霧雨が降る森
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佐久間と望月巡査を見送り、おなまーえは2人に向き合う。
「さてと、今から簡単に3階の奥の部屋掃除するから、シオリさんはできれば手伝って欲しいかな。」
「は、はい」
「コウは部屋の鍵とか確認してから、お風呂沸かしといて。余裕があったら食材を冷蔵庫に入れといてね。あ、私が作るから、入れとくだけでいいよ。」
コクリ
不満そうな顔をしながらも案外素直に頷いた。
「じゃ、シオリさん、行こうか」
2人は3階に上がる。
この階の部屋は滅多に使わないため少し埃っぽい。
「ごめんなさいね、こんな部屋しか用意できなくて。」
「いえ、泊めていただけるだけでもありがたいので……」
指示を出してテキパキと部屋の片付けをこなしていく。あらかた片付き、人が住める程度の綺麗さに戻った頃、掃除の最中チラチラとおなまーえをみていたシオリがとうとう声を発した。
「あのー……」
「なぁに?」
「その、須賀さんとおなまーえさんはご夫婦なんですか?」
「!…ゲホッゲホッ……」
「だ、大丈夫ですか?」
突拍子も無い質問に思わずむせてしまった。
「ケホッ………うん、大丈夫。私とコウはそんな関係じゃ無いよ。」
「すみません、兄弟にしては似てないので、ご夫婦かなぁと。」
「あはは、恋人ですらないよ。……私はそうなりたいんだけどね。」
「!」
今度はシオリが驚く番だった。
「好きなんですか!?」
「しーっ!声でかい!」
ハッとして彼女は口を塞いだ。
「絶対言わないでよ。」
「はい!!」
「まったく……。で?他に気になることは?」
「えっとその、お二人ともここにどのくらいいるのかなって……」
「そうねぇ、ほんとに小さい頃だったからなぁ。でも私よりコウの方が先にここにいたから、コウの方がこの家に詳しいよ。」
「そうですか……」
「あんななりしてるけど、悪い人じゃないよ。」
言い淀んだシオリに苦笑しながらも優しげに話しかける。
「それはわかります。でもさっき怒らせちゃったし……」
「心配なだけだよ。だからむやみに屋敷の外に出ちゃダメだからね。特に森なんて地元の人ですら入らないんだから。」
「はい……」
彼女がことりおばけを知っているかどうかわからない。しかし、好奇心旺盛な彼女のことだ、いつ森に行きたいと言い出すかわからないのに。
(いや………いっそ森に行ってくれた方が…コウと2人きりに戻れるのか。)
「!!」
おなまーえはフルフルと頭を振った。
(何考えてるんだ私。)