2戦目
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深夜。
蒸し暑い夜だった。
姉と隣に敷かれた布団。
おなまーえは布の擦れる音にすら注意を払ってそっと寝床を抜け出した。
――カタン
締め切られた納屋の扉を開ける。
わずかな隙間に体を滑り込ませ、音も立てずに静かに閉める。
「佳主馬」
「……本当に来たんだ」
シュミレーター相手のバトルを強制終了させ、佳主馬はくるりとこちらを振り向く。
「ぁ…」
そのアンニュイな仕草におなまーえの体が疼く。
これからすることに不安と期待を抱きながら、おなまーえは呆然と立ち竦んでいた。
「……まぁ座んなよ」
「うん」
促されるまま、おなまーえは定位置に腰を下ろす。
先程おなまーえの持ってきた座布団がそのままそこに置かれていた。
埃っぽかった床は綺麗に掃除されていた。
「…そんなに見るからに緊張されると、こっちも緊張してくるんだけど」
「か、佳主馬は平気なわけ?」
「…別に」
嘘だ。
さっきから落ち着きがない。
指をトントンと叩く仕草をして、気を紛らわそうとしているのはお見通しだ。
(……よし)
おなまーえは意を決して、体を起こす。
佳主馬の肩を掴み、思い切り体重をかけて組み敷いた。
「どうした、の…!?」
「さっきのお返し」
おなまーえの軽い体は、佳主馬の筋肉質な胸に抱きとめられる。
そのまま思い切り背伸びをして、彼のサラサラした頬に口づけを落とす。
「っ」
「仕返し、なった?」
四つん這いで佳主馬に覆いかぶさり、舌なめずりをするおなまーえ。
佳主馬の視点から見ると、キャミソールの緩い胸元の奥が丸見えで、ほんのりピンクに染まった頂きが丸見えだ。
4年前の、まだ一緒に風呂に入っていた頃とは随分変化した体つきに、男の本能が反応しないわけがない。
「ああ、もう…!」
蠱惑的な笑みと挑発的な誘いに、彼の理性は限界だった。
「あまりそういうことされるとさ、我慢できなくなるんだけど」
「い、いいよ。しなくて」
「っ…」
ふわりと広がる、おなまーえの甘い香りに脳髄を焼かれる。
同じ風呂、同じシャンプー、同じボディーソープを使っているというのに、どうしてこんなにいい匂いがするのだろうか。
「嫌だって言われても、もう聞けないからね」
「うん…」
脇を抱えられ、攻勢が逆転した。
これが欲目というやつなのだろうか。
少年でも青年でもない佳主馬が、目を細めて唇を半開きにしている。
その爽やかな色気に、体の温度が上がる。
キャミソールの心もとない肩紐がゆっくりと降ろされる。
まだ女になっていないおなまーえの身体に欲情している。
その字面だけでも彼女の気持ちは昂り、濡れていった。
鈴虫の鳴き始める頃。
みんなが寝静まり、けれど誰がいつ起きてくるかなんてわからないから、精一杯声を我慢する。
二畳もないほどの狭い納屋の中。
布団なんて立派なものはなくて、硬い床に気持ちばかりの座布団を敷いただけの簡素な造り。
熱気も篭り、上がった息が部屋の温度を上昇させていく。
素肌と素肌がこすりあう感覚が艶かしくて、でも好きな人と繋がれたことが嬉しくて、おなまーえは何度でも彼に手を伸ばす。
それを握り返し、少年は己の欲のままに体を動かす。
篠原おなまーえ、14歳。
この夏、彼女は処女を失った。
++++++
穏やかな朝日が少女を包み込む。
柔らかい布団が、少しひんやりした外気とは異なって、暖かくて心地よい。
「……朝」
隣には姉が大の字になって寝ている。
おなまーえは眠たげに目をこすり、意識を覚醒させる。
「ん…」
体を起こそうとして、下半身がズキズキと痛むことに気がつく。
股の間には妙な違和感も残っていた。
「……本当にやっちゃったんだ、私」
昨夜の出来事を思い返し、おなまーえは頬を真っ赤に染めた。
【続】