傷に結う
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刀を握らない者も小刀を携帯して護身を得ているそんな環境の中で今、振れる力は半分もない。
心もとなさを払う為に自分を見るとうしろの正面に銀時が立っている。
仲間と呼べるものが対等であるのなら、つゆに対する銀時のそれは過剰といっていい。
それがつゆをひとりにさせた。
自分が酷く無力な気がして薬の勉強をした。その本を読もうと縁側に座った時だった。
「つゆ」
呼んだのは桂だった。
彼は真横に立ち、「久しいな」と言う。
飯時にも作るだけ作って顔を出さないので本当に久しぶりだった。
「聞いたか? 竜馬は宇宙へ行くらしいが、全てが終わったら銀時は万事屋になるらしい」
銀時が将来を考えているのは意外だった。
今しか見ていないと思っていたから。しかし銀時らしいとも感じた。
「いいね。銀は優しいから」
すると桂の顔つきが変わった。
探るような目でこちらを見ている。
「何故そう思う?」
その時だった。
「つゆ」
その場を一刀両断するような声だった。
こちらへ歩いて来る銀時の顔は真剣そのもの。
「行くぜ。飯だ」
銀時は無粋だった。
つゆの返事を聞かず、桂に視線も向けず、彼はつゆの手を引いて歩き出した。
飯時は最近此処で食事する。
つゆの気に入りである桃の枯れ木のところまで来ると立ち止まり、それでつゆは言った。
「お腹空いてないの」
「これなら食うだろ?」
そう言って銀時が懐から出したのは桃の実だった。
「食おうぜ」
つゆは嬉しくなってその場に座った。
静かな夜で、そこら中を草のにおいがしている。
「ほらよ」
口の前に差し出され、つゆはかぶりついた。
ひとつ食べきってしまうと、銀時がかじる音を聞きながらもうひとつ手に取った。
「たまには練習しないと。もうずっとしてない」
両手で持つと傷のある利き手が震える。
それでもそうして持ってかじりつこうとした時だった。
「言ったろ。俺が腕になるって」
横からさらった桃を つゆの口の前に差し出して銀時が言う。
銀時は甘い。
つゆはそれに甘えてかじりつく。
「旨い?」
面白いものでも見つけたような光を湛えて笑う銀時に答える代わりにつゆは彼を素直に見つめたままもう一口かじりついた。
汁が銀時の指を伝い、しかし銀時はまるで気にしない。
夜の小川で口をすすぎ、手を洗った。
水は十分につめたく寛容だった。
「帰ったら本読むだろ? 付き合うぜ」
つゆは何も言わない。
振り向きながら口元を拭う銀時が「つゆ?」とつゆを見る。
つめたい石の上に座ったつゆはただ見ていた。
何でも引き受けると言った銀時の事を。
心もとなさを払う為に自分を見るとうしろの正面に銀時が立っている。
仲間と呼べるものが対等であるのなら、つゆに対する銀時のそれは過剰といっていい。
それがつゆをひとりにさせた。
自分が酷く無力な気がして薬の勉強をした。その本を読もうと縁側に座った時だった。
「つゆ」
呼んだのは桂だった。
彼は真横に立ち、「久しいな」と言う。
飯時にも作るだけ作って顔を出さないので本当に久しぶりだった。
「聞いたか? 竜馬は宇宙へ行くらしいが、全てが終わったら銀時は万事屋になるらしい」
銀時が将来を考えているのは意外だった。
今しか見ていないと思っていたから。しかし銀時らしいとも感じた。
「いいね。銀は優しいから」
すると桂の顔つきが変わった。
探るような目でこちらを見ている。
「何故そう思う?」
その時だった。
「つゆ」
その場を一刀両断するような声だった。
こちらへ歩いて来る銀時の顔は真剣そのもの。
「行くぜ。飯だ」
銀時は無粋だった。
つゆの返事を聞かず、桂に視線も向けず、彼はつゆの手を引いて歩き出した。
飯時は最近此処で食事する。
つゆの気に入りである桃の枯れ木のところまで来ると立ち止まり、それでつゆは言った。
「お腹空いてないの」
「これなら食うだろ?」
そう言って銀時が懐から出したのは桃の実だった。
「食おうぜ」
つゆは嬉しくなってその場に座った。
静かな夜で、そこら中を草のにおいがしている。
「ほらよ」
口の前に差し出され、つゆはかぶりついた。
ひとつ食べきってしまうと、銀時がかじる音を聞きながらもうひとつ手に取った。
「たまには練習しないと。もうずっとしてない」
両手で持つと傷のある利き手が震える。
それでもそうして持ってかじりつこうとした時だった。
「言ったろ。俺が腕になるって」
横からさらった桃を つゆの口の前に差し出して銀時が言う。
銀時は甘い。
つゆはそれに甘えてかじりつく。
「旨い?」
面白いものでも見つけたような光を湛えて笑う銀時に答える代わりにつゆは彼を素直に見つめたままもう一口かじりついた。
汁が銀時の指を伝い、しかし銀時はまるで気にしない。
夜の小川で口をすすぎ、手を洗った。
水は十分につめたく寛容だった。
「帰ったら本読むだろ? 付き合うぜ」
つゆは何も言わない。
振り向きながら口元を拭う銀時が「つゆ?」とつゆを見る。
つめたい石の上に座ったつゆはただ見ていた。
何でも引き受けると言った銀時の事を。