そこに野望があるから
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部活終わりに校門へ向かっていくと、校門前に背の高い男性が一人立っている。赤木くんだ。
「よぉ」
赤木くんは手持無沙汰だったのか、持っていた参考書を閉じて鞄へ仕舞う。
『赤木くんが一人なんて珍しいね』
「そうか?」
『そうだよ。それで、どうしたの?』
赤木くんと一緒に歩き出す。
春の気候が段々と夏に向かっていっている。今年も熱くなるだろう。
しばらく無言で歩いていたが、赤木くんはやっと口を開く。
「この間の、教室でのことが気になってた。レギュラーを外されるっていうのはどういうことだ」
赤木くんが、話の細部を覚えていることに、私は驚いた。
私がレギュラー落ちした話なんて、聞いてもらえないと思っていたし、興味が無いと思っていた。
『前に言ったでしょう。有望な一年が二人入ったって。その子たち、どっちもシングルスプレイヤーで、私よりも上手なの。だから、その子たちの為にレギュラー落ち』
全国制覇を目指せるのは、もう今年だけだというのに、試合に出れないことが悔しくてたまらない。
本当は自分が試合に出たい。そして部のみんなと全国制覇をしたい。なのに、それは無理な話なのだ。
『監督に言われたよ。私の三年間の努力は認める。だけど、申し訳ないけど勝つためには必要な事だって。私じゃ勝てないって』
言ってて、泣きそうになる。悔しい。自分の実力不足が悔しい。
今まで三年間頑張ってきて、最後の最後に試合に出させてもらえない。全国制覇の夢を誰かに託さなくちゃいけないなんて、神様は残酷だ。
『だから、今年は補欠として全国制覇を目指すの』
泣きそうになっていたせいか、声が少し震えていた。今にも泣きそうになる。情けない顔を見せそうで、私は顔を下に向ける。
今、赤木くんはどんな顔をしているだろう。赤木くんは何も言ってくれない。
『悔しいよ』
本当に、悔しかった。
「よぉ」
赤木くんは手持無沙汰だったのか、持っていた参考書を閉じて鞄へ仕舞う。
『赤木くんが一人なんて珍しいね』
「そうか?」
『そうだよ。それで、どうしたの?』
赤木くんと一緒に歩き出す。
春の気候が段々と夏に向かっていっている。今年も熱くなるだろう。
しばらく無言で歩いていたが、赤木くんはやっと口を開く。
「この間の、教室でのことが気になってた。レギュラーを外されるっていうのはどういうことだ」
赤木くんが、話の細部を覚えていることに、私は驚いた。
私がレギュラー落ちした話なんて、聞いてもらえないと思っていたし、興味が無いと思っていた。
『前に言ったでしょう。有望な一年が二人入ったって。その子たち、どっちもシングルスプレイヤーで、私よりも上手なの。だから、その子たちの為にレギュラー落ち』
全国制覇を目指せるのは、もう今年だけだというのに、試合に出れないことが悔しくてたまらない。
本当は自分が試合に出たい。そして部のみんなと全国制覇をしたい。なのに、それは無理な話なのだ。
『監督に言われたよ。私の三年間の努力は認める。だけど、申し訳ないけど勝つためには必要な事だって。私じゃ勝てないって』
言ってて、泣きそうになる。悔しい。自分の実力不足が悔しい。
今まで三年間頑張ってきて、最後の最後に試合に出させてもらえない。全国制覇の夢を誰かに託さなくちゃいけないなんて、神様は残酷だ。
『だから、今年は補欠として全国制覇を目指すの』
泣きそうになっていたせいか、声が少し震えていた。今にも泣きそうになる。情けない顔を見せそうで、私は顔を下に向ける。
今、赤木くんはどんな顔をしているだろう。赤木くんは何も言ってくれない。
『悔しいよ』
本当に、悔しかった。