霧雨が降る森
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やっとの思いで資料館につく。
びっしょり濡れた服を脱いでタオルを取りに行こうとした時、窓の外で何かが動いているのを見つけた。
恐怖を感じながらもそっと近づくと、窓際で望月巡査が右往左往しているのが見えた。その胸には佐久間が抱きかかえられている。
「望月さん!佐久間ちゃん!」
「おなまーえちゃん!よかった!!」
窓越しに話しかけた。望月巡査は中庭に閉じ込められていたようで、酷く安心したような顔をした。しかし反対におなまーえの顔はひきつる。
「な、何ですかその血!!」
佐久間の制服には血がこびりついていた。ただならぬ状況に急いで中庭に続く扉の鍵を開ける。
「とにかく中へ!!」
おなまーえは2人をロビーに案内させると、一先ず3人分のタオルを持ってきて望月巡査に一枚渡す。
佐久間もびっしょりと濡れていて肌がとても冷たかった。
「望月さん!佐久間ちゃんの服を脱がすのでできればあっち向いててください!」
「そうだな、頼む。」
濡れた服のままではいけないとおなまーえは制服を脱がす。
一通り確認するがどこも出血はしていなかった。しかし何かで強く締め付けられたような圧迫痕は多く見受けられる。
佐久間の意識は戻らない。
「すみません、今タオルで包んだのでお風呂場まで運んでくれませんか!」
「わかった!もう大丈夫だな?」
様子を伺うように望月巡査は振り返り、佐久間を抱き上げて浴室に向かう。
浴槽の中にそっと下ろしてもらうと、おなまーえはお湯を注ぎ込んだ。
「おなまーえちゃんがいてくれて助かった。」
心配そうに佐久間を見つめる望月が呟いた。
「いえ………。痣以外の怪我はありませんでした。でも、その痣がなんだか締め付けられたみたいなやつで……、一体何があったんですか?」
おなまーえは制服を洗濯機に入れながら問いかける。
望月は言うのを躊躇っているようだった。
「その、まだオレも何が起こったか分かってないんだ……」
「…………わかりました。とりあえず佐久間ちゃんを引き上げます。あ、拭くのは私やりますよ。」
適度に温まった佐久間にタオルを押し当て水分を取っていく。仕上げにおなまーえのジャージを着させて、望月がそれを運びロビーのソファに横たわらせた。