裏切りの堕天使
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当日、おなまーえはめいいっぱいのオシャレをしてライブ会場まで足を運んでいた。髪はドレスアップし、いつもより2倍増しに巻いている。メイクにも気合を入れ、新作の口紅が艶やかに光っている。露出控えめの服だが足の曲線美は惜しげも無く主張していた。8センチのヒールをコツコツと鳴らし、関係者が続々と出入りしている正面から入る。
警備員から繋いでもらい、彼女はマネージャーである円城佳苗に案内してもらっていた。とても美人な女性である。職業柄、波土と体の関係でもあるのかななんて邪推してしまうが、フルフルと頭を振ってそんな考えを追い払った。
「え?まだ曲ができていない?」
「そうなの。だからしばらく1人で考えたいって言ってて1時間くらい前から篭ってて……」
「『ASACA』ですよね。」
「はい。せっかく来てくれたのにすみません。何時になるかはわかりませんが、リハーサルはやると思いますので……」
「わかりました、お気になさらないでください。私待ってますから!」
おなまーえは案内された楽屋でウキウキしながら待機していた。
「はぁー!生波土禄道!もう直ぐ会える〜」
****
アルバムをイヤホンで流し続けること1時間。おなまーえは焦らずのんびりと待機していた。部屋の扉がノックされ、やっとリハーサルが始まるのかと胸を踊らせる。
「はーい!」
「あの、警察の者なんですけど……」
扉をあけると、見たことのある顔がそこにいた。彼は手に手帳を持ってこちらを見ている。
「波土さんの関係者の方でいらっ」
「高木刑事?」
「え?」
高木刑事はジッとおなまーえの顔を見つめる。一生懸命に思い出しているようだ。
「柊おなまーえです。大学院生の。」
「……あっ!プールの時の!」
高木刑事はようやく腑に落ちたような顔をして手を叩く。そして「おなまーえさんもここに来てたんですか」とぼそりと呟いた。
「どうしたんですか?事件ですか?」
「はい、その、殺人事件がありまして」
「あらまぁ……」
「被害者の波土禄道さんの関係者に事情ちょ」
「は?」
おなまーえの顔から一瞬にして笑顔が消える。目からもハイライトが消えた。
「えっと、その……」
「今、なんて言った??」
「ですから事情聴取を…」
「その前!」
「……被害者の波土禄道さん?」
「は?……はぁあああああ!?!?」