そこに野望があるから
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『赤木くんが全国制覇するか、私が全国制覇したら教えてあげる』
私は悪戯っぽく笑って見せる。
赤木くんは、少し不満そうな顔で尋ねる。
「今じゃダメなのか?」
『今じゃない。今じゃないよ』
「そうか‥‥‥」
赤木くんが少し寂しそうに見えるのは気のせいだろう。
秘密を教えてくれると思ったのに、その期待が外れた子供のような反応だ。
『だって、今年は出来そうなんでしょう、全国制覇!』
「勿論そのつもりだ」
赤木くんの顔には不安がない。確固たる決意がある。私はそれを見て安心する。
『だったら、応援する。今までと変わらず応援してる!』
赤木くんに笑顔を向ける。
赤木くんも私に笑顔が戻って安心したようだ。表情がいつものものに戻ってきている。
『だから、絶対、全国制覇してね。私も補欠として精々頑張るから』
「あまり腐るなよ」
『大丈夫だよ。今年は女テニも男バスも全国に行ける気がするんだよね』
「そうだな」
赤木くんは虎視眈々と”全国制覇”を狙っている。その考え方は間違っていないと思う。
今、自信に溢れた彼の目を見ればわかる。迷いや不安なんて、微塵も感じていないんだ。
「その期待を裏切らないようにしないとな」
『約束。お互い、頑張ろうね』
”全国制覇”をしたその先に、私の野望が待っている。
それは、終わりではなく始まりなのだ。
だから、”全国制覇”は必ず成し遂げなくちゃ。必ず。
fin.