東方project
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私と交際している水橋パルスィは、地上と地下を結ぶ縦穴の番人である。もし私がパルスィと同じ種族の橋姫であっても、訪れた者たちにうまく加護を与えられないだろう。私にはそんな器量はないからだ。
だからそんな恋人が誇らしくもあり、羨ましくもある――それはもうたくさん。
地上と地下を今日も旧地獄で見守るパルスィに、お邪魔虫が一人――それが私。
パルスィのために何かできることはないか、だからこうして隣にいる。実際には一緒にいたいだけなこともあり、そして大して役にも立てないのが実情である。
「おーい、パルスィ!」
張り上げた声に、何事かと私とパルスィがそちらに目を向ける。一人だけではなく、何人かの妖怪が少々離れたところへそこにいる。更に連中はこちらに近づいた。顔に見覚えがなかったので、パルスィの知り合いだろうか。
「あら、久しいわね」
と、パルスィも返すもので、やはり知り合いだったようだ。
「元気してた?近くを通りかかったから遊びに来たの。そちらのお嬢さんはどちら様?」
「あっ、えーと……」
私は咄嗟に言葉が出らず、内心パルスィに助け舟を求める。パルスィは口元に笑みを浮かべており、知り合いらしき奴らに出会って、嬉しそうだった。
「最近できた……そう、友人ね」
ゆ、友人……お付き合いしているというのに……不満になりつつも、ここは合わしておくことにして、私は頷いた。しかしそんな嘘をついておいて、いつかバレるのではないのか?パルスィもいきなりのことだったから、まともな嘘がつけなかったのだろう。
私には興味が無くなったようで、連中はパルスィと和気あいあいと談笑し始めた。どうしよう。すっかり蚊帳の外で、気まずい――。ときたまパルスィはこちらを見てくれるが、ぞろぞろとやってきた連中と、嬉しそうに話している。
「お嬢さん、体の調子は大丈夫かい?」
「えっ……あっはい、大丈夫……です」
私が喋らなかったから、怪訝に思ったのだろう。もういいや、ここは空気に徹しよう。それからぎこちなく答えたとき、なんとなく私もパルスィを見ると、なぜか彼女はこちらを愉快そうに目を細めていた。怒りというよりも、疑問に感じた。
それにしても笑顔のパルスィは可愛い――私に向けられるものであればいいのに。私とパルスィはまだ付き合いたてで、きっとこの連中は私の知らないパルスィの側面を知っているのではないのだろうか。過ごした時間も長そうにみえるし――。
ひたすら空気として成り切る私だったが、ときたま話題を振られてこれまたぎこちなく返していた。その心には醜く汚いものが渦巻いていた。お前たちはパルスィの何なのだ、何を知っているのだ、と。しかしそれをぶつけるようなことはできなかった。これは私がただ燻らせているだけで、この連中に非があるわけではないことは、自分でもわかっていたからだ。
そういった感情がなくなったのは、ようやく連中が一斉にお別れの言葉を発して、解散となったとき。再びパルスィと二人になったときだった。
「私は大勢にいるところが苦手だから、パルスィからもなんとかしてほしかったのに」
「あいつらはいいやつよ。私のような者に絡んでくる懐の広さが、妬ましい。貴女がそこに混ざる気があれば、快く歓迎したでしょうに」
あの連中について回想してか、パルスィは楽しげそうだった。
やはり私の知らない裏で、パルスィは連中の何を知っているんだろう、と少々カチンと来てしまった。それにいいやつといっても、地上の者からすれば所詮嫌われ者の集まりではないか。
なんだかさきほどから、私ばかり胸を痛めてばかりで馬鹿みたいだ――。
「ねえパルスィ、私と貴女では釣り合わないのかなあ」
ついポロッと口にしてしまった。
いきなりのことに呆気に取られるパルスィを想像していたが、私の予想とは違い――ニヤッと笑われた。
「貴女はちょっと自分を卑下しすぎるのよね。そこが放っておけないっていうか」
「卑下しすぎる……?放っておけない……?」
嫉妬心の強い(らしい)私は、近くにいると美味しい存在なのだろうか。まあそうだとしても、パルスィになら構わないけれど。
そう考えていると、柔らかな感触と、いい匂いーーって!?
「わわっ……」
私はパルスィに抱きしめられていた。突然のことに、顔に熱が行き渡る。汗くさくないか心配だ。
「い、いきなり何をーー」
「恋人同士なら、するでしょ?」
パルスィの顔がとても近くにある。綺麗な緑色の瞳に吸い込まれるように、目が離せない。
「久しぶりに私の友人と会えて嬉しかったっていうのもあるけれどーーそんな私と友人との間に嫉妬してくれたときのほうが、嬉しかったの」
抱擁が少しばかり強くなり、パルスィは目を閉じた。
私はさきほど嫉妬していたことなんてかっ飛び、心臓がバクバクで、呼吸が荒くなる。
そして私も、抱擁の力を強めた。
私なんかに、こんなに愛してくれる妖怪がいるなんて。
220804
パルスィさんは好きなんですが、最後のほう執筆のやる気が失せてしまいました。
だからそんな恋人が誇らしくもあり、羨ましくもある――それはもうたくさん。
地上と地下を今日も旧地獄で見守るパルスィに、お邪魔虫が一人――それが私。
パルスィのために何かできることはないか、だからこうして隣にいる。実際には一緒にいたいだけなこともあり、そして大して役にも立てないのが実情である。
「おーい、パルスィ!」
張り上げた声に、何事かと私とパルスィがそちらに目を向ける。一人だけではなく、何人かの妖怪が少々離れたところへそこにいる。更に連中はこちらに近づいた。顔に見覚えがなかったので、パルスィの知り合いだろうか。
「あら、久しいわね」
と、パルスィも返すもので、やはり知り合いだったようだ。
「元気してた?近くを通りかかったから遊びに来たの。そちらのお嬢さんはどちら様?」
「あっ、えーと……」
私は咄嗟に言葉が出らず、内心パルスィに助け舟を求める。パルスィは口元に笑みを浮かべており、知り合いらしき奴らに出会って、嬉しそうだった。
「最近できた……そう、友人ね」
ゆ、友人……お付き合いしているというのに……不満になりつつも、ここは合わしておくことにして、私は頷いた。しかしそんな嘘をついておいて、いつかバレるのではないのか?パルスィもいきなりのことだったから、まともな嘘がつけなかったのだろう。
私には興味が無くなったようで、連中はパルスィと和気あいあいと談笑し始めた。どうしよう。すっかり蚊帳の外で、気まずい――。ときたまパルスィはこちらを見てくれるが、ぞろぞろとやってきた連中と、嬉しそうに話している。
「お嬢さん、体の調子は大丈夫かい?」
「えっ……あっはい、大丈夫……です」
私が喋らなかったから、怪訝に思ったのだろう。もういいや、ここは空気に徹しよう。それからぎこちなく答えたとき、なんとなく私もパルスィを見ると、なぜか彼女はこちらを愉快そうに目を細めていた。怒りというよりも、疑問に感じた。
それにしても笑顔のパルスィは可愛い――私に向けられるものであればいいのに。私とパルスィはまだ付き合いたてで、きっとこの連中は私の知らないパルスィの側面を知っているのではないのだろうか。過ごした時間も長そうにみえるし――。
ひたすら空気として成り切る私だったが、ときたま話題を振られてこれまたぎこちなく返していた。その心には醜く汚いものが渦巻いていた。お前たちはパルスィの何なのだ、何を知っているのだ、と。しかしそれをぶつけるようなことはできなかった。これは私がただ燻らせているだけで、この連中に非があるわけではないことは、自分でもわかっていたからだ。
そういった感情がなくなったのは、ようやく連中が一斉にお別れの言葉を発して、解散となったとき。再びパルスィと二人になったときだった。
「私は大勢にいるところが苦手だから、パルスィからもなんとかしてほしかったのに」
「あいつらはいいやつよ。私のような者に絡んでくる懐の広さが、妬ましい。貴女がそこに混ざる気があれば、快く歓迎したでしょうに」
あの連中について回想してか、パルスィは楽しげそうだった。
やはり私の知らない裏で、パルスィは連中の何を知っているんだろう、と少々カチンと来てしまった。それにいいやつといっても、地上の者からすれば所詮嫌われ者の集まりではないか。
なんだかさきほどから、私ばかり胸を痛めてばかりで馬鹿みたいだ――。
「ねえパルスィ、私と貴女では釣り合わないのかなあ」
ついポロッと口にしてしまった。
いきなりのことに呆気に取られるパルスィを想像していたが、私の予想とは違い――ニヤッと笑われた。
「貴女はちょっと自分を卑下しすぎるのよね。そこが放っておけないっていうか」
「卑下しすぎる……?放っておけない……?」
嫉妬心の強い(らしい)私は、近くにいると美味しい存在なのだろうか。まあそうだとしても、パルスィになら構わないけれど。
そう考えていると、柔らかな感触と、いい匂いーーって!?
「わわっ……」
私はパルスィに抱きしめられていた。突然のことに、顔に熱が行き渡る。汗くさくないか心配だ。
「い、いきなり何をーー」
「恋人同士なら、するでしょ?」
パルスィの顔がとても近くにある。綺麗な緑色の瞳に吸い込まれるように、目が離せない。
「久しぶりに私の友人と会えて嬉しかったっていうのもあるけれどーーそんな私と友人との間に嫉妬してくれたときのほうが、嬉しかったの」
抱擁が少しばかり強くなり、パルスィは目を閉じた。
私はさきほど嫉妬していたことなんてかっ飛び、心臓がバクバクで、呼吸が荒くなる。
そして私も、抱擁の力を強めた。
私なんかに、こんなに愛してくれる妖怪がいるなんて。
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パルスィさんは好きなんですが、最後のほう執筆のやる気が失せてしまいました。