第11夜 江戸狂乱
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「せんぱーい!」
屋根をつたって飛ぶと、神田とラビの姿が見えた。
すでにマリと神田に
「おお!おなまーえさ!」
「ラビ!久しぶり!」
ラビとはローマの帰りに教団の用水路ですれ違って以来。
懐かしい顔についにやけてしまった。
「ノアは?」
「消えた」
「よかった」
ノアがいないのであればひとまず脅威はない。
と思った矢先、一同に大きな影が覆いかぶさった。
3人は顔を見上げる。
「わー、大きい。何これ?」
「悪魔の融合体みたいなもんさ」
魔導式ボディの融合体など見ていて気持ちの良いものではない。
ぎょろっとした目がこちらを見下ろし、襲いかかってくる。
「ギャオオオオ!!」
かと思いきや、巨大アクマは苦痛の声を上げて動かなくなった。
「何さ?どうしたんさ、こいつ」
「マリの弦に捕まったんだろ。あいつの奏でる旋律はアクマには毒だぜ。」
辺りに荘厳な音が響く。
マリのイノセンス、
「災厄招来『二幻刀』」
六幻が二本になり、二刀流の構えを取った。
タンと軽く蹴り、神田はマリの弦を伝って遥か上空へと登っていく。
「いってらっしゃーい」
「気をつけろ、ユウ!!」
ラビの必死な声がこだまする。
神田は上空に大きく飛び上がり、アクマの頭をしっかりと捉え構えた。
「そいつメチャクチャ硬ぇ――」
そして刀を大きく振り一気に斬りかかる。
「――ぞっ?」
ラビが言い終える前に、神田はアクマを真っ二つに引き裂いた。
圧倒的なそのパワーにラビは顔面を蒼白させる。
自分たちがあんなに苦戦していた相手をこうも簡単に斬りふせるとはとにじみ出ている。
ドォンという激しい音を立てて、巨大なアクマは倒れた。
軽快に神田は屋根に降りる。
「先輩おかえりなさーい」
乱れた彼のマントを、おなまーえがせっせと整える。
「おい貴様」
「は、はいっ!?」
ドスのきいた声にラビがビクリと震えた。
振り返りざまに神田は彼を睨みつける。
「俺のファーストネームを口にするんじゃねェよ。刻むぞ」
「あははっ!」
ラビと神田のやりとりを見たのは一体いつ以来だろうか。
ローマ以降、マリとデイシャと神田以外のエクソシストに会っていないということもあり、まさに感動の再会である。
つい戦場ということも忘れておなまーえはコロコロと笑った。
――ドクン
ハッとして一同は江戸城の方向を見上げた。
他に灯りがないため、少し欠けた月がやけに明るく見える。
城の中心部に黒い球状の塊が見える。
「ラビ、ちょっとじっとしてて」
おなまーえは嫌な予感がし、念のためラビにも
その次の瞬間。
「チョコ・ザイ・ナ♡」
球状の塊が一気に膨らみ、江戸を一気に飲み込んだ。
(っ、しまった…!)
3人に
咄嗟に自分にもかけたが、風圧に耐えられるほどの筋力が出せない。
怪我は無くとも、ここから吹き飛ばされてしまうだろう。
(飛ばされる…っ!)
――パシッ
ふわっと体が浮いた瞬間、おなまーえは何者かに腕を掴まれ抱え込まれた。
確認しようにも風が強いため目を開けられない。
「っ…!!」
シャキンと空気を切る音が聞こえた。
すると風圧が少し弱まりなんとか耐えることができた。
おなまーえが
サポーターもミランダが守ってくれたと信じている。
問題はブックマンと、初めて見る吸血鬼のエクソシスト。
建物すら吹き飛ぶこの破壊力に、手負いの2人が耐えられるとは思えなかった。