霧雨が降る森
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「……しぃ、ちゃん…………」
息が止まるかと思った。おなまーえは壁を一枚挟んでロビーでその言葉を聞いた。
佐久間に制服を返すだとか、こんなことしてる暇はないだとか、色々な思考が頭をよぎっていたが、それを全て吹き飛ばしてしまうような衝撃。
自分が大好きな彼が初めて言葉を発したのだ。しかし彼が呼んだ名前は自分ではない。
嬉しさよりも、嫉妬の感情がまさった。
「須賀くん!声が……!」
シオリの驚いたような声が聞こえる。
詳しい話は聞いていないが、2人は力を合わせてことりおばけを退治したらしい。おなまーえと須賀ではできなかったこと。シオリがいたからこそできたこと。つまり、須賀の声を取り戻したのは、シオリなのだ。
「………なぁに、須賀くん?」
「…………」
「顔真っ赤。………なぁに?」
ここにいたくないと、聞きたくないと、心が叫んでいた。物音を立てないように、震える体と制服を強く抱きしめる。
少しして「またメモ!」というシオリの呆れた声が聞こえた。
「うん………私も、話したいことがあるんだ。須賀くん。」
パサッ
「「!!」」
つい制服を床に落としてしまった。その音でシオリと須賀がこちらに気づく。
「おなまーえさん!あのね!須賀くんの声が…!」
「あ、の、その……」
「あれ?どうしたの?」
「…………ごめんっ……!!」
逃げるように走って外に出た。
ハッピーエンド→バイクで聞き込みしたルート
バットエンド→徒歩で聞き込みしたルート