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マルチェロと、ドニに住む名前は幼馴染みである。なんならマイエラ修道院で、マルチェロの憎い弟と邂逅を果たす前から面識はある。
マルチェロは地理的にも近いドニの町にやってきた時に、タイミングが合えば名前の家にしれっと向かう。聖堂騎士団団長、現在では兼院長という立場から、スキャンダルには事欠かないので、必ずほかの人間に見つからないようには細心の注意を払っていた、のだが。数ヶ月前、マルチェロが人前で名前を抱きしめる予想だにしない出来事があったせいで、やはりスキャンダルには事欠かない。なお体裁的には、マルチェロは現在となっては頑なに否定している。
ぶつぶつぶつぶつ……
名前の自宅。今度はマルチェロと名前はダイニングキッチンにて、机を挟み椅子に座って対面していた。
仕事の愚痴を遮ると、名前本人がイヤミの矛先になることが稀によくあるので、無難に相槌を打っていた。そしてあのハグとはなんだったんだろうか、と虚無感を覚えていた。
そもそもマルチェロは自分のことをストレスの捌け口としかみていないのではないか、そう名前は思っていたものの、不遇な境遇をもつので可哀想という気持ちが勝ってしまっていた。なんだかんだイヤミが痛烈であれ普通の会話もする。彼は教養があり面白いし、名前にとっては、ずるずると関係をもち続けてきたわけだ。この際、名前はマルチェロとの関係をはっきりしたくなった。
「だいぶ前に、マルチェロさんから考えてください、っていわれてたじゃない」
「どうぞ」
愚痴が長引きそうだったので、思い切って話を強制的に切った。名前にも余裕がなかった。マルチェロは手をひらっと出す。
「お友達から始めませんか」
「こんなに時間を寝かせてあるのに、いい返事を待っていたのだが」
向こうは消極的に考えている、としてあまりいい反応はしなかった。
ふいにマルチェロは手をパンと叩き、腕組みすると、びくりと名前は強張った。
「私と君は友人ではなかったとしたら、何と形容すればいい」
名前は早口に呟くように、それもそうね、と返した。もっといい対応をしてほしい、どこに話を着地したいのかわからない……とマルチェロに暗にいわれたようだと名前は感じる。
心ここにあらずと名前は相手のほうをみれず、しばらく目をキョロキョロとさせた。意を決して、ストレートに自分の気持ちをいってみる。
「ふつつか者ですが、今後は恋人として、よろしくお願いします」
マルチェロから「ああ……頼むよ」と告げられたので、ぺこりと名前は頭を下げた。
マルチェロは地理的にも近いドニの町にやってきた時に、タイミングが合えば名前の家にしれっと向かう。聖堂騎士団団長、現在では兼院長という立場から、スキャンダルには事欠かないので、必ずほかの人間に見つからないようには細心の注意を払っていた、のだが。数ヶ月前、マルチェロが人前で名前を抱きしめる予想だにしない出来事があったせいで、やはりスキャンダルには事欠かない。なお体裁的には、マルチェロは現在となっては頑なに否定している。
ぶつぶつぶつぶつ……
名前の自宅。今度はマルチェロと名前はダイニングキッチンにて、机を挟み椅子に座って対面していた。
仕事の愚痴を遮ると、名前本人がイヤミの矛先になることが稀によくあるので、無難に相槌を打っていた。そしてあのハグとはなんだったんだろうか、と虚無感を覚えていた。
そもそもマルチェロは自分のことをストレスの捌け口としかみていないのではないか、そう名前は思っていたものの、不遇な境遇をもつので可哀想という気持ちが勝ってしまっていた。なんだかんだイヤミが痛烈であれ普通の会話もする。彼は教養があり面白いし、名前にとっては、ずるずると関係をもち続けてきたわけだ。この際、名前はマルチェロとの関係をはっきりしたくなった。
「だいぶ前に、マルチェロさんから考えてください、っていわれてたじゃない」
「どうぞ」
愚痴が長引きそうだったので、思い切って話を強制的に切った。名前にも余裕がなかった。マルチェロは手をひらっと出す。
「お友達から始めませんか」
「こんなに時間を寝かせてあるのに、いい返事を待っていたのだが」
向こうは消極的に考えている、としてあまりいい反応はしなかった。
ふいにマルチェロは手をパンと叩き、腕組みすると、びくりと名前は強張った。
「私と君は友人ではなかったとしたら、何と形容すればいい」
名前は早口に呟くように、それもそうね、と返した。もっといい対応をしてほしい、どこに話を着地したいのかわからない……とマルチェロに暗にいわれたようだと名前は感じる。
心ここにあらずと名前は相手のほうをみれず、しばらく目をキョロキョロとさせた。意を決して、ストレートに自分の気持ちをいってみる。
「ふつつか者ですが、今後は恋人として、よろしくお願いします」
マルチェロから「ああ……頼むよ」と告げられたので、ぺこりと名前は頭を下げた。
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