水面の月でキミワラウ
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緑谷side
「出久また泣かされたん?」
「ぐすん…うん」
それは遠い記憶。
人は生まれながらに平等じゃない。
齢四歳にして知ってしまった社会の現実。
「仕方ないなぁ。出久のことはうちが守っちゃるけん、もう泣かんとよ。…ヒーローになりたいんやろ?」
「うん…」
公園で幼馴染みによく泣かされていた僕に手を差し伸べてくれる女の子。
その子とは親同士の仲が良くて兄妹の様に育った。
空色の髪の女の子の名前は水月海歌
「うみ!大丈夫!?」
僕が泣かされた後は決まってやり返しに行っていた海歌。そしてもう1人の幼馴染みで僕をいじめていたかっちゃんとお互いボロボロになるまで喧嘩をしていた。
「うん!へいき、へっちゃら!!」
ボロボロになりながらも笑顔で返すその子は、もう1人の身近にいる僕にとってのヒーローだった。
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「出久ー!!起きてー!!」
部屋の外から聞こえるのは僕を起こしてくれる母の声、その声と共に意識が段々と覚醒していく。
凄く懐かしい幼い頃の夢。
この世界は何かしらの力を持った個性を宿す人々が多く、その中でもヒーローと言う職業は一目置かれえいた。
そんな中無個性だった僕に平和の象徴のヒーローであるオールマイトは自分の個性『ワンフォーオール』を与えてくれた。
その期待に答えるべく望んだ憧れの雄英高校入学試験。
一時はもうダメだと思っていたが、無事に合格することができ見事、雄英高校に入学することができた。
「いってきまーす!」
入学してからの数ヶ月。
この数ヶ月は僕の人生の中でも色濃く目まぐるしいほどに毎日が過ぎて行く。
これはそんな日々の中で起こったある始まりの出来事。
「デクくーん!おはよー!!」
「緑谷くん!おはよう!」
「麗日さん!飯田くん!おはよう!」
学校の門をくぐった頃、後ろから話しかけてきたのは同じクラスの友達だった。
入試の時から縁があり今では仲良くしてもらっている。
2人と合流し教室へと足を進めていく。
「もうすぐだね〜合宿」
「そうだな!」
「どんなことするだろうね!」
クラスでの話題は合宿の話で持ち切りだ。
そんな会話をしながら本当に、いつもの様に1-Aの教室の扉を開けようとした時だった。
「出久ーー!!!!」
「えっ!てぐぇ」
ガッシャーン!!!!!!
僕は名前を呼ばれたと同時に襲ってきた衝動とそのまま横に綺麗に飛んでいく。
咄嗟の事で気づくのが遅くなりそのまま受け身を取り損ねてしまった。
「デクくん!!!!?/緑谷くん!!!!!!?」
飛んでいった自分を心配する声を聞きながら停止していた思考を動かしてみた。
こんなことをするのは1人だと思い自分に抱きついている人物に目を向ける。
「なんでうみがこんな所に!?」
「久しぶりー!!連絡取り合っとったけど元気しとった??また爆発やろーにいじめられとらん??」
僕に抱きつく正体は幼馴染みの水月海歌
夢に出てきていた女の子だ。
あの懐かしい夢は何かしらせだったのかとどこか変に冷静になっていた。
騒ぎを聞きつけてクラスの皆もぞくぞくと教室から出て来ていた。
「あっいたいた。急に消えやがって…」
「相澤先生!!」
タイミング良く向こうから現れた担任の相澤先生。
海歌を見つけなり相澤先生は首根っこ捕まえ猫のように持ち上げた。
何が何やら全く着いていけてない教え子たちを察したのか、猫のようになっている海歌を指さし口を開いた。
「諸事情があってこんな時期だが編入する事になった水月海歌だ」
「福岡から来ました!水月海歌です!!そして出久の幼馴染みと言うか姉弟みたいなものです」
自己紹介をいつものテンションで元気よく話す海歌に調子に乗るなと言わんばかりに相澤先生に脳天にチョップしていた。
「緑谷!!お前こんな可愛い子が幼馴染みとかどんだけだよ!!」
「紹介してくれよ〜!!頼むよ〜!!」
海歌の自己紹介にいち早く反応した峰田君と上鳴君から揺らされるはバシバシ叩かれていると
「うるさいぞお前らとりあえず教室入れ」
個性を発動させて怖い顔してる相澤先生に皆、素直に教室に入って行く。
みんなが席に着いたのを見てから教壇に立った相澤先生が改めて説明を始めた。
「編入するのは明日。クラスはうちに入ってもらうことになる。今日は個性把握を兼ねて学校案内をしていたところだったんだが…突然消えやがって」
「ごめんなさーい」
あまり悪いと思ってない風におちゃらけて見せる海歌。
そんな中、教室の扉が開き入って来たのはもう1人の僕の幼馴染みである爆豪勝己。
入ってすぐ視界に入った海歌を見るなりフリーズするかっちゃん。
「は??」
分かるよかっちゃんその反応。
でもやばいこの2人が顔合わせたら…
「んでてめぇがここにいんだよ。クソ女」
「3年ぶりに会ってそんなことしか言えないの??爆発やろー」
予想通りの険悪ムードに不味いと思い止めに入る。
しかしそれが火に油を注ぐことになってしまう。
「か、かっちゃん落ち着いて」
「あぁ!!?クソナードこれが落ち着いいられるか!!」
「ちょっと!!出久に当たんないでよ!!」
(だよね…めっちゃいがみ合いだしてしまった…)
小さい頃から僕をいじめていたかっちゃんを逆に返り討ちにしていた海歌。
そのせいでお互い馬が合わないという訳ではないとおもうけれど、顔を合わせるといつもこうなってしまう…
「デクくんあの二人って…」
「うん…昔からあぁなんだ…犬猿の仲みたいな」
いがみ合い続ける2人に痺れを切らしたとは相澤先生だった。
「お前らいい加減にしろ。爆豪お前は席につけ」
またもや個性を出しながら威嚇されてしまい渋々席につくかっちゃん。
「はぁ。話を戻すが今から水月の個性把握をする。お前らも体操着に着替えて運動場に来い」
先生に言われた通り皆は体操着に着替えを済ませ、運動場に集合した
「今からこいつと個性有りの1試合してもらう。相手は爆豪か轟で考えてるんだが「先生俺にやらせろ!!」と言うと思ったよ、爆豪。」
先生の話を割って入ったかっちゃんはメラメラと燃え上がりを見せていたのでクラスのみんなが少し引いている
「お、おい爆豪女の子相手なんだから少しは加減してやれよ?」
「そうだぜ爆豪!」
その様子を見兼ねた上鳴くん達が落ち着かせるように話しかけてみるもかっちゃんは少し鼻で笑って見せた。
「手加減だぁ?そんなもんする訳ねぇだろ。あのクソ女が個性使うんだぞ。こっちも本気で行く」
後ろでそのやり取りを見ていた僕に轟くんが不思議そうに話しかけてきた。
「なぁ緑谷。爆豪があそこまで本気になるってお前の幼馴染み強ぇのか?」
「…そうだね。今までかっちゃんはうみに喧嘩で勝てたことないんだ」
「えっ!!?あの爆豪くんが!!!!?」
「多分かっちゃんや轟くんよりも強いと思う。」
僕の話に聞いていた皆がざわざわしだした。
その言葉の真意を確かめるべく皆2人に視線を送る。
正面に向き合う2人
「それじゃあ、開始!!」
To Be Continued…