-無印篇-
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その日1人の少女がこの世を去った…
名は林崎 双葉
登校中に子猫を助け車に引かれ死亡した。
そしてその日を境に少女と別世界のとある4人の歯車が重なり合い大きく動き出した…
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光を感じた。
もう感じることがないと思った温かな光…
そう思いまぶたを開けゆっくりと上半身を起こす
目の前に広がるのは王宮のような場所だった――
「…どこ、ここ」
「よぉ。お目覚めか」
自分以外の声に驚きそちらの方へ振り返ると服装が際どいと言うか布の意味をなしていない物を着た女性らしき人物が足を組み自分を見下ろしていた
「露出狂…?」
「誰が露出狂だ。俺は観世音菩薩様だ」
「菩薩…様…」
「色々と気になる事もあるだろうながあんまり時間が無くてな、悪いが単刀直入に言うとお前は先程死んだ。」
「…」
「…その反応からして理解しているようだな」
「はい…」
先程意識が飛ぶ前に感じた今までに感じたことのない痛み、少しずつ薄れて行く真っ赤に染った視界……
そして最後に感じた生暖かい感触、あれは紛れもない私の血だった…
「……話が早くて助かる。お前には話さなくてはいけないことがある、確かにお前は死んだ。しかし何の因果がお前は元から生まれてくる世界を間違えた。…いや正確には何者かによって邪魔されたという方が正しいだろう。」
「どういうことですか?」
「お前と言う存在が生まれていたことはこちらも分かっていたがどこを探しても見つからなかった、それが他の世界に生まれ落ち、ましてや今日死ぬとは誰も予想してない事だった。生命ってのは大体その終わりは決まってるもんだがこっちからするとお前は全てが規格外の様な状態でな、そのままお前に死なれては困るんだよ。お前が居るべきはずだった世界にお前の役割が必要なもんでな…」
「だからこれからお前には生まれるはずだった世界であるもの達と西へ旅をしてもらうことになる。」
「…?それって…生き返るってことですか?」
「まぁそんなところだな。俺は慈愛と慈悲の神だからな、物事は誰しもが平等であるべきだと思ってな。」
「そうですか…菩薩様がそう言うなら従います。」
そこから双葉は観世音にこれから行く世界の事を簡単に教えられた。人間と妖怪。牛魔王。化学と妖術の合成。それらの影響で起こっている「負の波動」。蘇生実験阻止。
「旅をするに当たってお前に渡すものがある」
そう言って渡されたリュックそして菩薩の掌で光りを放つものが2つ
「これはお前の力になってくれる。使いこなせよ」
そう言うと双葉の中へ温かい光を飛ばした
「…ありがとうございます。あの、旅をするという人達はどんな人達なんですか?」
「どんなヤツらかは俺が言うよりお前が見てこい。まぁ強いて言うならぎゃあぎゃあ騒いでうるせぇ4人組の男達どもだ。その中に1人僧侶の金髪頭がいる。そいつにこれを渡せ」
僧侶なのに金髪?と思いながら手渡された手紙を受け取る
「必要な事は教えた。今からアイツらのところまで飛ばしてやるから後はお前の思うようにやれよ。行ってこい双葉。」
そう言われ後ろへ押されそのまま蓮の花が咲く池へと落ちる前に光の中へと吸い込まれるように消えていった
「行かれたのですね、観世音菩薩。」
その光景を隅の方で見ていたお目付け役の二郎神が少し悲しそうな顔で話しかけて来た
「あぁ…」
池の蓮の花を優しくすくい上げ先程の少女を思う。
「誰しもが平等、か…柄にもないことを言うとはな……今度は離れるんじゃねぇぞ… 双葉。」
そう願うように優しく呟いた――