flower bud
8つ
「ふぁぁぁあッと……すみません。」
「珍しいですね。秋霖が欠伸をするなんて」
「気が緩んでたのと、とても退屈な時間だなぁって。いい歳した人の誕生日会なんて暇で暇で…」
「確かにそうですねぇ。サボる口実でもあれば良いんですけど」
この日は天帝の生誕祭。
自分をあの塔に閉じ込めた者の親族になど興味はさらさらなく。っと言ってもほぼ強制参加なため、わらわらと群がる人混みの一角で天蓬と並んで立つ秋霖。暇すぎる事と天蓬の隣で安心しきって気が緩むということも相まって欠伸が出てしまう。
「あの偏屈で無愛想な金蝉童子がこんな素性も知れぬ子供を寵愛してるとは…色への無関心ぶりも御稚児趣味の賜物だったという訳か」
「いッ…!!?」
「お前 今、金蝉の悪口言ったろ!?あいつを悪く言う奴は俺、許さねぇかんな!!」
「~~のクソガキ…!!」
どこからか騒ぎと共に金蝉への侮辱とも取れる言葉と聞きなれた声がする方に目を向ければ悟空と見知らぬ男が揉めている最中のようだった。
男が悟空に殴りかかろうとした刹那──
「躾でない子供への暴力は無粋ですよ」
「子ども相手に大人気ない。それと金蝉のことも悪く言っていましたね…?」
「…貴様らは」
「西方軍の天蓬元帥…!?」
「それと守り人ッ!?」
「あーー 天ちゃんとリン姉ちゃんだー♡」
寸前で男の腕を掴んだ天蓬と悟空の前に立ちはだかる秋霖。二人を見て嬉しそうな顔を見せる悟空。
「『ガキ』を非難する前に大人気のない態度を是非改めて下さいね」
「──ッ!!軍人ふぜいが何を偉そうに…!!がはッ!?」
「今、天蓬様に手を出そうとしましたね?……万死に値する。」
頭に血が登った男が天蓬目掛けて拳を振り上げたが、それよりも速く顔面へ裏拳を入れられのたうち回る。
そんな男を冷たく見下ろす秋霖。
「放せって!!」
「ぎゃああ!?」
「バーカ!!」
騒ぎを聞きつけ悟空をつまみ出そうとした護衛の腕に噛み付いて、逃げ出す悟空
「クソ…捕まえろ!!」
「待ちなさい その子は…!!」
「コラ。」
数人の護衛が悟空を追いかけようと手を伸ばした瞬間、何かによって次々と躓きそのままずっこける。
躓いた原因は捲簾の伸ばした足のようだ。
「何だよ、面白そーな事になってんじゃん。俺も混ぜろや」
「ケン兄ちゃん!」
「事を荒立てる人が登場しちゃいましたねぇ」
「ダメですよ捲簾。穏便にしないと〜」
「秋霖。お前声が笑ってんぞ。」
「捲簾大将といえど天帝の御前での狼藉は許せませんぞ…!!」
「はックソ面白くもねえジジイの口上に退屈してたトコだ。眠気覚ましにゃ丁度いいぜ」
捲簾はものすごく楽しそうな表情を見せたかと思えば
「日頃っから俺に恨み持ってる奴ぁまとめてかかって来な!!」
「またそーやって煽るんですから…」
「わー楽しっじゃなかった捲簾だめですよー」
全力で煽りに行くスタイルに対して向こうも黙っている訳もなく沢山の人が捲簾に向かって反撃をしに行く
「──クソ!!馬鹿にしてやがるのか!!」
「ははッ楽しーねぇ!!」
「うわーー随分恨み買ってたみたいですねぇ」
「これは大変ですね」
「うるせぇよッ俺への恨みはおめーらへの恨みも同然だろォがッ」
「えー。そんな妻夫関係なんですか僕達……心外ですねッ」
「がはッ!!」
背後から来た男を一撃で倒した。
「天蓬様と私が夫婦として天蓬様と捲簾は妻夫関係って事ですかね」
「冷静に分析するのやめません?」
「それじゃな何か?天蓬は多夫多妻制ってか?」
「だからやめません?それ。僕は秋霖だけで十分ですよ」
「あーはいはい。ご馳走様です」
なんて普通に会話をしているが天蓬と秋霖も一緒になって暴れているのでこの場を止めるものなど誰も居なかった
「──空 悟空!!何やってんだてめぇ!?」
「金蝉!!」
そんな中、人混みを掻き分けながら悟空を呼ぶ声に目を向ければすっかり保護者が板に付いてきた金蝉の姿
「おや。飼い主さんのお出ましですか」
「本当ですね!こんぜーん!!」
「──あ?──へえ あれが噂の…ね」
「このバカ猿!!離れるなっつっただろーが!!秋霖お前も何してんだ!」
「いでででごめんってば!!」
「これは楽しくっじゃなくて襲ってきたので不可抗力で返り討ちにですね…」
「おい。今楽しくてって言ったなお前。」
悟空にお仕置を加えながら秋霖を叱る金蝉に捲簾が仲介に入る。
「まーまー お兄ちゃんよ。子供はカゼの子遊びざかりなんだしよ」
「捲簾。それじゃあ私も子供になりますが?」
「──触るなッ 誰だお前…!?」
「『暴れん坊将軍』下半身含む。」
「………“捲簾大将”…か」
「こ…金蝉様!?上のお席にいらっしゃらないと思ったらこの様な場所に!」
「彼らは私の連れだ 騒ぎの責任を取り退席させて頂く」
「しっ しかし…!?」
「──行くぞ」
そう言うと声を掛けてきた男など知らん顔でくるりと踵を返す金蝉
「…いいんですか?僕ら勝手に騒ぎにしただけなんですけど」
「──ふん。サボる口実ができただけだ」
「確かにサボる口実になりますねぇ」
「…秋霖、お前この頃不真面目になってないか?」
「やですね。天蓬様と捲簾に比べれば真面目な方ですよ、私。」
五人はその場を後にした──
────────────────
──────────
────
「──って、どこまでついてくるんだお前ら!?」
「自分が『行くぞ』って言ったんじゃないですか」
「てっきり着いてこいって事かとばかり」
行くぞっと言った張本人の後を素直に着いて来て、たどり着いたのは金蝉の執務室。
「まーま 硬いのはアレだけで充分だぜお兄サン。これも何かの縁だ今日は呑もうじゃねーの」
「慣れ慣れしいんだよ!!」
「…捲簾。秋霖の前で下ネタやめて貰えます?」
下らない下ネタを連発する捲簾を金蝉にゲンコツをお見舞いしているのを天蓬の隣でクスクス笑っていると悟空が天蓬と秋霖の手を引っ張りながら金蝉におねだりをする
「折角、天ちゃん達と会ったんだから遊びてーよー!なー金蝉ッ」
「……勝手にしろッ 俺はヒマじゃねぇんだ。仕事のジャマした奴から締め上げるぞ!!」
椅子に座り書類を書き出す金蝉を他所に四人で何して遊ぶかの話で盛り上がる
「…じゃあ何して遊ぶんですか 悟空?」
「ドロケイか?チャンバラか?」
「うーんとね、この間 倉庫でバットとボールみつけたんだ」
「野球ですか。いいですねー」
「野球……そう言われたら訓練でしてましたね」
「任せろよ。天界のイチローとはこの俺様の事だ」
「誰ですかイチローって…」
「じゃあ俺投げるッ」
「僕キャッチャーですね」
「では私は観客を」
「おーし来いッ!!」
ボールを持った悟空が勢いよく投げるとそのまま金蝉の元へ飛んでいき、使っていたインクボトルに命中
「──!!」
「あ、悪。」
「金蝉ーーーボールパスパスー!!」
「……てめぇら……」
「投げてくださいよ!こんぜーん」
全く悪びれた様子のない三人。秋霖に至ってた煽りまで入れている…飛んできたボールを握り絞めながらわなわなと震える金蝉
「ブッ殺す!!」
「わ、スゲッ」
「余裕っしょ!!」
「あ」
「ありゃりゃ」
そのまま思いっきり投げあボールを捲簾が思いっきり振ったバットに命中。
そしてそのまま…
ガシャン…
「あーー いけないんだーー」
大きな音を立てて窓ガラスが粉々に割れてしまった…
「捲簾が打ち返したのが悪いんだろォが!!」
「てめ 打ってくれと言わんばかりだったじゃねぇかよ!?っつーか 元はと言えばこの猿が野球やろうなんざ」
「アッ ヒデーー!!自分だって楽しそうに」
「うるせっ」
「ぷっ!あははははっ!!」
くだらないことで喧嘩を始めた二人に笑い出す秋霖
天蓬はそんな様子を割れた窓から流れてくる風に当たりながら呟く
「…ま アレですね『仲良き事は美しきかな。』」
「あっいいですねぇそれ」
「ねぇよ」
「ふぁぁぁあッと……すみません。」
「珍しいですね。秋霖が欠伸をするなんて」
「気が緩んでたのと、とても退屈な時間だなぁって。いい歳した人の誕生日会なんて暇で暇で…」
「確かにそうですねぇ。サボる口実でもあれば良いんですけど」
この日は天帝の生誕祭。
自分をあの塔に閉じ込めた者の親族になど興味はさらさらなく。っと言ってもほぼ強制参加なため、わらわらと群がる人混みの一角で天蓬と並んで立つ秋霖。暇すぎる事と天蓬の隣で安心しきって気が緩むということも相まって欠伸が出てしまう。
「あの偏屈で無愛想な金蝉童子がこんな素性も知れぬ子供を寵愛してるとは…色への無関心ぶりも御稚児趣味の賜物だったという訳か」
「いッ…!!?」
「お前 今、金蝉の悪口言ったろ!?あいつを悪く言う奴は俺、許さねぇかんな!!」
「~~のクソガキ…!!」
どこからか騒ぎと共に金蝉への侮辱とも取れる言葉と聞きなれた声がする方に目を向ければ悟空と見知らぬ男が揉めている最中のようだった。
男が悟空に殴りかかろうとした刹那──
「躾でない子供への暴力は無粋ですよ」
「子ども相手に大人気ない。それと金蝉のことも悪く言っていましたね…?」
「…貴様らは」
「西方軍の天蓬元帥…!?」
「それと守り人ッ!?」
「あーー 天ちゃんとリン姉ちゃんだー♡」
寸前で男の腕を掴んだ天蓬と悟空の前に立ちはだかる秋霖。二人を見て嬉しそうな顔を見せる悟空。
「『ガキ』を非難する前に大人気のない態度を是非改めて下さいね」
「──ッ!!軍人ふぜいが何を偉そうに…!!がはッ!?」
「今、天蓬様に手を出そうとしましたね?……万死に値する。」
頭に血が登った男が天蓬目掛けて拳を振り上げたが、それよりも速く顔面へ裏拳を入れられのたうち回る。
そんな男を冷たく見下ろす秋霖。
「放せって!!」
「ぎゃああ!?」
「バーカ!!」
騒ぎを聞きつけ悟空をつまみ出そうとした護衛の腕に噛み付いて、逃げ出す悟空
「クソ…捕まえろ!!」
「待ちなさい その子は…!!」
「コラ。」
数人の護衛が悟空を追いかけようと手を伸ばした瞬間、何かによって次々と躓きそのままずっこける。
躓いた原因は捲簾の伸ばした足のようだ。
「何だよ、面白そーな事になってんじゃん。俺も混ぜろや」
「ケン兄ちゃん!」
「事を荒立てる人が登場しちゃいましたねぇ」
「ダメですよ捲簾。穏便にしないと〜」
「秋霖。お前声が笑ってんぞ。」
「捲簾大将といえど天帝の御前での狼藉は許せませんぞ…!!」
「はックソ面白くもねえジジイの口上に退屈してたトコだ。眠気覚ましにゃ丁度いいぜ」
捲簾はものすごく楽しそうな表情を見せたかと思えば
「日頃っから俺に恨み持ってる奴ぁまとめてかかって来な!!」
「またそーやって煽るんですから…」
「わー楽しっじゃなかった捲簾だめですよー」
全力で煽りに行くスタイルに対して向こうも黙っている訳もなく沢山の人が捲簾に向かって反撃をしに行く
「──クソ!!馬鹿にしてやがるのか!!」
「ははッ楽しーねぇ!!」
「うわーー随分恨み買ってたみたいですねぇ」
「これは大変ですね」
「うるせぇよッ俺への恨みはおめーらへの恨みも同然だろォがッ」
「えー。そんな妻夫関係なんですか僕達……心外ですねッ」
「がはッ!!」
背後から来た男を一撃で倒した。
「天蓬様と私が夫婦として天蓬様と捲簾は妻夫関係って事ですかね」
「冷静に分析するのやめません?」
「それじゃな何か?天蓬は多夫多妻制ってか?」
「だからやめません?それ。僕は秋霖だけで十分ですよ」
「あーはいはい。ご馳走様です」
なんて普通に会話をしているが天蓬と秋霖も一緒になって暴れているのでこの場を止めるものなど誰も居なかった
「──空 悟空!!何やってんだてめぇ!?」
「金蝉!!」
そんな中、人混みを掻き分けながら悟空を呼ぶ声に目を向ければすっかり保護者が板に付いてきた金蝉の姿
「おや。飼い主さんのお出ましですか」
「本当ですね!こんぜーん!!」
「──あ?──へえ あれが噂の…ね」
「このバカ猿!!離れるなっつっただろーが!!秋霖お前も何してんだ!」
「いでででごめんってば!!」
「これは楽しくっじゃなくて襲ってきたので不可抗力で返り討ちにですね…」
「おい。今楽しくてって言ったなお前。」
悟空にお仕置を加えながら秋霖を叱る金蝉に捲簾が仲介に入る。
「まーまー お兄ちゃんよ。子供はカゼの子遊びざかりなんだしよ」
「捲簾。それじゃあ私も子供になりますが?」
「──触るなッ 誰だお前…!?」
「『暴れん坊将軍』下半身含む。」
「………“捲簾大将”…か」
「こ…金蝉様!?上のお席にいらっしゃらないと思ったらこの様な場所に!」
「彼らは私の連れだ 騒ぎの責任を取り退席させて頂く」
「しっ しかし…!?」
「──行くぞ」
そう言うと声を掛けてきた男など知らん顔でくるりと踵を返す金蝉
「…いいんですか?僕ら勝手に騒ぎにしただけなんですけど」
「──ふん。サボる口実ができただけだ」
「確かにサボる口実になりますねぇ」
「…秋霖、お前この頃不真面目になってないか?」
「やですね。天蓬様と捲簾に比べれば真面目な方ですよ、私。」
五人はその場を後にした──
────────────────
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「──って、どこまでついてくるんだお前ら!?」
「自分が『行くぞ』って言ったんじゃないですか」
「てっきり着いてこいって事かとばかり」
行くぞっと言った張本人の後を素直に着いて来て、たどり着いたのは金蝉の執務室。
「まーま 硬いのはアレだけで充分だぜお兄サン。これも何かの縁だ今日は呑もうじゃねーの」
「慣れ慣れしいんだよ!!」
「…捲簾。秋霖の前で下ネタやめて貰えます?」
下らない下ネタを連発する捲簾を金蝉にゲンコツをお見舞いしているのを天蓬の隣でクスクス笑っていると悟空が天蓬と秋霖の手を引っ張りながら金蝉におねだりをする
「折角、天ちゃん達と会ったんだから遊びてーよー!なー金蝉ッ」
「……勝手にしろッ 俺はヒマじゃねぇんだ。仕事のジャマした奴から締め上げるぞ!!」
椅子に座り書類を書き出す金蝉を他所に四人で何して遊ぶかの話で盛り上がる
「…じゃあ何して遊ぶんですか 悟空?」
「ドロケイか?チャンバラか?」
「うーんとね、この間 倉庫でバットとボールみつけたんだ」
「野球ですか。いいですねー」
「野球……そう言われたら訓練でしてましたね」
「任せろよ。天界のイチローとはこの俺様の事だ」
「誰ですかイチローって…」
「じゃあ俺投げるッ」
「僕キャッチャーですね」
「では私は観客を」
「おーし来いッ!!」
ボールを持った悟空が勢いよく投げるとそのまま金蝉の元へ飛んでいき、使っていたインクボトルに命中
「──!!」
「あ、悪。」
「金蝉ーーーボールパスパスー!!」
「……てめぇら……」
「投げてくださいよ!こんぜーん」
全く悪びれた様子のない三人。秋霖に至ってた煽りまで入れている…飛んできたボールを握り絞めながらわなわなと震える金蝉
「ブッ殺す!!」
「わ、スゲッ」
「余裕っしょ!!」
「あ」
「ありゃりゃ」
そのまま思いっきり投げあボールを捲簾が思いっきり振ったバットに命中。
そしてそのまま…
ガシャン…
「あーー いけないんだーー」
大きな音を立てて窓ガラスが粉々に割れてしまった…
「捲簾が打ち返したのが悪いんだろォが!!」
「てめ 打ってくれと言わんばかりだったじゃねぇかよ!?っつーか 元はと言えばこの猿が野球やろうなんざ」
「アッ ヒデーー!!自分だって楽しそうに」
「うるせっ」
「ぷっ!あははははっ!!」
くだらないことで喧嘩を始めた二人に笑い出す秋霖
天蓬はそんな様子を割れた窓から流れてくる風に当たりながら呟く
「…ま アレですね『仲良き事は美しきかな。』」
「あっいいですねぇそれ」
「ねぇよ」
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