明暗
空欄の場合はつゆになります
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「何してんだ? ドSコンビ」
前がよく見えない。
土方の声がした方に顔を向けてつゆはいう。
「土方さんこの人達が____」
土方は前の見えないつゆの手を取っておしぼりを渡す。
「ほら。面ァ拭けよつゆ」
つゆは手に持たせてくれたおしぼりを顔に付けるとぼとぼととクリームが落ちる。
視界が開け、まず、にやにやと笑う銀時と沖田の顔が見えた。
「風呂でも行くか?」
土方が言い、今静かに煙を吸い込んで吐き出した。
つゆは暗転したまま土方を見ると「はい」という。
土方に軽く背中を押され、つゆは夕闇を踏んだ。
沖田は土方にせっつかれて見回りに出、銀時も土方と喧嘩し、町の向こうへ消えて行った。
町は六月だ。
一年の半分が過ぎ、緑は濃く町をいろどっている。
「よお」
風呂上がり、店の外に置かれた長椅子に土方が座っていた。
湯に浮いていた夏みかんのにおいをさせながらつゆは土方の隣に腰掛けた。
「それで今回は何て言われたんだ?」
暗い顔をしていたのだろうか。
まるで振られたのを知っているみたいに土方は問うた。
「そんなに暗い顔をしてました?」
「いや。ただ、お前がぼうっとしてたから」
確かにぼうっとする。
銭湯へ行く道道もぼうっとしていた。
振られたのだ。
それも前と同じセリフで。
「合わす顔がないって」
「合わす顔がないね」
土方は煙草に火をつけると煙を吸い込んで吐き出した。
「そりゃ振られたって言うんだぜ」
そこに座っている間にも、傍を流れる川の音がつゆの耳に細くきこえ続けていた。
「気にすんなよ。合わなかっただけだ」
そう言ってつゆを見る土方の目が仄かに笑う。
つゆは影だった。
真夏の陽射しのなかに浮き上がる濃い明暗。
まるでずっとそこにいて、ずっと知っていたかのような微笑ではっきりと温度を分かち、影を自分の座敷にする。
そんなつゆを好きになった人達。
彼らはつゆとつゆとつゆを見て、溶けていた。
前がよく見えない。
土方の声がした方に顔を向けてつゆはいう。
「土方さんこの人達が____」
土方は前の見えないつゆの手を取っておしぼりを渡す。
「ほら。面ァ拭けよつゆ」
つゆは手に持たせてくれたおしぼりを顔に付けるとぼとぼととクリームが落ちる。
視界が開け、まず、にやにやと笑う銀時と沖田の顔が見えた。
「風呂でも行くか?」
土方が言い、今静かに煙を吸い込んで吐き出した。
つゆは暗転したまま土方を見ると「はい」という。
土方に軽く背中を押され、つゆは夕闇を踏んだ。
沖田は土方にせっつかれて見回りに出、銀時も土方と喧嘩し、町の向こうへ消えて行った。
町は六月だ。
一年の半分が過ぎ、緑は濃く町をいろどっている。
「よお」
風呂上がり、店の外に置かれた長椅子に土方が座っていた。
湯に浮いていた夏みかんのにおいをさせながらつゆは土方の隣に腰掛けた。
「それで今回は何て言われたんだ?」
暗い顔をしていたのだろうか。
まるで振られたのを知っているみたいに土方は問うた。
「そんなに暗い顔をしてました?」
「いや。ただ、お前がぼうっとしてたから」
確かにぼうっとする。
銭湯へ行く道道もぼうっとしていた。
振られたのだ。
それも前と同じセリフで。
「合わす顔がないって」
「合わす顔がないね」
土方は煙草に火をつけると煙を吸い込んで吐き出した。
「そりゃ振られたって言うんだぜ」
そこに座っている間にも、傍を流れる川の音がつゆの耳に細くきこえ続けていた。
「気にすんなよ。合わなかっただけだ」
そう言ってつゆを見る土方の目が仄かに笑う。
つゆは影だった。
真夏の陽射しのなかに浮き上がる濃い明暗。
まるでずっとそこにいて、ずっと知っていたかのような微笑ではっきりと温度を分かち、影を自分の座敷にする。
そんなつゆを好きになった人達。
彼らはつゆとつゆとつゆを見て、溶けていた。