そこに野望があるからⅡ
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湘北高校バスケ部のインターハイは、王者山王に勝利するも、次の愛和学院に負けた。
赤木くんの目指していた”全国制覇”は、惜しくも達成することが出来なかった。
それは、私たち女子テニス部も同じことだった。
『全国制覇、出来てたかもしれなかったのに‥‥‥』
インターハイ後、赤木くんは引退することに決めたらしい。
誰もいない体育館で、一人でバスケットボールをドリブルする姿は、どこか寂しそうだ。
「そうだな。王者山王を倒して、近づけたような気がしたよ」
清々しい顔でそんなことを言う。
今まで長い間山王がトップを走ってきたのだ。その山王との試合は、湘北にとって事実上の決勝戦だったに違いない。
『‥‥‥悔しくないの?』
そう尋ねて後悔した。
長年の王者であった山王を倒したあの日、湘北は全国制覇に一番近かった。”全国制覇”の為に努力し、練習を積み重ねてきたのだ。悔しくないはずがないのは、私にも分かる。
「悔しいさ。ただ、山王に勝ったことで区切りがついた。そんな気持ちなんだ」
赤木くんは嘘は言っていない。言ってはいないが、私の気持ちがどこか釈然としない。何故なのだろう。
赤木くんは精一杯頑張って、山王を倒すという快挙を成し遂げたのに。
私の頑張りが、足りなかったからだろうか。
「奈々氏はどうだったんだ。インターハイは出場出来たんだろう?」
『県大会はね、勝った。準優勝だったよ』
私たちテニス部も、県大会では良い成績を残すことが出来た。今までベスト8だったのが、やっと準優勝という結果を残せたのだ。
しかし、インターハイは悲惨だった。初戦敗退。補欠の私は、応援することしか出来なかった。
私にとって、自分の力で”全国制覇”できないことは、何もしていないことと同じに思えた。
『やっぱり、全国は強かったよ。うちは、初戦敗退しちゃったから‥‥‥』
「そうか‥‥‥」
しばらくの間、私と赤木くんを沈黙が包む。少し気まずい。
本当は、こんなしんみりとした話をしたかった訳じゃない。
赤木くんの気持ちを知りたかっただけなのに。
赤木くんの目指していた”全国制覇”は、惜しくも達成することが出来なかった。
それは、私たち女子テニス部も同じことだった。
『全国制覇、出来てたかもしれなかったのに‥‥‥』
インターハイ後、赤木くんは引退することに決めたらしい。
誰もいない体育館で、一人でバスケットボールをドリブルする姿は、どこか寂しそうだ。
「そうだな。王者山王を倒して、近づけたような気がしたよ」
清々しい顔でそんなことを言う。
今まで長い間山王がトップを走ってきたのだ。その山王との試合は、湘北にとって事実上の決勝戦だったに違いない。
『‥‥‥悔しくないの?』
そう尋ねて後悔した。
長年の王者であった山王を倒したあの日、湘北は全国制覇に一番近かった。”全国制覇”の為に努力し、練習を積み重ねてきたのだ。悔しくないはずがないのは、私にも分かる。
「悔しいさ。ただ、山王に勝ったことで区切りがついた。そんな気持ちなんだ」
赤木くんは嘘は言っていない。言ってはいないが、私の気持ちがどこか釈然としない。何故なのだろう。
赤木くんは精一杯頑張って、山王を倒すという快挙を成し遂げたのに。
私の頑張りが、足りなかったからだろうか。
「奈々氏はどうだったんだ。インターハイは出場出来たんだろう?」
『県大会はね、勝った。準優勝だったよ』
私たちテニス部も、県大会では良い成績を残すことが出来た。今までベスト8だったのが、やっと準優勝という結果を残せたのだ。
しかし、インターハイは悲惨だった。初戦敗退。補欠の私は、応援することしか出来なかった。
私にとって、自分の力で”全国制覇”できないことは、何もしていないことと同じに思えた。
『やっぱり、全国は強かったよ。うちは、初戦敗退しちゃったから‥‥‥』
「そうか‥‥‥」
しばらくの間、私と赤木くんを沈黙が包む。少し気まずい。
本当は、こんなしんみりとした話をしたかった訳じゃない。
赤木くんの気持ちを知りたかっただけなのに。