幸せな時間(TOS ほのぼの ロイコレ要素あり)
窓からは真夏の暑い陽光が差し込んでいた。
アルタミラ。
夏になると一層繁盛するこの町で一行はホテルの一室を借り、束の間の休息を楽しんでいた。
「ロイド、準備出来た?」
白銀の髪を耳の横で長く伸ばした少年、ジーニアス・セイジは隣の友人に目を向ける。
視線の先には、茶髪の髪を襟首で2つに結んだ少年。ロイド・アーヴィングは、先ほどからせっせと何かを探しているようだ。
「ちょっとまってくれ、確かここに…」
ロイドは今朝までたっぷりと惰眠をむさぼっていたベットに近づき、枕をどかす。
枕の下からはキラリと銀色の鍵が、無造作に置かれていた。
「お、あったあった!よっしゃ、行こうぜジーニアス」
ロイドは鍵を手に取ると、ジーニアスに向き直る。
そのままドアに向かうと、ドアノブを回して相方が来るのを待った。
ジーニアスは「やれやれ」と呟きながらも後を追い、2人揃って部屋を出る。
ガチャリと鍵をかけると、仲間達の待つ浜辺へ向かうのだった。
真夏の太陽が照らす浜辺には老若男女、様々な人々が集まっていた。
皆一様に冷たい海水に触れながら楽しそうに笑い合っている。
その中で一際目を引くのは、金色の髪を三つ編みにし海のような瞳をもった少女。コレット・ブルーネルだ。
首元にキラリと光る赤い輝石が、コレットの白い肌をより一層引き立てている。
少女は近づいて来るロイドとジーニアスの気配に気づくと、振り向いて嬉しそうに手を振った。
「ロイド、ジーニアス!こっちだよ〜」
2人を呼ぶ声はトーンが上がり、嬉しさが滲み出ていた。
ロイドとジーニアスは呼ばれるまま、コレットへ近づくと、吸い寄せられるように仲間達も集まってくる。
「おうおう!遅かったでないの〜。待ちくたびれたぜ、ロイド〜」
「アンタは待ってる間、ずっとナンパしていたじゃないか」
「あれはただ挨拶してただけだぜ〜?嫉妬すんなよ、しいなぁ〜」
軽口を叩くのは、緩くパーマがかかった赤髪を長く伸ばした青年。ゼロス・ワイルダーだ。
その隣に立つのは、黒髪を高い位置で結んだ女性。藤崎しいな。
彼女のもつ豊満な胸は特徴的で、男性ならば思わず視線を向けてしまうことだろう。
ゼロスはしいなの肩に手を置くと、ヘラヘラと笑ってみせる。
それがしいなの気に障ったのだろう。
肩に置かれたゼロスの腕を掴むと、前方へ勢いよく投げ飛ばした。
「がッ!?」
頭から思い切り浜辺の砂へとダイブしたゼロスは、口の中の砂を吐き出した。
そんなゼロスを一瞥し、ロイドは仲間達に向き直る。
「お待たせ、待たせちゃったな」
「ううん、私も今きたとこだから。だいじょぶだよ!」
「もうお昼になるわ、泳ぐ前に何かお腹に入れておきましょう」
コレットの右隣に立つ、石像の様に綺麗な顔立ちに銀髪を持つ女性。リフィル・セイジは近くの海の家を指差すと、皆を先導する。
ぞろぞろと入って行った店内には芳醇な香りが漂っていた。
「…ほう、これは。とても美味しそうな香りがしているな」
「見てよ!見たことない料理だ。これ頼んでみない?」
「見たところ数人前はありそうね。皆で頼むのだったら、良いんじゃないかしら」
「…私は、皆さんが選んだもので結構です」
「アタシも、それでいいよ」
「じゃあコレを頼もう。おーい!注文頼む」
皆で選んだ料理を頼み出来上がりを待つ間、各々は自由気ままに過ごしている。
これからの旅の目的を決める者、店の料理を見ては感心する者、女性店員に声をかける者、それを成敗する者……。
やる事は違えど、皆それぞれ楽しそうにこの時を過ごしていた。
「ロイド、お昼食べたら一緒に泳ぎに行こう?」
「…ああ、そうだな!海なんて初めてだから、楽しみだぜ!」
「私もだよ〜。どんなお魚さんがいるんだろうねぇ」
微笑みながらそう話すコレットを見つめていると、ウェイトレスが料理が運んできた。
テーブルにドンッ!と乗ったその料理はゆうに5、6人前はあるだろうか。
あまりの大きさに驚愕はしたものの、皆でなら食べられない量ではない。
取り皿を手に、それぞれが自分の分を取り始める。
料理を頬張り、皆一様に笑顔を浮かべるその光景にロイドは暫くの間魅入っていた。
『こんな平和な時間が、これからも長く続くように』
そう…心の中で祈りながら。
「ロイド?早くしないと無くなっちゃうよ」
かけられた声に、思考を振り切る。
ーー今は、この幸せな時間を楽しもう…。
ロイドは勢いよく返事を返すと、大量の料理が積まれた皿へと手を伸ばした。
アルタミラ。
夏になると一層繁盛するこの町で一行はホテルの一室を借り、束の間の休息を楽しんでいた。
「ロイド、準備出来た?」
白銀の髪を耳の横で長く伸ばした少年、ジーニアス・セイジは隣の友人に目を向ける。
視線の先には、茶髪の髪を襟首で2つに結んだ少年。ロイド・アーヴィングは、先ほどからせっせと何かを探しているようだ。
「ちょっとまってくれ、確かここに…」
ロイドは今朝までたっぷりと惰眠をむさぼっていたベットに近づき、枕をどかす。
枕の下からはキラリと銀色の鍵が、無造作に置かれていた。
「お、あったあった!よっしゃ、行こうぜジーニアス」
ロイドは鍵を手に取ると、ジーニアスに向き直る。
そのままドアに向かうと、ドアノブを回して相方が来るのを待った。
ジーニアスは「やれやれ」と呟きながらも後を追い、2人揃って部屋を出る。
ガチャリと鍵をかけると、仲間達の待つ浜辺へ向かうのだった。
真夏の太陽が照らす浜辺には老若男女、様々な人々が集まっていた。
皆一様に冷たい海水に触れながら楽しそうに笑い合っている。
その中で一際目を引くのは、金色の髪を三つ編みにし海のような瞳をもった少女。コレット・ブルーネルだ。
首元にキラリと光る赤い輝石が、コレットの白い肌をより一層引き立てている。
少女は近づいて来るロイドとジーニアスの気配に気づくと、振り向いて嬉しそうに手を振った。
「ロイド、ジーニアス!こっちだよ〜」
2人を呼ぶ声はトーンが上がり、嬉しさが滲み出ていた。
ロイドとジーニアスは呼ばれるまま、コレットへ近づくと、吸い寄せられるように仲間達も集まってくる。
「おうおう!遅かったでないの〜。待ちくたびれたぜ、ロイド〜」
「アンタは待ってる間、ずっとナンパしていたじゃないか」
「あれはただ挨拶してただけだぜ〜?嫉妬すんなよ、しいなぁ〜」
軽口を叩くのは、緩くパーマがかかった赤髪を長く伸ばした青年。ゼロス・ワイルダーだ。
その隣に立つのは、黒髪を高い位置で結んだ女性。藤崎しいな。
彼女のもつ豊満な胸は特徴的で、男性ならば思わず視線を向けてしまうことだろう。
ゼロスはしいなの肩に手を置くと、ヘラヘラと笑ってみせる。
それがしいなの気に障ったのだろう。
肩に置かれたゼロスの腕を掴むと、前方へ勢いよく投げ飛ばした。
「がッ!?」
頭から思い切り浜辺の砂へとダイブしたゼロスは、口の中の砂を吐き出した。
そんなゼロスを一瞥し、ロイドは仲間達に向き直る。
「お待たせ、待たせちゃったな」
「ううん、私も今きたとこだから。だいじょぶだよ!」
「もうお昼になるわ、泳ぐ前に何かお腹に入れておきましょう」
コレットの右隣に立つ、石像の様に綺麗な顔立ちに銀髪を持つ女性。リフィル・セイジは近くの海の家を指差すと、皆を先導する。
ぞろぞろと入って行った店内には芳醇な香りが漂っていた。
「…ほう、これは。とても美味しそうな香りがしているな」
「見てよ!見たことない料理だ。これ頼んでみない?」
「見たところ数人前はありそうね。皆で頼むのだったら、良いんじゃないかしら」
「…私は、皆さんが選んだもので結構です」
「アタシも、それでいいよ」
「じゃあコレを頼もう。おーい!注文頼む」
皆で選んだ料理を頼み出来上がりを待つ間、各々は自由気ままに過ごしている。
これからの旅の目的を決める者、店の料理を見ては感心する者、女性店員に声をかける者、それを成敗する者……。
やる事は違えど、皆それぞれ楽しそうにこの時を過ごしていた。
「ロイド、お昼食べたら一緒に泳ぎに行こう?」
「…ああ、そうだな!海なんて初めてだから、楽しみだぜ!」
「私もだよ〜。どんなお魚さんがいるんだろうねぇ」
微笑みながらそう話すコレットを見つめていると、ウェイトレスが料理が運んできた。
テーブルにドンッ!と乗ったその料理はゆうに5、6人前はあるだろうか。
あまりの大きさに驚愕はしたものの、皆でなら食べられない量ではない。
取り皿を手に、それぞれが自分の分を取り始める。
料理を頬張り、皆一様に笑顔を浮かべるその光景にロイドは暫くの間魅入っていた。
『こんな平和な時間が、これからも長く続くように』
そう…心の中で祈りながら。
「ロイド?早くしないと無くなっちゃうよ」
かけられた声に、思考を振り切る。
ーー今は、この幸せな時間を楽しもう…。
ロイドは勢いよく返事を返すと、大量の料理が積まれた皿へと手を伸ばした。
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