傷に結う
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起こった事は不幸でも、つゆは変わらず明るかった。
仲間はいつとなくそばにいたし、彼らと共に生きる為に必要な事をした。
自由に動く指が多くないけれど、薬草を摘める。
包丁は握れないが煮炊きは出来る。
火薬のにおいと光にまみれて季節は流れた。
これ以上仲間を失いたくないときっと誰もが思っている。
そんな中で戦場に立てるほどの腕も持たず、護身に刀を握れる指もない。
けれど、何でもなんていらない。
弱さを捨てきれないつゆは銀時の本当に何でも引き受ける意思さえ砕きたかった。
そんな中を仲間も呆れるほど銀時はつゆの呼ぶ声に全てに応じた。
つゆの注文は
「銀。髪が乾かない。扇いで」
だとか
「銀、今星が落ちたよ。拾ってきて」
とか。
「銀時」
火鉢の前に座る銀時の顔は横から見てもぼっこり腫れている。
まるで蜂の巣でもひっくり返したような
「その顔はーー」
どうしたと桂が聞く前に高杉が言った。
「笑えるな」
と。
「何とでも言えや」
銀時の前の網の上で炙られている草履が一足。
昼頃に二人してずぶ濡れで帰ってきていたが、つゆは未だ縁側で泥のついた足を水に浸けている。
「かつて、秀吉は主君の履き物を懐で暖める気づかいを見せたというが銀時、貴様は熱を含ませ過ぎだ」
「その話とこいつとは何の関係もあるめえ」
「ああそうだな。つゆはあんなに我儘だったか?」
そう認める桂は切実だった。
「あれは、本当にお前に甘えてると思うか? あれではまるで難題をふっかけるかぐや姫だぞ。全く……____甘いが過ぎる。どこまで手を貸すつもりだ?」
「甘い?ヅラァ。甘いってのはよ、砂糖に砂糖かけて、その上に砂糖かけてそれでも未だ甘いんだよ」
「訳のわからぬことを____。退け。俺は餅を焼く」
「後にしろィ」
二人が押し合いへし合いしていた時だった。
「銀」
つゆの声は夜の真ん中で広がった。
「お呼びだぜ」
と、高杉が目を伏せる間にも銀時はそちらを目掛けていた。
「銀____っ」
水に足を突き刺したままつゆは声をあげる。
「足がつめたい」
彼が呆れるように意図した我儘か、本物か、つゆはもうわからなくなっていた。
仲間はいつとなくそばにいたし、彼らと共に生きる為に必要な事をした。
自由に動く指が多くないけれど、薬草を摘める。
包丁は握れないが煮炊きは出来る。
火薬のにおいと光にまみれて季節は流れた。
これ以上仲間を失いたくないときっと誰もが思っている。
そんな中で戦場に立てるほどの腕も持たず、護身に刀を握れる指もない。
けれど、何でもなんていらない。
弱さを捨てきれないつゆは銀時の本当に何でも引き受ける意思さえ砕きたかった。
そんな中を仲間も呆れるほど銀時はつゆの呼ぶ声に全てに応じた。
つゆの注文は
「銀。髪が乾かない。扇いで」
だとか
「銀、今星が落ちたよ。拾ってきて」
とか。
「銀時」
火鉢の前に座る銀時の顔は横から見てもぼっこり腫れている。
まるで蜂の巣でもひっくり返したような
「その顔はーー」
どうしたと桂が聞く前に高杉が言った。
「笑えるな」
と。
「何とでも言えや」
銀時の前の網の上で炙られている草履が一足。
昼頃に二人してずぶ濡れで帰ってきていたが、つゆは未だ縁側で泥のついた足を水に浸けている。
「かつて、秀吉は主君の履き物を懐で暖める気づかいを見せたというが銀時、貴様は熱を含ませ過ぎだ」
「その話とこいつとは何の関係もあるめえ」
「ああそうだな。つゆはあんなに我儘だったか?」
そう認める桂は切実だった。
「あれは、本当にお前に甘えてると思うか? あれではまるで難題をふっかけるかぐや姫だぞ。全く……____甘いが過ぎる。どこまで手を貸すつもりだ?」
「甘い?ヅラァ。甘いってのはよ、砂糖に砂糖かけて、その上に砂糖かけてそれでも未だ甘いんだよ」
「訳のわからぬことを____。退け。俺は餅を焼く」
「後にしろィ」
二人が押し合いへし合いしていた時だった。
「銀」
つゆの声は夜の真ん中で広がった。
「お呼びだぜ」
と、高杉が目を伏せる間にも銀時はそちらを目掛けていた。
「銀____っ」
水に足を突き刺したままつゆは声をあげる。
「足がつめたい」
彼が呆れるように意図した我儘か、本物か、つゆはもうわからなくなっていた。