— RELOAD —
十一輪
「ドッペルゲンガーって知ってます?」
「サイレンとかがファンファンってなる…」
「それ違う」
「…それはドップラー効果だ」
「アレだろ?自分にクリソツな奴がこの世に三人いるってゆー」
「そのソックリさんに会うと、死んじゃうらしいですよ」
「へー、どっちが?」
「そりゃお前……あれ、どっちが死ぬんだ?」
「そう言われたらどっちだっけ?」
「…ふん、くだらねぇ」
──────────────────────
「……どう思います?」
「どうって……何が?」
「この状況がです。」
今日も今日とて妖怪の一群と対峙する三蔵一行。
「うおおおぉ!!はぶッ」
「ま、アレだ。最近とにかく節操ねーーよな」
「ぶへッ!!」
「確かに。あっクロダメだよ!ぺっしてぺ!」
「そうなんですよねぇ。行く先々この調子で」
「ご」
言われて見ればここ数日の襲撃の仕方には少しばかり違和感がある。
「なんかさァコイツらッ『おたずね者の三蔵一行』とか言うじゃん…と。」
「がっ…」
悟空の背後に迫っていた妖怪を三蔵が撃ち抜く。
「──確かに、今までは牛魔王の刺客だと名乗る妖怪ばかりだったが…もう無差別だな。その辺のザコどももこぞって来やがる」
「ぎゃうッ」
「俺達ちょー有名人って事ね」
「まあ僕らが嫌われるのも当然の結果ですけどね」
いつもの如く圧勝し、目の前には妖怪の屍の山が出来上がる。
「どっかに手配写真でも貼られてんじゃねーの俺達」
「いやだなぁ。写真映り悪いんですよね僕」
「って言うか勝手に写真撮られてるのやなんだけど」
「あーもームダに腹減ったぁ!!」
「…無駄じゃない時があったか?」
ジープに乗り込むと、西へと走り出した。
そんな一行の近くの岩場で不敵に笑う妖怪──
「──三蔵一行…奴らに正面からぶつかっていったってバカ見るだけだぜ。もっと頭と技を使わなきゃな──俺のように」
─────────────────────
「出発は明日の朝ですよね。悟浄、悟空買い出しの荷物持ち手伝って下さい」
「あっ私も買いたいのあるから途中まで一緒に行く」
買い物に行くため立ち上がった四人の後ろでマルボロの空箱を握りつぶし呼び止める。
「おい。煙草が切れた頼む」
「…あのなァ三蔵サマ?あーーたタマには荷物持ちくらいしたらどーーよ」
「何の為にだ」
「…三蔵言い方」
「~~八戒!!このクソ坊主甘やかしてもロクな事ねぇぞ!!」
悟浄も悟浄で母に言いつける子どものようである。
三蔵は五人の中でも特に我が道を行く人物だ。
本人が行かないと決めればテコでも動かないのは目に見えている。
「まあまあ悟浄。三蔵には三蔵の役割があるんですよ」
「役割って?」
「『良い子はおうちでお留守番』」
「ぎゃはは!」
「……貴様な」
「じゃあ三蔵、行ってきますね」
「お留守番ヨロシク~良い子にしててねん♡」
「ほら悟浄煽らない」
「死ねバカども!!」
近くにあったものを投げつけるも閉められた扉に当たるだけだった。
─────────────────────
大きな町に着いたら行こうと思っていた店があった。
宿の入口でで三人と別れ、ジープとクロを連れて向かった先は薬草屋。店に入れば様々な薬草が瓶に入れられて売られていた。
「すみません。この紙に書かれている薬草が欲しいんですけどありますか?」
「おぉ。どれだい?」
店主に手渡した紙に書かれた物は猛毒や痺れを起こす効果があるものばかり。眉をひそめた後
「……ちょっと待ってな。」
紙を片手に奥へと向かった後、複数の瓶を持ってくる。
「嬢ちゃん。この薬草達がなんなのか分かってるのかい?」
「はい。鳥兜、毒空木、毒芹は猛毒の一種。鳥兜に至っては痺れも起こせる代物。バイケイソウも痺れを起こせますが量を間違えれば致死的な毒性を出せます。石楠花は痺れや呼吸困難を引き起こす。」
一つ一つ瓶を指さして説明をしていく。
「……よく勉強しておるな。ちなみに何に使うつもりだ?」
「しつこいストーカーの撃退に、ですかね。それに使いようによっては全て毒にも薬にもなります。」
「嬢ちゃん」
「はい?」
「そのストーカー、生きて帰れるか?」
「さあ?」
「怖い嬢ちゃんだな。面白い、持っていきなさい」
「ありがとうございます。」
渡された薬草の入った紙袋を受け取りお礼を言って店を後にする。店から出た瞬間、双葉に向かって何かが飛んできた。それをクナイで瞬時に弾き返し軌道の先に目を向ける。
「えっ…私?」
視界に捉えたのは向かいの店の屋根の上に来た時の制服を着ているもう一人自分の姿──
───────────────────
「三蔵!!」
「オイ、これは一体どういう……」
宿にいるはずの三蔵の元に双葉を除く三人が戻ってくる。悟空の声に振り向いた三蔵がギョッと目を開く。
それもそのはず……
「うわホントだ三蔵もふたりいる!!」
「オイどっちが本物だ!?」
「目付きが悪くて意地悪そうな顔が本物に決まってるじゃないですか」
「うーん…じゃこっち?」
三蔵の前は瓜二つ。戻ってきた三人の後ろにも瓜二つの人物をぞろぞろと連れている。
「てめぇら余計なモン引き連れて来てんじゃてねーよ!!」
「あっこっちが本物ですね。」
「あっ!皆いたいた」
間違えられ余計に怒っている三蔵を他所に別行動をしていた双葉が手を振りながら戻ってくる。
しかし、戻ってきた双葉には瓜二つはおらず…
「双葉!!ってあれ?」
「双葉ちゃんの偽物いなくね?」
「ん?ああ。あれなら一撃で倒したよ」
「秒殺かよ!!?」
「だって本物は私だし。皆に負けるならまだしも自分に負けるとかありえないから。って事で偽物でも皆に手を下すのはやだから見守ってるね〜」
「……お前の彼女、本当肝が据わってんな」
「あははは」
遅れて合流したかと思えば、2匹を連れて建物の壁へと行ってしまう。本人は本当に手出しするつもりがないようで観戦に徹底しているようだ。
「よっしゃぁ!俺にまかせ…」
意気込む悟浄を三蔵が足を伸ばして顔面からコケる。
「なァんで邪魔すんだよ、俺は敵を倒そうとだなァ」
「ニセ物だろうとお前にヤられるのだけは我慢ならん なんとなく。」
痛む顔面を抑えながら抗議するも一切悪びれもない様子で返す三蔵。
「……と冗談はその位にしましょうか あちらさんまだまだ本気みたいですから」
見ると、確かにあちらの一行はまだまだやる気満々の様で……
「……フン、ややこしいのは御免だな。どっちが本物かハッキリさせよーぜ」
「……そんじゃ生き残った奴が本物っ!!!」
「ははッいーーねェ判り易くて!!」
「皆頑張れ〜!」
もはや楽しそうに応援までする双葉。
一斉に駆け出し、自分達の生き残りをかける。
「だ…っ……~~あの気功砲ってすっげぇ卑怯だとおもわねぇ!?飛び道具だし当たりデカイしッ」
「それはすみませんねぇ。」
「それ言うなら銃とかクナイなんて激反則じゃねーか卑怯どころの騒ぎじゃ」
悟空のボヤキに便乗した悟浄だったがガウン!!と銃声が鳴り響く。
「どわッ!おいこらクソ坊主!!?」
「悪いな間違えた。」
「〜〜〜お前今の絶対わざとだろ!?」
「クナイと千針が飛んで来なくて良かったな」
「…もしかしたら、僕らを仲違いさせる作戦かもしれませんね」
「そこまで考えてねーだろ。多分」
「首謀者にでも聞いてみるか?……おい隠れて覗いてねぇでそろそろ出てきたらどうだ!?」
三蔵がそう言うと呼び掛けに答えるように物陰から一人の妖怪が出て来る。
「どうだ三蔵一行 俺の式神達の出来映えは!!」
「素敵に悪趣味です」
「本当に!」
「やっぱコイツら式神かよ!!」
「ここ数か月 貴様を追いつづけ全てのデータを収集し、昨日ついに完成した俺の最高傑作だ 力・技・スピード・攻撃パターン…どれも本物と互角!!少なくとも相討ちは免れまい!!!」
その一言に反応を示す一行。
「…そーーかそーーか。それじゃあワケねぇな」
「え?」
悟浄の不敵な笑みと共に各々敵を倒す。
先程までの苦戦が嘘かのような一行に戸惑いう妖怪。
「な…そッ…そんなバカな…!!?負けるわけがない……!!これまでの戦闘パターンを完璧にコピーした筈「それがどうした」
三蔵の声と共に、一最後の敵に向け一発の銃声が鳴り響く。
「今までのデータだか何だか知らねぇが。それって所詮は昨日の俺だろ?」
残ったのは先程まで威張っていた妖怪だけとなった。
その前に立ちはだかると、妖怪は怯え尻餅を着く。
「そ…そんなん屁理屈だぁ!!」
「屁理屈で結構。」
「ようは気持ちの問題ですよね」
「さてと…やっぱり一度は本物の味ってヤツを」
「身体で味わってもらいますか。」
「たーっぷり堪能してね?」
「やっ…はは、それはその」
妖怪の悲鳴が町中に響き渡った──
────────────────
──────────
────
「あーー 面白かったあ」
夕日をバックに荒野を走るジープの中、悟空がそう言うと悟浄が呆れた様子を見せる。
「ま、ネタとしてはありきたりでしたよね。最近やけに視線を感じるなぁと思ってましたけど、あの男だったんですね」
「ああ──いや…」
「三蔵?」
三蔵は珍しく言い淀む素振りを見せる。
「なぁ今気づいたんだけど、さっきの奴らに西に行ってもらえば良かったんでない?」
「「あ…」」
「…その手があったか……」
今更気付いたところで既に遅く五人を乗せたジープは走り続ける。そんな様子を見ていた人物…
「ほぉ、ワシに気付いとったか。流石じゃの」
この怪しげな妖怪に出会うのはまだ先の話──
─────────────────────
「ところでずっと黙ってるけど、どったのあーたは」
先程が何も発さずに何かを考えている双葉に声をかける悟浄。
「……ここ最近お風呂に入ってる時とか着替えてる時とかにも感じた視線ってあいつだったのかなって」
「「「「…………は?」」」」
「ん?」
衝撃的な告白に他四人が同時に声を出すものなので呑気に「仲良いなぁ」なんて呑気を考える双葉を他所に、呆気に囚われていたが慌てて声をあげる。
「まてまてまて!!?何!?双葉ちゃんそれ初耳なんだけど!?」
「双葉それは言わねぇとダメだよ!!」
「いや、感じてからはクロとジープに見張りお願いしてたからいいかなって……」
「よくはねぇだろ。」
そこまで気にしていなかった様子の双葉。
基本自分事になると疎くなくのは今に始まったことではないが…
「……あはははっやっぱり戻ってさっきの妖怪を跡形も無く消してきていいです?」
「あんだけボコボコにしたのに!?」
「双葉ちゃん、さすがに八戒にだけでも言ってた方が良かったと思うぜ?」
運転をしながら黒い笑みを浮かべ本当にUターンしようとする八戒を慌てて止める双葉を見ながら自業自得だなと考えていた三蔵達であった。
「ドッペルゲンガーって知ってます?」
「サイレンとかがファンファンってなる…」
「それ違う」
「…それはドップラー効果だ」
「アレだろ?自分にクリソツな奴がこの世に三人いるってゆー」
「そのソックリさんに会うと、死んじゃうらしいですよ」
「へー、どっちが?」
「そりゃお前……あれ、どっちが死ぬんだ?」
「そう言われたらどっちだっけ?」
「…ふん、くだらねぇ」
──────────────────────
「……どう思います?」
「どうって……何が?」
「この状況がです。」
今日も今日とて妖怪の一群と対峙する三蔵一行。
「うおおおぉ!!はぶッ」
「ま、アレだ。最近とにかく節操ねーーよな」
「ぶへッ!!」
「確かに。あっクロダメだよ!ぺっしてぺ!」
「そうなんですよねぇ。行く先々この調子で」
「ご」
言われて見ればここ数日の襲撃の仕方には少しばかり違和感がある。
「なんかさァコイツらッ『おたずね者の三蔵一行』とか言うじゃん…と。」
「がっ…」
悟空の背後に迫っていた妖怪を三蔵が撃ち抜く。
「──確かに、今までは牛魔王の刺客だと名乗る妖怪ばかりだったが…もう無差別だな。その辺のザコどももこぞって来やがる」
「ぎゃうッ」
「俺達ちょー有名人って事ね」
「まあ僕らが嫌われるのも当然の結果ですけどね」
いつもの如く圧勝し、目の前には妖怪の屍の山が出来上がる。
「どっかに手配写真でも貼られてんじゃねーの俺達」
「いやだなぁ。写真映り悪いんですよね僕」
「って言うか勝手に写真撮られてるのやなんだけど」
「あーもームダに腹減ったぁ!!」
「…無駄じゃない時があったか?」
ジープに乗り込むと、西へと走り出した。
そんな一行の近くの岩場で不敵に笑う妖怪──
「──三蔵一行…奴らに正面からぶつかっていったってバカ見るだけだぜ。もっと頭と技を使わなきゃな──俺のように」
─────────────────────
「出発は明日の朝ですよね。悟浄、悟空買い出しの荷物持ち手伝って下さい」
「あっ私も買いたいのあるから途中まで一緒に行く」
買い物に行くため立ち上がった四人の後ろでマルボロの空箱を握りつぶし呼び止める。
「おい。煙草が切れた頼む」
「…あのなァ三蔵サマ?あーーたタマには荷物持ちくらいしたらどーーよ」
「何の為にだ」
「…三蔵言い方」
「~~八戒!!このクソ坊主甘やかしてもロクな事ねぇぞ!!」
悟浄も悟浄で母に言いつける子どものようである。
三蔵は五人の中でも特に我が道を行く人物だ。
本人が行かないと決めればテコでも動かないのは目に見えている。
「まあまあ悟浄。三蔵には三蔵の役割があるんですよ」
「役割って?」
「『良い子はおうちでお留守番』」
「ぎゃはは!」
「……貴様な」
「じゃあ三蔵、行ってきますね」
「お留守番ヨロシク~良い子にしててねん♡」
「ほら悟浄煽らない」
「死ねバカども!!」
近くにあったものを投げつけるも閉められた扉に当たるだけだった。
─────────────────────
大きな町に着いたら行こうと思っていた店があった。
宿の入口でで三人と別れ、ジープとクロを連れて向かった先は薬草屋。店に入れば様々な薬草が瓶に入れられて売られていた。
「すみません。この紙に書かれている薬草が欲しいんですけどありますか?」
「おぉ。どれだい?」
店主に手渡した紙に書かれた物は猛毒や痺れを起こす効果があるものばかり。眉をひそめた後
「……ちょっと待ってな。」
紙を片手に奥へと向かった後、複数の瓶を持ってくる。
「嬢ちゃん。この薬草達がなんなのか分かってるのかい?」
「はい。鳥兜、毒空木、毒芹は猛毒の一種。鳥兜に至っては痺れも起こせる代物。バイケイソウも痺れを起こせますが量を間違えれば致死的な毒性を出せます。石楠花は痺れや呼吸困難を引き起こす。」
一つ一つ瓶を指さして説明をしていく。
「……よく勉強しておるな。ちなみに何に使うつもりだ?」
「しつこいストーカーの撃退に、ですかね。それに使いようによっては全て毒にも薬にもなります。」
「嬢ちゃん」
「はい?」
「そのストーカー、生きて帰れるか?」
「さあ?」
「怖い嬢ちゃんだな。面白い、持っていきなさい」
「ありがとうございます。」
渡された薬草の入った紙袋を受け取りお礼を言って店を後にする。店から出た瞬間、双葉に向かって何かが飛んできた。それをクナイで瞬時に弾き返し軌道の先に目を向ける。
「えっ…私?」
視界に捉えたのは向かいの店の屋根の上に来た時の制服を着ているもう一人自分の姿──
───────────────────
「三蔵!!」
「オイ、これは一体どういう……」
宿にいるはずの三蔵の元に双葉を除く三人が戻ってくる。悟空の声に振り向いた三蔵がギョッと目を開く。
それもそのはず……
「うわホントだ三蔵もふたりいる!!」
「オイどっちが本物だ!?」
「目付きが悪くて意地悪そうな顔が本物に決まってるじゃないですか」
「うーん…じゃこっち?」
三蔵の前は瓜二つ。戻ってきた三人の後ろにも瓜二つの人物をぞろぞろと連れている。
「てめぇら余計なモン引き連れて来てんじゃてねーよ!!」
「あっこっちが本物ですね。」
「あっ!皆いたいた」
間違えられ余計に怒っている三蔵を他所に別行動をしていた双葉が手を振りながら戻ってくる。
しかし、戻ってきた双葉には瓜二つはおらず…
「双葉!!ってあれ?」
「双葉ちゃんの偽物いなくね?」
「ん?ああ。あれなら一撃で倒したよ」
「秒殺かよ!!?」
「だって本物は私だし。皆に負けるならまだしも自分に負けるとかありえないから。って事で偽物でも皆に手を下すのはやだから見守ってるね〜」
「……お前の彼女、本当肝が据わってんな」
「あははは」
遅れて合流したかと思えば、2匹を連れて建物の壁へと行ってしまう。本人は本当に手出しするつもりがないようで観戦に徹底しているようだ。
「よっしゃぁ!俺にまかせ…」
意気込む悟浄を三蔵が足を伸ばして顔面からコケる。
「なァんで邪魔すんだよ、俺は敵を倒そうとだなァ」
「ニセ物だろうとお前にヤられるのだけは我慢ならん なんとなく。」
痛む顔面を抑えながら抗議するも一切悪びれもない様子で返す三蔵。
「……と冗談はその位にしましょうか あちらさんまだまだ本気みたいですから」
見ると、確かにあちらの一行はまだまだやる気満々の様で……
「……フン、ややこしいのは御免だな。どっちが本物かハッキリさせよーぜ」
「……そんじゃ生き残った奴が本物っ!!!」
「ははッいーーねェ判り易くて!!」
「皆頑張れ〜!」
もはや楽しそうに応援までする双葉。
一斉に駆け出し、自分達の生き残りをかける。
「だ…っ……~~あの気功砲ってすっげぇ卑怯だとおもわねぇ!?飛び道具だし当たりデカイしッ」
「それはすみませんねぇ。」
「それ言うなら銃とかクナイなんて激反則じゃねーか卑怯どころの騒ぎじゃ」
悟空のボヤキに便乗した悟浄だったがガウン!!と銃声が鳴り響く。
「どわッ!おいこらクソ坊主!!?」
「悪いな間違えた。」
「〜〜〜お前今の絶対わざとだろ!?」
「クナイと千針が飛んで来なくて良かったな」
「…もしかしたら、僕らを仲違いさせる作戦かもしれませんね」
「そこまで考えてねーだろ。多分」
「首謀者にでも聞いてみるか?……おい隠れて覗いてねぇでそろそろ出てきたらどうだ!?」
三蔵がそう言うと呼び掛けに答えるように物陰から一人の妖怪が出て来る。
「どうだ三蔵一行 俺の式神達の出来映えは!!」
「素敵に悪趣味です」
「本当に!」
「やっぱコイツら式神かよ!!」
「ここ数か月 貴様を追いつづけ全てのデータを収集し、昨日ついに完成した俺の最高傑作だ 力・技・スピード・攻撃パターン…どれも本物と互角!!少なくとも相討ちは免れまい!!!」
その一言に反応を示す一行。
「…そーーかそーーか。それじゃあワケねぇな」
「え?」
悟浄の不敵な笑みと共に各々敵を倒す。
先程までの苦戦が嘘かのような一行に戸惑いう妖怪。
「な…そッ…そんなバカな…!!?負けるわけがない……!!これまでの戦闘パターンを完璧にコピーした筈「それがどうした」
三蔵の声と共に、一最後の敵に向け一発の銃声が鳴り響く。
「今までのデータだか何だか知らねぇが。それって所詮は昨日の俺だろ?」
残ったのは先程まで威張っていた妖怪だけとなった。
その前に立ちはだかると、妖怪は怯え尻餅を着く。
「そ…そんなん屁理屈だぁ!!」
「屁理屈で結構。」
「ようは気持ちの問題ですよね」
「さてと…やっぱり一度は本物の味ってヤツを」
「身体で味わってもらいますか。」
「たーっぷり堪能してね?」
「やっ…はは、それはその」
妖怪の悲鳴が町中に響き渡った──
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「あーー 面白かったあ」
夕日をバックに荒野を走るジープの中、悟空がそう言うと悟浄が呆れた様子を見せる。
「ま、ネタとしてはありきたりでしたよね。最近やけに視線を感じるなぁと思ってましたけど、あの男だったんですね」
「ああ──いや…」
「三蔵?」
三蔵は珍しく言い淀む素振りを見せる。
「なぁ今気づいたんだけど、さっきの奴らに西に行ってもらえば良かったんでない?」
「「あ…」」
「…その手があったか……」
今更気付いたところで既に遅く五人を乗せたジープは走り続ける。そんな様子を見ていた人物…
「ほぉ、ワシに気付いとったか。流石じゃの」
この怪しげな妖怪に出会うのはまだ先の話──
─────────────────────
「ところでずっと黙ってるけど、どったのあーたは」
先程が何も発さずに何かを考えている双葉に声をかける悟浄。
「……ここ最近お風呂に入ってる時とか着替えてる時とかにも感じた視線ってあいつだったのかなって」
「「「「…………は?」」」」
「ん?」
衝撃的な告白に他四人が同時に声を出すものなので呑気に「仲良いなぁ」なんて呑気を考える双葉を他所に、呆気に囚われていたが慌てて声をあげる。
「まてまてまて!!?何!?双葉ちゃんそれ初耳なんだけど!?」
「双葉それは言わねぇとダメだよ!!」
「いや、感じてからはクロとジープに見張りお願いしてたからいいかなって……」
「よくはねぇだろ。」
そこまで気にしていなかった様子の双葉。
基本自分事になると疎くなくのは今に始まったことではないが…
「……あはははっやっぱり戻ってさっきの妖怪を跡形も無く消してきていいです?」
「あんだけボコボコにしたのに!?」
「双葉ちゃん、さすがに八戒にだけでも言ってた方が良かったと思うぜ?」
運転をしながら黒い笑みを浮かべ本当にUターンしようとする八戒を慌てて止める双葉を見ながら自業自得だなと考えていた三蔵達であった。
