暗転
空欄の場合はつゆになります
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他人の部屋を覗いてしまった。
足早に階段を駆け降りて道に出た時だった。
黒い影がつゆの足元でどんどんおおきくなり目の前を何か黒い物体が身体を掠めた。
階段を飛び越えて着地したらしい銀時の足元にある水溜まりが盛大に飛沫をあげた。
負傷しているはずの足を大きくひらいて地面を刺す銀時が顔をあげたのは今だった。
「ひ……____っ」
つゆは声を引ききり睫毛を推しひらく。
部屋を覗かれた怒りだろうか。
影という影の差した銀時の形相に恐れをなしてつゆは逃げ出した。
その足の速さは自分でも驚くべきもので
「つゆさん」
その声に耳も貸さない。
「うわ……っ銀さん!?」
新八の声を聞かずとも銀時が直ぐ後ろにいることはわかっていた。
目の前を横切る風鈴の屋台。
すべるように駆けるつゆの髪の一筋さえ硝子を揺らさない。
あとはもう、人が倒れようと物が壊れようと、つゆは一切顧みなかった。
ただただ捕まることを恐れて走り続けた。
往来から馬小屋を飛び越え裏路地に入る。
銀時の速さといったらまるで獣のよう。
息づかいはなく、ただ背後から猛烈に気配がする。
まずい。もう捕まってしまう____。
そう感じながらつゆは傍の自転車につまづいた。
その時だった。
前のめりになるつゆの腕が猛然と引っ掴まれ、ぐるりと目の前がまわった。
急速に止まった疾走は壁に打ち付けられた。
背は壁に打ち当たり、つゆの両手もまた銀時に掴まれたまま壁に押しあてられてしまう。
その拍子につむった目を今ひらくとそこに真っ暗に影の差した銀時の高い上背があった。
その気迫はぞっとするもので、圧倒される。
その顔のまま彼は口をひらいた。
「毎日だよ」
これに眉を歪めてつゆは訝しんだ。
「日課だから。朝の。なァ朝起きてよ、嗅ぐんだよああやってほら。あんまり嗅ぐとつゆのにおい全部取っちまいそうだからよ、朝のとっておき」
つゆは混乱した。意味がわからない。
「やめた方がいいよ」
かろうじてつゆは言った。
「だって、変態みたい」
「変態?」
にっこりと笑う銀時につゆは苦く微笑する。
どちらも目が笑っていなかった。
両手を解こうと抵抗するも握り潰され
「未だ話終わってねえんだけど?」
銀時はつゆを逃がしてくれない。
「そしたらよ、つゆのにおいで元気になるんだよわかるだろわかんねえよなァこっち見ろや」
掴まれた顔の前に銀時の顔が近づいた。
彼はにっこりと笑い
「ちゃんと洗わず返すから」
雨は夜になっても止まなかった。
きりもなく降るので屯所の前にはおおきな水溜まりが出来ている。
「まあまあ落ち着きなせえよ旦那ァ」
屯所の玄関で沖田に止められた銀時は血走った目で問うのだった。
「つゆいる? つゆ出せよオラ」
「あんた、また何かしたんですかィ?」
「真っ青になって帰って来たぜ」
「ははっ何言ってんの? いつも通りだから。なァつゆ」
「おいつゆいねえぞ」
「俺ァよ、仲が深いだけにわかるんだよ」
「痛たたたた痛いよー。一方的な奴痛いよー。つきまといが関わり合いだと思ってるよー痛いよー
」
足早に階段を駆け降りて道に出た時だった。
黒い影がつゆの足元でどんどんおおきくなり目の前を何か黒い物体が身体を掠めた。
階段を飛び越えて着地したらしい銀時の足元にある水溜まりが盛大に飛沫をあげた。
負傷しているはずの足を大きくひらいて地面を刺す銀時が顔をあげたのは今だった。
「ひ……____っ」
つゆは声を引ききり睫毛を推しひらく。
部屋を覗かれた怒りだろうか。
影という影の差した銀時の形相に恐れをなしてつゆは逃げ出した。
その足の速さは自分でも驚くべきもので
「つゆさん」
その声に耳も貸さない。
「うわ……っ銀さん!?」
新八の声を聞かずとも銀時が直ぐ後ろにいることはわかっていた。
目の前を横切る風鈴の屋台。
すべるように駆けるつゆの髪の一筋さえ硝子を揺らさない。
あとはもう、人が倒れようと物が壊れようと、つゆは一切顧みなかった。
ただただ捕まることを恐れて走り続けた。
往来から馬小屋を飛び越え裏路地に入る。
銀時の速さといったらまるで獣のよう。
息づかいはなく、ただ背後から猛烈に気配がする。
まずい。もう捕まってしまう____。
そう感じながらつゆは傍の自転車につまづいた。
その時だった。
前のめりになるつゆの腕が猛然と引っ掴まれ、ぐるりと目の前がまわった。
急速に止まった疾走は壁に打ち付けられた。
背は壁に打ち当たり、つゆの両手もまた銀時に掴まれたまま壁に押しあてられてしまう。
その拍子につむった目を今ひらくとそこに真っ暗に影の差した銀時の高い上背があった。
その気迫はぞっとするもので、圧倒される。
その顔のまま彼は口をひらいた。
「毎日だよ」
これに眉を歪めてつゆは訝しんだ。
「日課だから。朝の。なァ朝起きてよ、嗅ぐんだよああやってほら。あんまり嗅ぐとつゆのにおい全部取っちまいそうだからよ、朝のとっておき」
つゆは混乱した。意味がわからない。
「やめた方がいいよ」
かろうじてつゆは言った。
「だって、変態みたい」
「変態?」
にっこりと笑う銀時につゆは苦く微笑する。
どちらも目が笑っていなかった。
両手を解こうと抵抗するも握り潰され
「未だ話終わってねえんだけど?」
銀時はつゆを逃がしてくれない。
「そしたらよ、つゆのにおいで元気になるんだよわかるだろわかんねえよなァこっち見ろや」
掴まれた顔の前に銀時の顔が近づいた。
彼はにっこりと笑い
「ちゃんと洗わず返すから」
雨は夜になっても止まなかった。
きりもなく降るので屯所の前にはおおきな水溜まりが出来ている。
「まあまあ落ち着きなせえよ旦那ァ」
屯所の玄関で沖田に止められた銀時は血走った目で問うのだった。
「つゆいる? つゆ出せよオラ」
「あんた、また何かしたんですかィ?」
「真っ青になって帰って来たぜ」
「ははっ何言ってんの? いつも通りだから。なァつゆ」
「おいつゆいねえぞ」
「俺ァよ、仲が深いだけにわかるんだよ」
「痛たたたた痛いよー。一方的な奴痛いよー。つきまといが関わり合いだと思ってるよー痛いよー
」