うしろの正面
空欄の場合はつゆになります
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冬になると つゆと銀時の距離は一メートルになっていた。
それ以上でもそれ以下でもない。
昏い昼時、縁側に座る銀時の後ろに立って つゆは言った。
「銀時様。お茶をどうぞ」
彼の真横にお茶を置いて去るつゆが丁度一メートル程歩いたところで銀時が言った。
「つゆちゃん俺のお嫁さんになって」
立ち止まり、つゆは振り返った。
「____ぇ?」
「なれって言ってんだよ」
つゆはちょっと可笑しくなっていう。
「強気?」
と。
「うっせーな。黙って俺の言う事きくんだよ」
相変わらず狐面を掛けた銀時が言う。
「だってよ、お前俺の事銀時様って呼ぶし。夫婦になればもう銀時様じゃねえだろ?」
突飛な話だ。
しかし彼は本気だということがつゆにもわかった。
言葉の端から端まで熱意というものがこもっていた。
「それなら今日から兄弟というのはどうですか?」
つゆはゆったりと笑って言った。
銀時はにっこりと笑い
「なめてんの?」
と言う。
つゆはちょっと困ったように笑い、それでも切実に思うのだった。
「一緒に学んだ同窓だから」
と。
たちまち銀時の心は冴えて光った。
覚えてたんだ、と。
堪らなく嬉しい気持ちが止まらない。
「覚えてんの?」
「はい」
「んじゃァその"はい"は止めようぜ。同窓なんだからよ」
「うん」
一度は途切れたはずの縁がこうして再び繋がった。
俺の一生はつゆなしじゃ退屈すぎる。
「一緒に休もうぜ」
つゆは自分のためにお茶を淹れ、二人のためにお菓子を持ってきた。
縁側に並んで座る二人の間はきっちり一メートル空いていた。
「その傷あん時の?」
お茶を持つ手の裾が下がり、現れたつゆの傷を見て銀時が言った。
あん時というのがどの時か、____それは先日お菓子作りをしていた時に火傷したものだった。
その上にもうひとつ傷があった。
それを指してつゆは事もなげにいう。
「こっちは晋助の悪戯」
その声はたちまち銀時の心臓をずたぼろにした。
川底に重い石を落とすと砂が立ち上がるように暗い気配が浮かび上がる。
「こっちは台風」
左足の爪先を指してつゆはいう。
「全部覚えてんのかよ」
「覚えてるよ」
つゆはふと銀時を見て言う。
「あなたの事も」
それ以上でもそれ以下でもない。
昏い昼時、縁側に座る銀時の後ろに立って つゆは言った。
「銀時様。お茶をどうぞ」
彼の真横にお茶を置いて去るつゆが丁度一メートル程歩いたところで銀時が言った。
「つゆちゃん俺のお嫁さんになって」
立ち止まり、つゆは振り返った。
「____ぇ?」
「なれって言ってんだよ」
つゆはちょっと可笑しくなっていう。
「強気?」
と。
「うっせーな。黙って俺の言う事きくんだよ」
相変わらず狐面を掛けた銀時が言う。
「だってよ、お前俺の事銀時様って呼ぶし。夫婦になればもう銀時様じゃねえだろ?」
突飛な話だ。
しかし彼は本気だということがつゆにもわかった。
言葉の端から端まで熱意というものがこもっていた。
「それなら今日から兄弟というのはどうですか?」
つゆはゆったりと笑って言った。
銀時はにっこりと笑い
「なめてんの?」
と言う。
つゆはちょっと困ったように笑い、それでも切実に思うのだった。
「一緒に学んだ同窓だから」
と。
たちまち銀時の心は冴えて光った。
覚えてたんだ、と。
堪らなく嬉しい気持ちが止まらない。
「覚えてんの?」
「はい」
「んじゃァその"はい"は止めようぜ。同窓なんだからよ」
「うん」
一度は途切れたはずの縁がこうして再び繋がった。
俺の一生はつゆなしじゃ退屈すぎる。
「一緒に休もうぜ」
つゆは自分のためにお茶を淹れ、二人のためにお菓子を持ってきた。
縁側に並んで座る二人の間はきっちり一メートル空いていた。
「その傷あん時の?」
お茶を持つ手の裾が下がり、現れたつゆの傷を見て銀時が言った。
あん時というのがどの時か、____それは先日お菓子作りをしていた時に火傷したものだった。
その上にもうひとつ傷があった。
それを指してつゆは事もなげにいう。
「こっちは晋助の悪戯」
その声はたちまち銀時の心臓をずたぼろにした。
川底に重い石を落とすと砂が立ち上がるように暗い気配が浮かび上がる。
「こっちは台風」
左足の爪先を指してつゆはいう。
「全部覚えてんのかよ」
「覚えてるよ」
つゆはふと銀時を見て言う。
「あなたの事も」