第1章 波乱
悪意の火種が付くと速度を増し蔓延していく。
潜在意識に刷り込まれた悪意は、本人さえ気づかぬうちに感染してしまう
悪意という病に打ち勝つすべもなく、標的となった被害者に救いはないかのように見えた。
あの時までは…。
此処は私立如月学園
幼少期より人材育成に力を入れ、学業・芸術・芸能等この学園を卒業した者は将来有望な道へと進むと言われている。
幼少期は親元から都内にある学園に通うが、中等部からは親元を離れ女子禁制の全寮制の男子校へと進学する事になる。
白亜の学舎には最新設備が導入され、学内に複数ある食堂とは言い難いカフェテリア
高級ホテルと変わらぬ用意された寮生活に文句を言う生徒等いやしなかった。
選ばれた生徒達だけが在籍を許可される如月学園は日本に知らぬ者は居ない有名な学園である。
一つの問題を除いては…。
女子との交流も無い男子生徒達の性的対象は必然的に同性の生徒達に向けられてしまう。
毎年行われる学内での人気投票により決まる生徒会役員達。
本来ならば生徒会会長はに就くべき人物はとある事情により自ら辞退し会計職へ身を落とした。
それから数カ月後…
散々とざわめく静寂とは言えない昼時のカフェテリア
騒ぎの中心地には一際煌めく集団達が一人の生徒を取り囲み昼食を取っていた。
「なぁにあれ?」
妖艶な美貌に似つかぬ幼稚な口調で不思議そう問うたのは生徒会で会計職をしている青城みなみだ。
「ねぇ真央くん…あれ何?」
「申し訳ございません!ご登校されるまでにどうにか排除しようと実行しようと動きましたが……みなみ様のご要望にお応えすることが出来ませんでした」
頭を下げる親衛隊隊長に対し、幼馴染である尾崎大地は鼻血を垂らして悶えていた。
「うっひよぉ~!久しぶりだぜぇ!萌え萌えハレルヤァァァ…………………ってみなみ変な事考えてない?」
「あっ、ちぃ帰ってきた?
今度僕の主治医に診てもらおうねぇ
あのね真央君、ぼくねぇ静かなの好なの」
みなみは数年前に交通事故に遭い後遺症として一部の記憶を失い、たまに幼稚な喋り方になってしまう事がある
「みなみ様少々お待ち下さい」
みなみの事を全てを知り尽くした親衛隊隊長西園寺真央が混沌とした空間に足早に向かっていく。
その姿を眺めつつ以前のように幼馴染を連れ役員専用フロアへと向うことにした。
「ちぃちゃん何食べる?」
「俺はみなみと一緒のもん食べるわ」
「じゃぁオムライスね」
専用フロアは閑散としている。
まぁ、理由は考えなくても分かる。
此処には居ない馬鹿共もまだ知性は残してるらしい。
「おっ、食堂に居るなんて珍しいじゃんオトーサン!」
意気揚々と幼馴染が駆け寄って行く先には顔色が悪い水城風紀委員長がいた。
「水城先輩久しぶり」
「おっ、青城か…帰ってきたんだな」
「今さっきね」
「おーい!オトーサン俺のことは無視ですか?」
僕は学園から許可を貰いモデル活動をさせてもらっている。
今回はちぃちゃんの姉である瑠華さんからのお願いを叶えるため暫くの間学園から離れていた。
オンライン授業のお陰で成績の方はいつもの通りで今期のテストも問題は無いと思っている。
「それより顔色がすんごく悪いよ水城先輩なんかあった?」
「まぁ…色々とな」
口ごもる水城委員長ではあるが、僕の方にも情報は届いている
まぁ、情報源はちぃちゃんなんだけどね
「今真央君が片付けに行ってるから大丈夫なんじゃない?」
「西園寺真央か…頼む青城それは本気で止めてくれ!」
「真央君は僕を愛してくれてるからねぇ」
愛らしい容姿の真央君は僕の狂信者だ。
あの子は僕の為なら何だってする。
「まぁ、西園寺ならばお前の名前に傷を付けることはしないだろがなぁ…。
あの馬鹿達もお前の所くらい親衛隊を手なづけてくれたら苦労しないんだがな」
「僕のお花達はみーんな良い子だからねぇ」
可愛い可愛い僕のお花達は別の意味で目立つ人物ばかり揃っている。
個性豊かではあるが皆良い子達ばかりだから、僕に迷惑を掛ける事は絶対にしないし苦労をした事は一度もない。
「オトーサン?!おーいオトーサン!」
ちぃちゃんは水城先輩に纏わりつきながら騒ぎ立てるが先輩はあえてと無視を決め込んでいる。
静かな時間は好きだけど水城先輩とちぃちゃんの馴れ合いを観るのは結構好きだ。
「それよりもだ青城以前も打診したが会長職に就く気はないか?」
「嫌だね面倒だもの
それに僕は仕事をセーブする気はないんだよ」
今回役員になったのも仕事の為と背に腹を変え嫌々承諾した。
なのに会長だなんて絶対に嫌だ
「今年の生徒会役員は異例づくめの面子だからか統制が取れていない、特に今生徒会を動かしているのは実質お前と副会長位だ…このままでは表立っている高坂は潰れるだろう」
高坂優理は生徒会で副会長をしているが、あの面子を纏めるのは無理なのは理解していた
「高坂は副会長の器じゃないからねぇ」
「あぁ、本人も自覚してるだろう
本来なら黒川が副会長としてお前を支えるべきだった」
黒川英明は中等部時代より成績優秀で派手な容姿に反し根が真面目で努力家な男だった。
そんな黒川を会長にと推したのは僕だったけどどうやら見込み違いだったらしい。
「あの英明ちゃんがね…反抗期かしら」
「お前の気を引きたいだけだろうよ」
「なら英明ちゃんに愛想でも振りまけばいい?」
「それはそれで止めてくれ!西園寺が犯罪を犯すぞ!」
愛想を振りまいて仕事をしてくれるなら何度だってしてやるのに、確かに水城先輩が言うように僕が誰か一人だけにそんな事をしたら真央君が何をするかは分からない。
何だか良くない方向へと陥っていく学園の状況にどうしたもんかと考えてみる。
『どうしよう俺…存在感ないん?もしかしなくてもみなみとオトーサンに無視されてるん?』
めそめそとそして悲しそうな声を出している幼馴染はベッタリと水城先輩の背中にくっついている。
水城先輩のスルースキルは相変わらずだけど…
ちぃちゃん…水城先輩の制服で鼻水拭うのはどうかと思うよ?
潜在意識に刷り込まれた悪意は、本人さえ気づかぬうちに感染してしまう
悪意という病に打ち勝つすべもなく、標的となった被害者に救いはないかのように見えた。
あの時までは…。
此処は私立如月学園
幼少期より人材育成に力を入れ、学業・芸術・芸能等この学園を卒業した者は将来有望な道へと進むと言われている。
幼少期は親元から都内にある学園に通うが、中等部からは親元を離れ女子禁制の全寮制の男子校へと進学する事になる。
白亜の学舎には最新設備が導入され、学内に複数ある食堂とは言い難いカフェテリア
高級ホテルと変わらぬ用意された寮生活に文句を言う生徒等いやしなかった。
選ばれた生徒達だけが在籍を許可される如月学園は日本に知らぬ者は居ない有名な学園である。
一つの問題を除いては…。
女子との交流も無い男子生徒達の性的対象は必然的に同性の生徒達に向けられてしまう。
毎年行われる学内での人気投票により決まる生徒会役員達。
本来ならば生徒会会長はに就くべき人物はとある事情により自ら辞退し会計職へ身を落とした。
それから数カ月後…
散々とざわめく静寂とは言えない昼時のカフェテリア
騒ぎの中心地には一際煌めく集団達が一人の生徒を取り囲み昼食を取っていた。
「なぁにあれ?」
妖艶な美貌に似つかぬ幼稚な口調で不思議そう問うたのは生徒会で会計職をしている青城みなみだ。
「ねぇ真央くん…あれ何?」
「申し訳ございません!ご登校されるまでにどうにか排除しようと実行しようと動きましたが……みなみ様のご要望にお応えすることが出来ませんでした」
頭を下げる親衛隊隊長に対し、幼馴染である尾崎大地は鼻血を垂らして悶えていた。
「うっひよぉ~!久しぶりだぜぇ!萌え萌えハレルヤァァァ…………………ってみなみ変な事考えてない?」
「あっ、ちぃ帰ってきた?
今度僕の主治医に診てもらおうねぇ
あのね真央君、ぼくねぇ静かなの好なの」
みなみは数年前に交通事故に遭い後遺症として一部の記憶を失い、たまに幼稚な喋り方になってしまう事がある
「みなみ様少々お待ち下さい」
みなみの事を全てを知り尽くした親衛隊隊長西園寺真央が混沌とした空間に足早に向かっていく。
その姿を眺めつつ以前のように幼馴染を連れ役員専用フロアへと向うことにした。
「ちぃちゃん何食べる?」
「俺はみなみと一緒のもん食べるわ」
「じゃぁオムライスね」
専用フロアは閑散としている。
まぁ、理由は考えなくても分かる。
此処には居ない馬鹿共もまだ知性は残してるらしい。
「おっ、食堂に居るなんて珍しいじゃんオトーサン!」
意気揚々と幼馴染が駆け寄って行く先には顔色が悪い水城風紀委員長がいた。
「水城先輩久しぶり」
「おっ、青城か…帰ってきたんだな」
「今さっきね」
「おーい!オトーサン俺のことは無視ですか?」
僕は学園から許可を貰いモデル活動をさせてもらっている。
今回はちぃちゃんの姉である瑠華さんからのお願いを叶えるため暫くの間学園から離れていた。
オンライン授業のお陰で成績の方はいつもの通りで今期のテストも問題は無いと思っている。
「それより顔色がすんごく悪いよ水城先輩なんかあった?」
「まぁ…色々とな」
口ごもる水城委員長ではあるが、僕の方にも情報は届いている
まぁ、情報源はちぃちゃんなんだけどね
「今真央君が片付けに行ってるから大丈夫なんじゃない?」
「西園寺真央か…頼む青城それは本気で止めてくれ!」
「真央君は僕を愛してくれてるからねぇ」
愛らしい容姿の真央君は僕の狂信者だ。
あの子は僕の為なら何だってする。
「まぁ、西園寺ならばお前の名前に傷を付けることはしないだろがなぁ…。
あの馬鹿達もお前の所くらい親衛隊を手なづけてくれたら苦労しないんだがな」
「僕のお花達はみーんな良い子だからねぇ」
可愛い可愛い僕のお花達は別の意味で目立つ人物ばかり揃っている。
個性豊かではあるが皆良い子達ばかりだから、僕に迷惑を掛ける事は絶対にしないし苦労をした事は一度もない。
「オトーサン?!おーいオトーサン!」
ちぃちゃんは水城先輩に纏わりつきながら騒ぎ立てるが先輩はあえてと無視を決め込んでいる。
静かな時間は好きだけど水城先輩とちぃちゃんの馴れ合いを観るのは結構好きだ。
「それよりもだ青城以前も打診したが会長職に就く気はないか?」
「嫌だね面倒だもの
それに僕は仕事をセーブする気はないんだよ」
今回役員になったのも仕事の為と背に腹を変え嫌々承諾した。
なのに会長だなんて絶対に嫌だ
「今年の生徒会役員は異例づくめの面子だからか統制が取れていない、特に今生徒会を動かしているのは実質お前と副会長位だ…このままでは表立っている高坂は潰れるだろう」
高坂優理は生徒会で副会長をしているが、あの面子を纏めるのは無理なのは理解していた
「高坂は副会長の器じゃないからねぇ」
「あぁ、本人も自覚してるだろう
本来なら黒川が副会長としてお前を支えるべきだった」
黒川英明は中等部時代より成績優秀で派手な容姿に反し根が真面目で努力家な男だった。
そんな黒川を会長にと推したのは僕だったけどどうやら見込み違いだったらしい。
「あの英明ちゃんがね…反抗期かしら」
「お前の気を引きたいだけだろうよ」
「なら英明ちゃんに愛想でも振りまけばいい?」
「それはそれで止めてくれ!西園寺が犯罪を犯すぞ!」
愛想を振りまいて仕事をしてくれるなら何度だってしてやるのに、確かに水城先輩が言うように僕が誰か一人だけにそんな事をしたら真央君が何をするかは分からない。
何だか良くない方向へと陥っていく学園の状況にどうしたもんかと考えてみる。
『どうしよう俺…存在感ないん?もしかしなくてもみなみとオトーサンに無視されてるん?』
めそめそとそして悲しそうな声を出している幼馴染はベッタリと水城先輩の背中にくっついている。
水城先輩のスルースキルは相変わらずだけど…
ちぃちゃん…水城先輩の制服で鼻水拭うのはどうかと思うよ?