純黒の悪夢
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「僕たちを暗殺せず拉致したのは、そのキュラソーとやらの情報が完璧でなかったから。違いますか?」
「……流石だな、バーボン」
安室の冷静な分析に、おなまーえは少し心を落ち着かせた。まだ完全にバレたわけではないようだ。
「ノックリストを盗んだまでは良かったけど、警察に見つかり、逃げる途中で事故を起こした」
「挙句、記憶喪失ときたもんだ」
「……なら、早々にキュラソーを見つけて情報を聞き出せばいいんじゃないのー?」
いつも通り、いつも通りのカルーアを演じればいい。おなまーえの言葉に、キールも便乗してきた。
「そうよ、ジン!我々が本当にノックか、それを確認してからでも遅くはないはずよ!」
「確かにな、だが……」
「「「!!」」」
ジンは立ち上がり、おなまーえもそれにつられて立ち上がらせられる。彼は片手で拳銃を取り出し、おなまーえに口づけをした。
「んっ……!?」
彼女は驚きに目を見開く。2人に視線が集まった。もちろん安室にもしっかりと見られてしまったわけで、怒りや羞恥心で顔に熱がこもるのを感じる。
「疑わしきは罰する。それが俺のやり方だ。」
彼は唇を離すとおなまーえの喉元に無機質な銃口を当てた。
「ヒッ……」
「さぁ、裁きの時間だ。」
ドンッ
鈍い音が響いた。ジンが銃を撃ったのだ。しかしその銃口はおなまーえではなく、キールに向かっていた。
「キール!」
「おら、どうしたキール。続けろよ。手錠を外してんだろ?」
「やめて、ジン!!」
「まだ容疑者の段階で仲間を……!」
「仲間かどうかを断罪するのはお前らじゃない」
フッと彼はタバコを吐き捨てた。おなまーえの髪をグイッと引っ掴む。
「最後に1分だけ猶予をやろう。先に口を開いた奴にだけ、拝ませてやろう。ネズミのくたばる様をな。ウォッカ、カウントしろ。」
おなまーえは縋るような目で安室を見た。自分はいいとしても、安室だけはなんとしてでも守らなくてはならない。
(だって彼は私の、日本の希望なんだもの……!)
意を決して彼女は再び声を上げる。
「ジン、待ってよ。お願い!私は逃げないから!!」
「フッ。ミイラ取りがミイラになりやがって。これでも俺はお前を可愛がってやってた方なんだがな。」
「だったら、私の話も聞いて!まずはキュラソーに」
「だがな俺はモノへの執着はそんなにない方だが、横取りされたとなっちゃあ黙っちゃいねぇ。」
「…ジンっ……!」
カウントダウンは残り10秒を切っていた。
「3……2……1…」
「まずはお前だ」
「ゼロ」
「バーボン!」