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【あてんしょん】
デュラララ夢を書こうとして諦めたやつの供養です!
中途半端に終わります。
続きを書くつもりはありません。
それでもいいよーという方のみ、どうぞ。
あと苗字も変換してくださいね!
↓
池袋。
それは東京都豊島区に属する、池袋駅を中心とする副都心。
池袋は新宿・渋谷と並ぶ山手3大副都心の一つで池袋駅の一日平均乗降者数は約271万人。
オフィスや観光地はそれなりに。
アニメグッツの専門店が軒を連ねる、都内有数の混沌とした街だ。
もちろんそこに集まる人も千差万別、十人十色。
マトモな常識人もいれば、人でなしもいたり、常人とは異なる能力の持ち主もいたり、人でないものもいたり。
「待って!俺が悪かったから!お願いだから戻ってきてよ!!」
「だから、私とあなたは付き合ってたわけじゃないって何度も言ってるでしょー!」
そしてこの逃げ回る女性もまた、人とは異なる感性の持ち主。
「もー!しつこーーい!」
説明しよう!
私はみょーじおなまーえ。
この池袋を主に根城にしている、いわゆるヤリマンである。
え?自分で言うかって?
まぁ、別に隠してることでもないし、私のこと知ってる人は大体私の生態も知ってるし、今更恥ずかしがることは何もない。
あ、せめてオブラートに包もうか。
読者の皆さんがそういうのに耐性がないかもしれないしね!
うーん、そうだなぁ…
あ、ドタチンに尻軽女って言われた!
尻軽って響きイイネ!
なんかダイエットに成功した女性みたいな感じで!
よーし、じゃあ今から私は自信を持って「私は尻軽女です!」って名のろ。
そしたらこういう勘違い男も少なくなると…いいかなぁ。
ところで『ドタチン』ってあだ名、ちょっとエッチだよね。
男はいまだにおなまーえを追いかけてくる。
2日前にほんのちょっと遊んだだけの、いわゆる一夜限りの関係のつもりだった。
朝、男より早く目を覚まして、ホテル代も払わずに出ていったのは悪かったと思ってる。
でもまさか2日も経ってまだ池袋にいるだなんて、加えて付き合った気になってただなんて。
(まさかあんな地雷男だったなんて、私も見る目ないなぁ)
自身の観察眼の甘さにほとほと呆れる。
自分の蒔いた種だから誰かに助けを求めるのも憚られる。
(あーん、こんなことなら新作のリップとか買いに来るんじゃなかったなぁ。大人しく家で録画した昼ドラでも見てればよかったー。)
逃げてる最中も自身の行いに対する反省の色はゼロ。
次はもっと都合の良い男を見つけなきゃと息巻く始末。
これがこの街随一のビッチ・みょーじおなまーえの生態である。
「待って!君は僕の運命の人なんだ!!」
「そんな運命、ドブネズミにでも食わしといて!第一あんたの仮性包茎じゃ私全然楽しめなかったしー!」
「なっ!!」
そう。
この男とは楽しめなかったのである。
そもそもおなまーえのお眼鏡に叶えば、むしろ彼女の方から連絡がいく。
間違っても放置して先にホテルを出るなんてことはしない。
体が良い、テクニックが良い、気遣いが良い。
評価項目は多岐に渡るが、最終的なジャッジはおなまーえが楽しめたか否か。
この男相手では楽しめなかった。
その時点でもう既におなまーえの眼中にはないのだ。
アウトオブ眼中なのである。
「っ、はっ、なんなのあの体力」
走って振り切ることは不可能。
大通りから一本外れるくらいでは彼のことは撒けないようだ。
(あんまり裏通りは通りたくないんだけど、なっ!)
おなまーえは、程よく肉のついた足の方角を90度変えて、裏道へと走り出した。
「何か悩みでもあるの?」と親切な人は尋ねてくれる。
こんなにも不特定多数と身体の関係を持つなんて、彼らの頭の中では異常で不条理なことなのだろう。
男に嬲られ、好き勝手される彼女が可哀想だとかなんとか。
でも残念ながら、そんな高尚な考えの方々にはみょーじおなまーえという人物を理解することはできないだろう。
だって彼女は純度100%でこの生活を楽しんでいる。
この自堕落的で、卑猥な生き方を、自分自身でリスペクトしているのだ。
彼女自身がこの生活を気に入っているのだ。
暗い過去などない。
強いて言うなら高校時代に、とある男の計らいで複数人に犯されたことがあったが、それがきっかけで性に目覚めたのだからその男には感謝しかない。
「あれ?おなまーえじゃん」
「臨也!ちょうど良かった!」
裏路地はあまり好きではないのだが、神様の気まぐれだろうか、ちょうど例の感謝すべき男が目の前に現れた。
彼の腕を引き、また一つ細い路地に入る。
無理やり壁ドンの態勢を作らせて顔を隠せば、見知らぬ男女の盛りのように見えなくもない。
他人を装い、おなまーえは男が通り過ぎるのを待つ。
「また男に追われてるの?」
「しっ!今回は珍しくしつこいんだって」
「ふーん」
男も利用されることには特段何も思っていない様子。
彼こそ「レイプされた女の顔を見てみたい」という理由だけで目の前の女を犯すように仕向けた張本人・折原臨也なのである。
「おなまーえ!おなまーえ…!」
男は彼女に気がつかずに去っていった。
わずか3メートルの距離で気がつかないなんて、安っぽい運命もあったものだ。
「ふぅ。助かった」
「あの男は?」
「佐久間英夫、36歳。結婚生活12年で妻子持ち。奥さんとは8年セックスレス。なのに子供は6歳。勤め先は矢霧製薬の営業部。」
「ステータスはどうでもいいんだけど」
「…見ての通り、単に私がチョイスミスしただけって話。次はもっと上手くやるよ。」
「せいぜいその弱いおつむがちっとは成長することを願うよ」
「胸は成長したんだけどねー」
「胸だけは、だろ。今回の件は貸しね。」
「さーんきゅ」
みょーじおなまーえは手慣れた様子で折原臨也の腕に絡みつく。
臨也と歩くのも久しぶりだな、と考えたところで、彼女はふと思い出す。
そう言えばこの男の行動範囲はほぼほぼ新宿だったはず。
この街には天敵の平和島静雄がいるということもあり、よっぽどの予定がなければ彼はこの街には来ない。
「臨也、何しに来たの?」
おなまーえが顔を傾ければ、臨也はやれやれと首を振った。
「ようやくそこに至ったか」
「そうやって人のことバカにしてるといつか痛い目見るよ」
「どうだろうねぇ」
「で?何しに来たの?」
「やけに食い下がるね?何かあったの?」
「別に臨也がなんのためにどこにいようが関係ないんだけど、なんとなく、嫌な予感がするから」
背すじがぞわぞわとする感覚。
ベテラン刑事がここぞという時に発揮する、危機回避力。
アマゾンのシマウマが突如一斉に走り出す時のような、野生の勘。
あ、ちがった。
アマゾンじゃなくてサバンナだ。
まぁとにかく、そんなものが彼女に浮かんでいた。
「……そういうたまに鋭いところ、野性味あふれてて人間離れしてるよね。理性の外れた淫獣のくせに。」
「私の理性が外れてる理由の70%くらいは臨也のせい。っていうか、もはや理性外れてるのがデフォ。」
「知ってる知ってる」
「で、何しに来たの」
「しつこいなぁ」
いつもならちょっと話が逸れればはぐらかすことなんて簡単だったのに、今日はやけに食いつく。
それ程までに彼女は警戒心を露わにしているのだ。
やはり獣という表現は間違えていないだろう。
折原臨也は再び肩をすくめた。
2人は大通りから一本外れた道に戻ってきた。
「人に会いに来たんだよ」
「人?」
「まぁいずれ君のことも紹介するつもりだったから、一緒に行こうか」
「む?良い男の紹介?それともハニトラ的なお仕事?」
「どっちでもない。というか逆。絶対手を出すなって男。」
「なにそれつまんなーい」
「俺にとっては退屈しない男だよ」
「うわ、今の発言ホモっぽい」
「ハイハイ」
臨也はピタリと足を止めた。
必然的におなまーえの足も止まる。
「みーっけ」
「お、会いたい人?え、誰誰?」
臨也の視線の先に目をやる。
見慣れた制服に身を包んだ少年2人が、家政婦のようにこっそりと建物の陰から何かを除いている。
(あれ?紀田くん?)
うち1人は見覚えがある黄色の髪色だった。
彼らの視線を辿ると、まさにテンプレというようなイジメが駐車場で繰り広げられていた。
気の弱そうな女の子が、女3人と男1人に囲まれている。
臨也はおなまーえの腕をやんわり解くと、ゆったりとした足取りで黒髪の少年に近づく。
「イジメ?」
「え?」
「やめさせに行くつもりなんだ?」
「…え?」
少年と臨也は面識がないようで、彼はひどく驚いていた。
おなまーえは臨也の後ろからひょこりと顔を出す。
「いいねー。さしずめシンデレラを救う王子様ってところ?」
「えっと…」
「…ふっ」
「あ、あの…」
折原臨也は少年の肩を抱いて歩き出した。
おなまーえからして見れば、少年と少女、どちらがイジメられているのかわからない。
「ちょ…」
「大丈夫」
その2人を追いかけようとした金髪の少年・紀田正臣をおなまーえが引き止めた。
「偶然通りがかっただけで、悪いようにはならないと思うから、ね?」
「…おなまーえさん」
ひとつ、嘘をついた。
臨也がわざわざ会いに来る少年とはいかほどなものなのか。
どこからどう見ても普通の少年だが、内に秘められている本能はどれほど甘美なものなのか。
少年の本性を引き出せるのはこの街で折原臨也だけだろう。
おなまーえには興味のないことだが。
「心配?」
「…いえ」
「安心して!また何かあったら私がキチンと臨也のこと叱っとくから!」
「何かあった後じゃ遅いんですけど…」
――カシャン
臨也が囲いの女の子の携帯を地面に叩きつけた。
「あははっ!あははははっ!あははは!」
突如現れた端正な顔の男が、自分の携帯を踏み潰しながら狂ったように笑う様を見るのは、いったいどのような気持ちなのか。
(まぁ一言で言うなら、困惑だよねー。あ、やば。ネイル剥がれてる。)
指先のネイルが少し剥がれてきてしまった。
さっき路地裏で臨也を誘拐した時、ビルの壁に引っ掛けてしまったのだろう。
「あはは…」
ピタリと臨也は動きを止めた。
笑いも突然止まる。
「……飽きちゃった。携帯を踏み潰す趣味は、もうやめよう。」
なんの脈略もなく彼はそう言い放つ。
おなまーえと臨也は、IQこそ違えど、その脈絡の無さは互いに似ている。
当人は至って筋の通った理論を並べているつもりなのだが、他人が理解できる思考回路ではないのである。
「覚えてろよ」なんてステキなセリフを残して逃げ去っていくいじめっ子達を見送り、おなまーえは大きなあくびをした。
****
「いやぁ、本当に偉いよね。イジメられてる子を助けようとするなんて。」
「うんうん。ちょっとポイント高いよ、少年。」
花壇に腰をかける臨也に寄りかかる形で、おなまーえは彼の隣に座る。
「久しぶりだね。紀田正臣くん。」
「あ、どうも」
「その制服、来良学園だね」
「入学おめでとーう!」
「ええ、おかげさまで」
パチパチと手を叩く。
これで紀田くんもおなまーえと臨也の後輩になった。
いつになっても後輩というものは可愛い。それが自分を慕ってくれているのなら(この際、紀田少年が本当におなまーえを慕っているかどうかは別として)、とてもとても嬉しいものだ。
今度露西亜寿司でも奢ってあげよう。
「珍しいっすね。臨也さんが池袋に来るなんて。」
「あ、こいつはただの俺の友達っす」
「ふーん、俺は折原臨也。よろしく。」
「みょーじおなまーえ!」
おなまーえは少年の手をぎゅっと握った。
ウブなのか、彼は赤面しておなまーえの小さめの手を握り返す。
「りゅ、竜ヶ峰帝人です」
「ふっふふっ。エアコンみたいな名前だね。」
【以上です!!!!】
以下、入れたかった会話。
「あ、なんだっけ?"ぱくるツール"みたいな…」
「パルクールね」
「そう、それそれ」
臨也夢な。
書きたかったな。
けど、デュラララって『同時刻でいろんな場所で事件が起きてて、それが全て一つの物事を動かす歯車になってる』っていう物語の書き方だから、夢にしにくいんです。
ひとえに私の力不足です。
すみません。
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