ガールズバンド
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「ならやってみろよ!」
「え?」
知らない声がしたため振り向くと、柄の悪い2人がこちらを見てニヤニヤしていた。
「俺のギター貸してやるからよ。携帯のアンプに繋いだから、音はすぐ出るぜ。」
言葉だけ見れば親切だが、意地の悪い言い方だ。サングラスをかけた男がケースからギターを取り出し差し出してきた。
「相手にしなくていいんだよ?園子ちゃん」
おなまーえがそっと耳打ちしたが彼女はおどおどしながらもそれを受け取った。映画を思い出して見様見真似で指を動かしてはいるが、園子とてギターなど触るの初めてなのだ。何もできず途方にくれた顔をした彼女を見て、男たちは気持ち悪い笑い声で笑った。
「ウヒャヒャヒャ」
「なんだできねぇじゃんよォ!」
「弾けねぇのにナマ言ってんじゃねえよ、JKがよぉ!」
園子の目に涙がたまり、おなまーえはいてもたってもいられず彼女をかばうように前に立った。
「なぁ!姉ちゃんもそう思うだろ?」
「よく見たら可愛いな。こんなJKの子守りなんてしてねぇで、俺たちと話そうぜ。」
「………」
おなまーえは黙って男たちを睨みつけていた。楽しい空気から一変、どんよりとした空気になる。それを打ち破ったのは我らが上司、安室だった。彼は「貸して」と言い園子からギターを外す。おなまーえが不安げにそれを見つめた。
安室はギターの弦を横に弾き、ストロークする。続いてズンッズンズンというリズミカルな音を奏でた。
(やばい……かっこいい………)
おなまーえはすこしだけ頬を赤らめた。目を細め口を半開きにアンニュイな雰囲気を纏いながらも、綺麗な音を奏でる彼は一同の目を見張らせた。締めくくりはキュイーンというビブラート音。蘭が思わず拍手をしていた。
「透、うま……」
「少しかじったことがありまして。この子達もちょっと練習すればこれくらい弾けますよ。」
そう言いながらギターを男性に返していた。そして小声で園子に耳打ちする。
「園子さんも、ビッグマウスはほどほどに」
「うん!」
彼女は目に涙を溜めながらも笑顔で頷いた。
「じゃあさ、安室さんバンドに入ってよ!JK+イケメンとかありなんじゃない?」
「それはちょっと、目立つのはあまり……」
「いいんじゃない?透、すっごくかっこよかったよ。」
おなまーえは本心からの言葉を伝えた。このとき、安室が少し口角を上げて目を見開いたのに気づいたのは、コナンだけだった。彼はすぐに表情を元に戻す。
「せっかくのお誘いですが、僕は遠慮します。でもまぁ、練習ぐらいなら見れますよ。これから貸しスタジオ行って少しやって見ます?」
「いいね、それ!」
「やろやろ!」
安室の申し出に、園子も蘭もノリノリだった。おなまーえがすぐに近所の貸しスタジオを検索して2人に見せる。
「ここなんかどう?綺麗そうだけど。」
「プロ仕様って書いてあるからちょっと気が引けちゃうかも……」
「あぁ、じゃあこれは?」
「初心者歓迎って書いてあるからこれならいけそうだね!ね、世良ちゃん!」
「あ、うん、そうだね!」
安室と何か話していた世良は、蘭に話を振られて少し戸惑ったが同意を示した。