うしろの正面
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暑い夏の午後、縁側からひとり庭に降りたつゆの肩に人の重みが覆いかぶさった。
見ると、うしろの正面に銀時がいた。
「どこ行くの?」
耳元に銀時の唇が当たった。
声の届く重さで彼は続けた。
「午後は休みだよな。俺ァ五時までに終わるからそれまで待ってて」
「遊びに行きたいの。知ってる事だと思うけど男の人じゃないよ」
「ひとりだから女だからって許すとかないよ」
銀時の嫉妬深さにつゆは困惑し、次の言葉を言えなかった。
つゆの触った帯留めの鈴がリンと鳴る。
「それ。高杉から貰ったの?」
銀時の勘の鋭さは驚くべきもので、実際高杉から貰ったものだった。
「不安になるとそれ握る」
そこまで当てられて、つゆは小指の先まで動けなくなってしまった。
銀時の指は静かに動いた。
つゆの長い髪を後ろへ流し、すると頸動脈の透ける首筋があらわになる。
するとそこに銀時の唇が触れた。
そこから覗く牙で今噛みつき
「痛っ……____」
つゆは息をひききる。
時間をかけて吸い付いた銀時の唇が今恐ろしく静かに離れた。
「お前は一体何処へ遊びに行くんだ?」
低い、うなるような声だった。
首筋にひりひりとした痛みを感じながら、つゆは素直に声を放つ。
「晋助に、恋人が出来たって言いたくて」
辺りは不気味な程静かだった。
日は明るく照り、鳥の声もするというのに。
「つゆ。俺ァつゆの全てが欲しい」
声が密だった。
こういう時の銀時の話はいつもぎりぎりだ。
抱擁する力がまた強まりつゆの息が詰まった。
つゆは心から強く思う。
「____確かにわたしの両手は晋助でいっぱいだけど、それ以外は全部あげる」
鳥の声が止み、辺りが芯から静かになった。
「わかったぜ。つゆ。こっち見て」
つゆは素直に振り向いた。
すると銀時の目が見えた。
何かに燃え立つように紅く光る目。
そして抜刀した銀時の刃がつゆの両目を斬り裂いたのが今だった。
「……____っ」
両目が燃えるように熱く悶絶するつゆの舌の根が痙攣する。
指の隙間という隙間から血が漏れ出る。
目を抑え、その場に倒れ込んだつゆの前で刀を納めた銀時はつゆを猛然と抱きしめた。
「これでもう兄貴のとこに逃げられねえなァ。そうだろ?」
「____……痛いっいぁいっ」
つゆは痛みと恐怖で呂律もまわらない。
いつもの優しい低い声で彼は声を放した。
「今日から俺がつゆの目になるから」
そう言い切り
「な」
その声はつゆの耳に骨に染みる。
「俺ァつゆ。お前の吐く息さえ惜しい」
狂ったような熱量を瞳に灯した銀時の顔がつゆを見ていた。
_____END
2025年2月9日
見ると、うしろの正面に銀時がいた。
「どこ行くの?」
耳元に銀時の唇が当たった。
声の届く重さで彼は続けた。
「午後は休みだよな。俺ァ五時までに終わるからそれまで待ってて」
「遊びに行きたいの。知ってる事だと思うけど男の人じゃないよ」
「ひとりだから女だからって許すとかないよ」
銀時の嫉妬深さにつゆは困惑し、次の言葉を言えなかった。
つゆの触った帯留めの鈴がリンと鳴る。
「それ。高杉から貰ったの?」
銀時の勘の鋭さは驚くべきもので、実際高杉から貰ったものだった。
「不安になるとそれ握る」
そこまで当てられて、つゆは小指の先まで動けなくなってしまった。
銀時の指は静かに動いた。
つゆの長い髪を後ろへ流し、すると頸動脈の透ける首筋があらわになる。
するとそこに銀時の唇が触れた。
そこから覗く牙で今噛みつき
「痛っ……____」
つゆは息をひききる。
時間をかけて吸い付いた銀時の唇が今恐ろしく静かに離れた。
「お前は一体何処へ遊びに行くんだ?」
低い、うなるような声だった。
首筋にひりひりとした痛みを感じながら、つゆは素直に声を放つ。
「晋助に、恋人が出来たって言いたくて」
辺りは不気味な程静かだった。
日は明るく照り、鳥の声もするというのに。
「つゆ。俺ァつゆの全てが欲しい」
声が密だった。
こういう時の銀時の話はいつもぎりぎりだ。
抱擁する力がまた強まりつゆの息が詰まった。
つゆは心から強く思う。
「____確かにわたしの両手は晋助でいっぱいだけど、それ以外は全部あげる」
鳥の声が止み、辺りが芯から静かになった。
「わかったぜ。つゆ。こっち見て」
つゆは素直に振り向いた。
すると銀時の目が見えた。
何かに燃え立つように紅く光る目。
そして抜刀した銀時の刃がつゆの両目を斬り裂いたのが今だった。
「……____っ」
両目が燃えるように熱く悶絶するつゆの舌の根が痙攣する。
指の隙間という隙間から血が漏れ出る。
目を抑え、その場に倒れ込んだつゆの前で刀を納めた銀時はつゆを猛然と抱きしめた。
「これでもう兄貴のとこに逃げられねえなァ。そうだろ?」
「____……痛いっいぁいっ」
つゆは痛みと恐怖で呂律もまわらない。
いつもの優しい低い声で彼は声を放した。
「今日から俺がつゆの目になるから」
そう言い切り
「な」
その声はつゆの耳に骨に染みる。
「俺ァつゆ。お前の吐く息さえ惜しい」
狂ったような熱量を瞳に灯した銀時の顔がつゆを見ていた。
_____END
2025年2月9日
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