霧雨が降る森
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おなまーえはインスタントのコーンスープを作って望月巡査に差し出す。
彼は佐久間の隣に腰をかけて、軽く感謝の言葉を述べるとそっと一口飲んだ。
「それで、なんで中庭に居たんですか?」
おなまーえはなるべく答えやすいところから質問することにした。
「あそこの井戸と森が繋がっていたんだよ。」
「え、森?」
おなまーえの顔が険しくなる。
先ほどの望月の何が起こったのかわからないと言う発言、そして森にいたということ、この2つからある程度状況が読めてきた。
「ことりおばけに、会ったんですね。」
「俺はあってない。だがシオリちゃんがそんなことを言ってて…」
「!!……シオリさん森に行ったんですか!?」
「あ、あぁ。だが、その………突然地面から何か出てきて………消えてしまったんだよ。」
おなまーえは眉間にシワを寄せる。
「もしかして、コウはそれを追いかけに……?」
「そうだ。俺は一旦戻ろうと提案したんだけどな。」
「そうですか……」
悲しげに俯く。
(やっぱりシオリちゃんのことが好きなんだろうな。)
こんな危険な状況なのに、そればかりしか考えられない自身にも嫌気がさしてきた。
シンと沈黙が訪れる中「うぅ」という苦しげな声が聞こえてきた。おなまーえと望月巡査がガバッと体を起こす。
「おい、佐久間!大丈夫か!」
「佐久間ちゃん!」
「………望月、巡査と、おなまーえさん?」
「そうだよ、もう大丈夫だよ。」
佐久間は少しぼーっとしたように2人の顔を見るが、ふと気づいたように目を開けて飛び起きた。
「こら、安静にしてろ!」
「そんなこと言ってる場合じゃないって!森に行くにはどうすればいいの!」
「森は危険だからダメだよ」
「そうじゃなくて!あのお姉さんと管理人がことりおばけに追いかけられてるの!!」
「!!」
おなまーえは弾けたように顔を上げた。
「おなまーえさんならわかるでしょ!教えて!!」
「森に繋がるのは中庭の井戸と、奥の部屋かな……」
「じゃあ俺は中庭を見てくる」
望月巡査が外の井戸を、おなまーえと佐久間が銀の鍵の部屋の井戸を確認しに行くことになった。
「おなまーえさん!奥の部屋案内して!!」
「わ、わかった!」