そこに野望があるから
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春ーー。
この季節は、新入生も上級生も心が躍り弾む時期である。
新しい一年の生活に、期待が高まっている証拠だ。
それは、新一年生だけの話ではない。上級生も同じなのだ。
休み時間に廊下を歩いていると、どこからか”全国制覇”という言葉が聞こえてきた。
足を止めて、声が聞こえてきた場所を探す。どうやら近くの教室から聞こえてきたらしい。
教室のプレートを見ると、”3年6組”の文字。
この教室で全国制覇の話題が出ているのなら、話の中心人物は十中八九、赤木くんと青田くんに間違いないだろう。
私は話に割り込む覚悟を決めて、その教室のドアを勢いよく開けた。
『赤木くん! 今年はどこまで行けそうなの!?』
元気よく大声で、赤木くんに声をかける。私は教室にいた人たちの視線を一斉に集めた。
そんなことなど気にする様子を見せずに、平然とした態度で赤木くんの側へと歩みを進める。
「奈々氏、お前も来たのか‥‥‥」
自分の席に座っている赤木くんが、呆れたように言った。その様子に少し傷付きながらも平然を装う。
やはり”全国制覇”の話題の中心は赤木くんだった。
『お前もって‥‥‥?』
分かっていながら、私は分からないふりをした。青田くんのことは気にしていない、赤木くんのこと以外に興味は無い。そんな意味を込めてはいるが、赤木くんに伝わっているかどうかは分からない。
赤木くんの隣に小暮くんとは違う背の高い男の姿を認める。
私は思わず嫌な顔をしてしまう。
『げぇ、青田くん‥‥‥』
青田くんが嫌いなわけじゃない。
話がしたいのは、赤木くんとだけなのだ。
この季節は、新入生も上級生も心が躍り弾む時期である。
新しい一年の生活に、期待が高まっている証拠だ。
それは、新一年生だけの話ではない。上級生も同じなのだ。
休み時間に廊下を歩いていると、どこからか”全国制覇”という言葉が聞こえてきた。
足を止めて、声が聞こえてきた場所を探す。どうやら近くの教室から聞こえてきたらしい。
教室のプレートを見ると、”3年6組”の文字。
この教室で全国制覇の話題が出ているのなら、話の中心人物は十中八九、赤木くんと青田くんに間違いないだろう。
私は話に割り込む覚悟を決めて、その教室のドアを勢いよく開けた。
『赤木くん! 今年はどこまで行けそうなの!?』
元気よく大声で、赤木くんに声をかける。私は教室にいた人たちの視線を一斉に集めた。
そんなことなど気にする様子を見せずに、平然とした態度で赤木くんの側へと歩みを進める。
「奈々氏、お前も来たのか‥‥‥」
自分の席に座っている赤木くんが、呆れたように言った。その様子に少し傷付きながらも平然を装う。
やはり”全国制覇”の話題の中心は赤木くんだった。
『お前もって‥‥‥?』
分かっていながら、私は分からないふりをした。青田くんのことは気にしていない、赤木くんのこと以外に興味は無い。そんな意味を込めてはいるが、赤木くんに伝わっているかどうかは分からない。
赤木くんの隣に小暮くんとは違う背の高い男の姿を認める。
私は思わず嫌な顔をしてしまう。
『げぇ、青田くん‥‥‥』
青田くんが嫌いなわけじゃない。
話がしたいのは、赤木くんとだけなのだ。
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