽 : 3.上記のこともあり、不動産会社の建築設計部に就職。今年で勤続22年目。妻とも今年で結婚16年目になる。子供ふたり――特に長女の音羽が大きくなるのも当然といえる。

[main] 葦千穂 光羽 : 4.いいこと:白羽に出会えたこと。彼女が俺のどこをそんなに気に入ったのかは不明だが(何度尋ねても「全部」としか答えないため、具体的な要素を掴みあぐねている)、何があっても肯定してくれる存在と一緒になることができたのは、奇跡と言ってもいいかも知れない。
悪いこと:子供の頃、おせちの黒豆を喉に詰まらせて窒息し、病院に搬送されたこと。幸い一命を取り留めることができたが、あれ以来黒豆のみならず豆類全般がトラウマになってしまい、節分豆すら食べられない。

[main] 葦千穂 光羽 : 5.信念と言えるほど大層なものではないが、どんなに忙しくても家族との時間は大切にしてきた。日々のタスクに忙殺されて、ようやく見つけた大切なものを見失ってしまっては、再び空虚な自分に逆戻りしてしまうと考えていたからかも知れない。

[main] 葦千穂 光羽 : 6.満足。いつも傍に家族がいたから。

[main] 葦千穂 光羽 : 7.特になし。家族に対して抱いていた愛を伝えられただけで十分。

[main] 葦千穂 光羽 : 8.白羽の夫で、音羽と羽琉の父親で――葦千穂家の人間で、幸せだった。そんな大切な家族を、最期まで守れなかったことは残念だったが。

[main] 葦千穂 光羽 : 9.既に書いてしまったが、家族を守れなかったことは今でも悔いている。しかし、自分の力量はその程度だったのだと考えると、あれもひとつの運命だったのかも知れない。
だから、人生そのものに悔いはない。否、ないものであって然るべきだ。そうでなければ、白羽の思いも、子供たちの頑張りも、全て無駄になってしまうだろう。

[main] 葦千穂 光羽 : 10.いる

[main] 葦千穂 光羽 : 11A.何物にも代えがたい、大切な家族。

[main] 葦千穂 光羽 : 11B.特になし。あのとき、伝えるべきことは全て伝えた。今になって、付け加える必要もないだろう。

[main] 葦千穂 光羽 : 12.いる

[main] 葦千穂 光羽 : 12A.実家の両親

[main] 葦千穂 光羽 : 12B.息子の先立つ不孝を赦してくれただろうか。また、ふたりともそれなりに高齢であるため、今後の生活資金や介護はどうするつもりなのか気がかり。

[main] 葦千穂 光羽 : 13.家族へ

本当にこの手紙がお前たちに届くのか半信半疑だが、これを書かせている者のことを信じて筆を執っている。
悠長に推敲するほどの心の余裕は持てそうにないので、子供たちに通じなさそうな部分は適宜母さんが訳してもらえると有り難い。

とはいえ、俺は昔から口下手で、意思が希薄で、人並みにあるはずの感情を表に出すことが大の苦手だったので、今の気持ちを素直に伝えられるかは分からない。
何せ、その日の夕食の希望さえ思いついた試しがないのだ。「母さん」を困らせないために、頭に浮かんだ献立を適当に口に出すか、音羽と羽琉の希望を優先させるかして、常に意思表示から逃げてきた。
子供たちの前ではあまり話したことがなかったが、母さんと結婚するときもそうだった。何かと言い訳して、何年も待たせて、逃げ続けて。それは自分が人形のように空っぽの人間だからだとばかり思っていたが、今にして思えば、俺は自分が思うより臆病だったのかも知れない。
学力ばかり一丁前で、蓋を開けたら何もない。そんなつまらない自分を暴かれることを恐れながら、逆に「自分はそういうものだ」と殊更に誇示して、弱みとして突かれることを避けようとしていたのだろう。言葉にしてみると矛盾しているが、全くそうとしか言いようがない。お前たちがいくら否定しようと、それは揺るぎない事実だ。

前置きが長くなってしまった。ここは思考整理の場ではなく、想いを伝える場だったな。
つまり簡潔に、思うままに書かせてもらおう。

白羽、
お前は度々、「光羽さんは私の運命の人よ」と言っていたが、俺もお前についてはそう思っている。
ただし、ロマンス映画の俳優が吐く情熱的で気障な台詞のようなニュアンスではなく、もっと生活感のある……たとえば、安らぎや自己肯定感を与えてくれるインテリアや、質のいい家具、便利な家電に出会ったときに近い感覚かも知れない。人をもの扱いするのもどうかと思うが、それだけお前が傍にいてくれることは、俺にとっていちばんの喜びだった。

音羽、
お前の勤勉なところと、騒がしいのが苦手なところは、きっと父さんに似たのだろう。
子供の夢を叶える手助けをするのも親の務めだというのに、最後の最後で力になってやれなくて本当にすまなかった。
あともう少しだったのに……今さら悔やんでも仕方ないことだが。あともう少し、俺に力があったら。
それだけ、お前は父さんの知らないうちに成長していたのだろう。そこから先を見ることがもう叶わないのは、本当に残念だけれど。

羽琉、
お前が毎週末サッカーの試合に出るのを見に行くことが、父さんにとってはいつの間にか楽しみになっていた。
父さんは何にでも興味を持つお前と違って、これといって人に語れるような趣味はないけれど、頭の片隅でサッカーのことを考えては待ち遠しくなっていたということは、これを趣味と呼んでもよかったのかも知れない。父さんに初めて趣味を与えてくれてありがとう。
お前は何も悪くない。大変なときに傍にいてあげられなくて、怖い思いをたくさんさせてしまってすまなかった。お前は本当に、最期までよく頑張ってくれた。父さんにとって、お前は世界一頼れるヒーローだ。

最後に。
俺たち家族の平和な暮らしは、随分前にあっけなく終わってしまった。過ぎたことについて今さら悔やんでも仕方ないが、あの日から先もずっと、もう何十年か続いてくれていたら……そんなことを考えないと言えば、嘘になってしまう。
もしも、輪廻転生というものが本当にあるのならば、それに縋ってみたいと願うほどに。俺は心からあの家を、お前たちを、愛していた。
しかし、近いうちにもう一度会うには、きっと俺たちは疲れすぎている。何せ、あんなことがあったわけだからな。
気が済むまで、ゆっくり休んでほしい。そして、いつかそれにも満足して、立ち上がる元気を取り戻したら……

今度こそ。誰にも邪魔されないどこかで。四人で、幸せをやり直そう。

葦千穂 光羽

[main] 19 : ・<執筆パート終了>

あなたが筆記具を置くと、また声がした。ジェーンの声だ。

「ありがとう」

「色々と聞きたいことはあるだろう。その前にこれを読んでほしい」
「僕には、よく行動を共にしていた個体がいた……そうだな、そいつのことはナナシとでも呼べばいい」
「人間だった時は男性の肉体に入っていたらしいから、彼でいいか。それは彼の日記なんだ」
「ちなみに君が見ている僕のこの姿は、ナナシが人間だった時のものを借りているよ」

机の上にある薄い石板が、再び輝きだす。そこにまた、文字が現れた。
先ほどの日記の続きであるようだ。

__________________
人類歴 XXXX年 XX月 XX日

久しぶりの人間の体は不慣れで、地球の空気はなにもかもが懐かしかった。
人間としての生に思い残すことなどないと思っていたが、どうやら私にも望郷の念というものは存在したらしい。

そんな時にふと、見かけた人間に視線が釘付けになった。理由は、私もわからない。
データベースで調べれば、その人の名前は葦千穂 光羽というらしい。
なぜか切ないような、そんな気持ちになった。また会えるだろうか。

人類歴 XXXX年 XX月 XX日

なぜだろうか。あの日からずっと、あの人間のことばかり考えている。
昔の知り合いにでも似ていたのだろうか。

私の任務はこの時代の地球を調査することであるはずなのに、あの人間のことをあれこれと調べている。
どんな生活を送っているのかと、理由をつけては何度も観察しに行っている。
あの人の笑顔を見るだけで、何かに打ち込んでいる姿を見るだけで、胸の奥が揺さぶられる。

思考が乱れ、行動を邪魔されている。こんなことは初めてだ。
これでは任務を達成できないかもしれない。
おかしなことだ。この私が人間に囚われ、イスに帰りたくないと思っている。
いやそれとも、あの人が人間だからだろうか。

ああ。そういえば私も、元々は人間だったな。

[main] 20 : イス歴 XXXX年 XXXX日

私の異変は、上層部に悟られてしまったようだ。
任務は中止となり、私の精神は母星に戻された。
母星に戻ってからも私はあの人間のことが忘れられなかった。未来予測シミュレーターを無断使用しては、あの人のことを見ていた。

そうだ。葦千穂 光羽がどんな一生を過ごすのか、シミュレーターとデータを使って記録してみよう。
もう会えないだろうが、それで十分なのかもしれない。

イス歴 XXXX年 XXXX日

嘘だ。
嘘だ嘘だうそだうそだ!!
信じない信じない信じない、信じたくない。
こんな、こんなことがあっていいはずがない。
きっとシミュレーターのバグだ。演算をどこかで間違えたんだ。
きっとそうに違いない。

だっておかしいじゃないか。あの人が──あんな死に方をするだなんて!

イス歴 XXXX年 XXXX日

何度繰り返しても、結果は同じだった。シミュレーターの中で、何度も彼が死ぬのを見た。
同時代に行ったことのある仲間を見つけ出して調査を依頼しても、同じだった。
あの人間は、死んでしまう。これは決められた運命だ。

定まった運命に干渉しようとすることはイスの法律で許されていない。法を破れば、私は罰される。
そもそも、時間を支配した我々の力をもってしても、運命を変えることは不可能だ。
私は、あの人に何もできないのか。

いや、何か手があるはずだ。私が考え抜いて、これまでできなかったことなどなかったじゃないか。
___________________

日記はそこで終わっている。

[main] 21 : 「……読んでくれたかい?」

ジェーンの声が響く。その声はどこか寂し気に聞こえた。

「君が死ぬ運命であることを知った時、ナナシの嘆きようは酷いものだった」
「しかし僕にも、どうすることもできなかった」
「さっき君は「自分は死んだはずじゃないか」と言ったね。その答えだが……」

それまで淀みなく話していた声が止まる。

「ナナシは精神交換機を無断使用して、君と精神を入れ替えたんだ」
「地球の運命に影響が出ないように、可能な限り直前に。君が意識を失い、死へ向かうまでの刹那」

「君の肉体は彼の精神を内包して死んだ。君の精神はこうして時空を超え、彼の肉体に移りこの星で生きている」
「どうして彼がそんなことをしたのか、僕には理解しかねる。君の精神を救いたかったのか、時間を与えたかったのか、苦痛を少しでも和らげたかったのか……。いずれにしても、困ったことだ」

彼の様子からは呆れや戸惑いが滲んでいるように感じられる。
あなたは最初より、ジェーンの感情がわかるようになってきた気がした。

[main] 22 : 「さて、ここからが本題になる」

「我々は必要に応じ精神を交換したり、時空間を移動したりする」
「君たち人間からすれば、万能に聞こえるかもしれないが……」

「実際のところ我々の生存戦略は非常にデリケートで、膨大な記録と緻密な計算の上に成り立っているんだ」
「君に色々と質問したのはそのためだ。ここに新しく来る者は自分の知っていることや感じた事、何でも記録することが義務付けられているからね。死を体験した者の記録は貴重だし」

「そう。本来であれば君のように、偶発的な出来事から我々の星に来てしまった精神は、イスの同族として迎え入れられる。おそらくはナナシもそれを狙っていたんだろう」
「しかしナナシが君と精神交換をした結果、世界は揺らぎ、未来予測シミュレーターに大幅な再演算の必要が生じた」

ジェーンはそこで、再び言葉を止める。
あなたの反応を待っているのか、言い出すことをためらっているのかはわからない。

「再演算の結果は……我々イスの種族の、滅亡を示していた」
「君が何か悪事を働くと言っている訳ではない」
「ただ君が我々の同族として生きていくことは、種族の滅亡を引き起こす。そういう因果なんだ」

自分がイス人として生きていくと、滅亡を引き起こす。
そう言われても、あなたにはピンと来ないかもしれない。
もし何らかの神話的存在と因縁があるのなら、あなたはその結果に納得するかもしれない。

「ゆえに、我々は決定を下した。種族を守るため、君を安楽死させることに」
「今の君の体──元々はナナシのものだったわけだが。それには既に、遅効性の毒薬が注射されている」
「苦痛はないはずだ。だが君はこのまま、再度の死を迎えることになる」

「僕はナナシとよく行動を共にしていた」
「彼の精神はもうここにはないが、僕は君を看取ることを志願した」

あなたは死んだ。あなたの精神は一人のイス人によって、肉体を移動し生きていた。
それなのに、二度目の死が目の前に迫ってきている。その事実にSANC0/1d3。

[main] 葦千穂 光羽 : 1d100<=46 【正気度ロール】 (1D100<=46) > 87 > 失敗

[main] 葦千穂 光羽 : 1D3 (1D3) > 3

[main] system : [ 葦千穂 光羽 ] SAN : 46 → 43

[main] 葦千穂 光羽 : 「……そうか。そういうことなら、俺が抵抗する理由はないな。

[main] 葦千穂 光羽 : 元々、あのとき死ぬ運命だったんだ。今さら生き残ったところで……隣に彼女と、あの子たちがいないのでは、生きている意味がない」

[main] ジェーン : 「彼を止められなかった僕にも、責任はある。無意味な行為かもしれないが、同族を代表して謝ろう」

[main] ジェーン : 「だからなのかは、僕自身にもはっきりしないが……君が再度の死を迎えるまでの間、できるだけ君の願いを叶えてやりたいと思った」

[main] ジェーン : 「僕がこんなことを考えるようになったのは、あいつのせいかもしれないね」

[main] ジェーン : 「さて」

[main] ジェーン : 「君はこれから──どうしたい?」

[main] ジェーン : 「僕には世界や、君の運命を変えるような大それた力はない」

[main] ジェーン : 「だができる限りのことはする……必要なら法を破ってでも」

[main] 葦千穂 光羽 : 「そうだな……その、ナナシとかいう人、ではないか。お前の仲間は、もう助からないのか?

[main] 葦千穂 光羽 : 俺なんかに興味を持ってしまったばかりに、そんな目に遭わせてしまったならば、せめて死ぬ前に詫びくらいは入れさせてほしい」

[main] 30 : ・ナナシを助けたい

あなたが自分の意思を伝えると、ジェーンは少し驚いたようだった。
そしてしばらく考えるように何かをぶつぶつと呟いた後、あなたに言った。

「ナナシが君と精神を入れ替える直前のタイミングを狙って再び精神交換を行えば、彼の精神交換をなかったことにできるかもしれない」
「しかし同じタイミングで、同一人物に精神交換を行えば何が起こるかわからない」
「それに勝手な行為をしたナナシを、同族は危険因子と認識し切り捨てることを選んだ」
「僕らがそれをしていないのはそういう理由なんだ」

「ただ僕個人としては……彼を助けられるのならそうしたいという意思もある」
「しかしそれを実行した場合、君は死をもう一度体験することになる」

あなたの脳裏に、最期の光景が思い浮かぶ。恐怖、苦痛、そして寂しさ。
そこにもう一度、戻ることができるだろうか。
あなたが考えていると、ジェーンがまた口を開いた。

「いや、あるいは別の方法もある」
「君が死んだ後、事件が落ち着いた頃がいい。その時間君と相性の良い人間を狙って、精神を交換する」
「その人間には中継地点になってもらう。君は一時的にその人間の中に入り、そして再び死ぬ瞬間の自分の体に戻る」
「これなら、君にもう一度死を体験する時間はないだろう。一瞬で済むはずだ」

ジェーンは対象との距離や時間が近いと交換がスムーズにいくことや、中継地点となる人間に害がないこと、これでナナシの精神交換もなかったことになり助けられることを説明してくれる。

「もし君に遺してきた人がいるのなら、中継している間に会うことも可能かもしれない」
「しかし君は本来死んだ人間だ。その君が存在することによる因果の影響などを考慮すると……」
「君が、君の生きていた世界に存在できるのは僅かな時間だろう」
「君には、会いたい人がいるかい?」

もしいると言うなら、ジェーンはあなたの話を興味深く聞いてくれるだろう。
いないと言うなら「それなら君にとって楽な方を選ぶといい」と言う。
それを話しながらあなたは、選択を考えることになる。

[main] 葦千穂 光羽 : 「それなら、もう一度あの時間に戻るとしよう。これ以上、俺たちの事情に他人を巻き込むのは忍びないし、また家族と一緒になれるのならば本望だ」

[main] 35 : ・死の直前へ

あなたが決意を伝えると、ジェーンも頷いた。

「時間を征服した我々が言うのもおかしな話だが、もう時間がない。精神交換室に無断侵入する」
「大丈夫、たとえ罰されたとしても処刑まではされないさ」

ジェーンは何かをぶつぶつと唱えると、何もない空間に向かって指を切った。
その空間がぐらりと揺らいで見える。

「僕らはあんまりこういう魔術は好まないんだけどね。こっそり覚えておいてよかったよ」
「手を取ってくれ。バレる前にやらないと」

ジェーンに手を引っ張られ、あなたは歪んだ空間に飛び込む。
瞬間、酔ったような感覚に襲われ目を瞑るだろう。
次に目を開ければそこは、壁一面がモニターや機材らしきもので覆われた青白く近未来的な空間だった。

天井の中央からはアーム型の大きな機材が伸びており、その下には何かを乗せるような台がある。
あなたにコンピューターの知識があったとしても、到底そのしくみは理解できないだろう。
と、部屋が赤い光で染められる。警報のようなけたたましい音が鳴り響いた。

「まずいな……もうバレちゃったか」
「そこに立つんだ、早く!」

[main] 37 : ・執筆パートで死者(同シナリオロスト含む)に手紙を書いた

「この作戦がうまくいけば……君が記録したことも、ここで僕らが出会ったことも、全てはなかったことになる」
「しかしせっかくの記録が消えてしまうのは残念だから……何らかの形で保存しておくよ」

「今の僕に君の手紙を届けることはできないけれど、僕らはあらゆる時空や並行世界でしぶとく生きているからさ」
「だから、いつかどこかの世界で……君の手紙の宛先を見つけたら、その時は必ず届けるよ」

「ナナシは困った奴だけど、彼の行為が少しでも報われていれば──」
「君のためになっていればいいと、友人として思う」

「行ってらっしゃい」

あなたは何か言葉を返すかもしれないし、そうでないかもしれない。
周囲に閃光が走り、ジェーンの姿がたちまち見えなくなってゆく。

「君の生き方を、見せてほしい」

[main] 38 : あなたは意識を取り戻す。周囲を見て、思い出すだろう。
あなたの近くには誰かがいるかもしれない。誰もいないかもしれない。

ここはあなたが生きていた世界。そして、死ぬ直前の時間。
そこに帰ってきたのだ。

あなたには死が迫っている。逃れることはできない。変えることはできない。
それでも何かを、目に焼き付けるくらいなら。想うくらいなら。涙を流すくらいなら。

一言、誰かに気持ちを告げるくらいなら。
許されるだろう。

天国には──まだ早い。


(ロストまでのわずかな時間、PCは自由にRPができる。前回と同じ行動をすると宣言しても構わない。
ただし死から逃れることはできない。また、誰かの運命を変えるような情報を口にすることはできない。)

[main] 葦千穂 光羽 : (前回と同様、家族四人で互いに対する愛や想いを告げ合いながら炎に包まれていく)

[main] 39 : 【エンドB】

その時は、静かに訪れた。
記憶と全く同じ感覚が、あなたを包む。

あの時と比べてどうだろうか。
あなたの悔いは少しだけ晴れたかもしれないし、そうでないかもしれない。
思考が、意識が途切れてゆく。冷たく、静かで、しかし心地良い。

最期に聞こえたのは、誰の声だっただろうか。
天国まで、あと──


エンド:B 「Boundary」

[main] クリア後処理 : ※探索者は、ロストした時と同じ状態に戻る。SAN報酬:3 クトゥルフ神話:2%

※遺された(生きている)親しいPCやNPCは、死んだ探索者の夢を見る。
探索者が 2 度目の死で、前回と異なる言葉を発していれば、夢の中でその声を聞く(一言程度で済ませること)。行動を変えていえば、そのような行動をする探索者の夢を見るだろう。

※執筆パートで生者に手紙を書いていた場合、探索者が望むならその手紙は宛先の人物へと届く。
郵送で届く、遺品から発見されるなど、どのように見つかるかはPLが考えてよい。
(ジェーンが届けてくれるため)

夢や手紙の件は未通過のPLやKPに見せても構わない。
ただし、同卓者以外には見えないところ(ディスコタブや自陣〇の伏せなど)で伝えること。

通過後については後述の「通過後の注意事項」もお読みください。

[main] system : [ 葦千穂 光羽 ] SAN : 43 → 46

[main] 59 : 【通過後の注意事項】

お疲れ様でした。この度はDL、プレイしていただき誠にありがとうございます!

【卓報告について】
エンド名、サブタイトルまで表記可です。肉体ロストverとSANロストver、どちらをプレイしたかが通過シナリオのネタバレにつながりますのでそれは伏せてください。

【手紙を書いていた場合、生者が夢を見る場合の処理】※必須ではありません
夢の言葉や手紙は、本シナリオ未通過の同卓PLやKPに見せることができます。
その場合、通過シナリオのネタバレが発生するかと思います。不特定多数に見られないように気を付けて
ください。

■夢の言葉や手紙のみをふせったーなどで公開する場合の例
___表側の表記例___
(PC名) #天国にはまだ早い 通過後処理
ネタバレを含むシナリオ: [ ]
[ ]自陣とKPは閲覧可
______

______伏せている内容の表記例_______
(生き残ったPCやNPC)は(ロスト探索者)が「(言おうとした言葉)」と言っている夢を見ます。
(生き残ったPCやNPC)は(手紙が届く方法)。以下の手紙を読むでしょう。
「(手紙の内容)」

などの記載をしてください。またこの内容が夢や手紙であることは表では伏せてください。
継続に行っていてそのネタバレが含まれる場合などは、適時ネタバレ配慮をしてください。
なおふせったー等を使う場合、公開範囲を全体にしていただけると作者が助かります。

手紙と夢の言葉以外の内容は、本シナリオのネタバレになります。
テキストログを公開する場合は、通過シナリオに加え「天国にはまだ早い 現行未通過×」などの記載をよろしくお願いします。

[main] 60 : 【シナリオ背景】
概ねジェーンが話した通りである。

【NPC】

・ジェーン
本シナリオ唯一の登場NPC。イス人としては若く、地球調査もあまり行ったことがないため、人間についての理解は浅い。ただ元人間のナナシと行動を共にしていたことから影響を受け、本人も良くわかっていないがかなり人間っぽくなっている。
ナナシのやったことは普通に理解できないし困ったやつだと思っているが、それはそれとして法を破ってでも助けたい気持ちはある。PC の前に現れるにあたって、とりあえずナナシの人間時の姿を借りた。
エンドA以外ではPCがイスに来たことはなかったことになるが、彼はこの世界の出来事をシミュレーターに保存している。シナリオ後手紙が届くのはジェーンが届けてくれているためである。

・ナナシ
困ったストーカー。PCがこの空間に来た原因。エンドA以外なら生還する。
その場合勝手に精神交換機を使い種族を危機に陥れた罪で、ジェーンともども罰は受けると思われる。
ただイスに死刑はなかった(と思う)し、結果的にジェーンが種族の危機を救っているので情状酌量はされるだろう。自分のしたことでPCに人生を振り返る時間を与えられたことを知れば、悲しみつつも納得するだろう。

【あとがき】
ロスト PC が人生を振り返ったり、気持ちを多少整理できたりするシナリオがあればいいなあと思って書きました。
クトゥルフのロストって、突然ロストしたり混乱の中ロストしたり色々思い残したままロストしたり…
…ということがまあありますよね。もちろん宇宙的恐怖と理不尽の TRPG なのでそれは大変クトゥルフらしくて好きではあるのですが。
そういうわけで、ロストという確定した探索者の運命を変えないまま、ほんの少しでも救済と振り返る時間をあげられたらいいなあと思って作りました。
邪心の気まぐれに弄ばれるのもクトゥルフらしいですが、登場人物が全員精一杯の選択をしているクト ゥルフもたまにはいいのではないでしょうか。
お口に合えば幸いです。

[main] 61 : ★シナリオ利用規約・禁止・注意事項

■1 シナリオの二次配布・自作発言・再配布禁止
シナリオ内容物全てについて再配布、自作発言、タイトル替えの上再配布等は禁止します。
また通過者→通過者への二次配布を禁止します。PDFなどは必ずboothからダウンロードするようにお願いします。

■2 トレーラー、画像の利用
本シナリオのトレーラー、NPC画像は、本シナリオのセッション関連以外での利用を禁止させていただきます。
トレーラーを本シナリオセッション時にココフォリア等で利用すること、スクリーンショットや卓募集をSNSに掲載いただくのは問題ございません。

■3 リプレイの公開
リプレイテキストログの公開は可能です。必ずクレジットとしてシナリオ名と作者名の記載、ネタバレへの注意喚起をお願いいたします。
リプレイ動画、配信などで使用する場合は、クレジット明記の上作者までご連絡ください。

■4 トラブルに関する対応
本シナリオに関連して起こったトラブル等に関し、作者は一切の責任を負いません。

■5 ネタバレ対応
ネタバレには「天国にはまだ早い」を入れ、ふせったーなどでネタバレワンクッションを必ずしてください。執筆パートがあることはネタバレではありません。略称は「天はや」でお願いします。
また通過者の同卓者に限り、夢の言葉と手紙はネタバレではありません。

何卒よろしくお願いします。何か疑問点あればご相談ください。感想も嬉しいです!

作者:理世菜
サークル名:わくわくナイトメアhttps://riyona.booth.pm/
twitter(@riyonatable)


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