純黒の悪夢
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コナンからの返信がないまま、東都水族館に到着した。タイミングを見計らったかのようにジンから連絡が入る。
「ウィ、カルーア。一体何をするの?」
『昨夜キュラソーがヘマしてベルモットが回収に向かったんだが、どうやら記憶喪失になっちまったらしい。』
「あらまぁ……」
『観覧車で発作を起こしたらしいから、その観覧車に爆弾を仕掛けろ。』
「え?脈絡なくない??」
『黙って俺のいう通りに動け、カルーア』
「………わかった」
おなまーえの元にスーツケースを引きずった男が3人やってくる。言われなくてもそれが爆弾であることは明白だった。
『爆弾は下っ端に運ばせた。配置は任せる。』
「りょーかい。随分信用してくれてるのねぇ」
『ハッ、信用、な』
「ん?どうしたの?」
『なんでもねぇ。せいぜいしくじんなよ。』
「はーい」
おなまーえは電話を切った。見上げるは南北に二つある巨大な観覧車。確実に落とすのであれば、主軸にしかけるのがベストだろう。おなまーえは心の中で謝りながら、男たちと共に観覧車に向かった。男たちには設置を任せ、おなまーえは起爆装置の設置に向かう。起爆装置には消火栓を選んだ。
(…………もしものために、設計メモ入れておこう)
爆弾は作り方さえわかれば解除の仕方もわかる。万が一これを解体する人物が現れた時その人がやりやすいようにと、おなまーえは男たちの目を盗んでそっとその紙も中に入れた。
その頃、世界では各国の諜報部員たちが次々と暗殺されていた。彼らの共通点はとある組織に所属しているという点。
「おいおい、どこまで行くつもりだ。猶予は1分と伝えておいた筈だ。」
ここはベルリン。ショートヘアのドイツ人女性を追いかけるのは、拳銃を手に持ったウォッカだった。
「言ったはずよ。私はノックではないと。」
彼女は一貫してノックであることを否定していた。ノックというのは潜入捜査員のこと。女性を挟む様に銀髪の男・ジンが姿を現した。
「じゃあ、白黒つけようじゃないか。なぁ?リースリング。向こう側とこちら側。立場をはっきりとさせよう。お前の他に紛れ込んでいるネズミの名前を吐け。」
彼女の脳裏に浮かぶのは黒髪で白い肌の日本人女性・カルーア。何度か共に仕事をしたことがあり、その際お互いに諜報員であることを明かしていた。そう、2人は親しい間柄であった。リースリングはギリっと唇を噛む。
「さっさと吐いちまえよ。苦しみたくねぇだろ。」
「何度も言わせないで!私はノックじゃない!脅しても無駄よ、ジン!」
「脅し?俺がそんな可愛いことすると思うか?」
「……っ!」
この男が脅しなどしかける手間をするわけがない。つまり情報を聞き出すのはあくまでおまけ。確実にリースリングを仕留める気でいた。
「5……4……3……」
カウントダウンが始まる。リースリングはそばにあった川に向かって走った。ジンとウォッカの銃口はそれを追いかける。
「2……1………ゼロ」
ドンッ
バシャン
頭を撃ち抜かれたリースリングは力なく川に落ちていった。ウォッカが岸に近寄り、確実に動かないことを確認する。ジンはコートを翻して「行くぞ」と声をかけた。
「行くって、どこに……?」
「日本だ」
「まさか……」
「残るは3人」
ジンの口角が上がった。