弐
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神経障害。
医者に診てもらったとき、おなまーえはそう診断された。
どうやら神経の伝達がうまくいかず、体の痛覚・温度センサー・触覚に至るまで、全ての感覚が脳に伝達されないらしい。
だから怪我をしても気がつかないし、筋肉痛も感じたことはない。
寒暖を煩わしく思ったこともないし、人に肩を叩かれても気がつかなかったりする。
ゆっくりと肌を撫でれば感じないこともないが、日常生活でそんな機会は滅多になく、みょーじおなまーえは普段触覚をあてにせず過ごしていた。
痛みを感じないと言うことは、体の限界がわからないということ。
人間は痛みを伴うことで、自らの行動に制限をかける。
疲労も同様だ。
それが感じられないおなまーえは、己の体力を全て使い切ってから、突然電池が切れたように倒れる。
痛みや疲労を感じないとは言っても、体は普通の人と同様に悲鳴を上げているからである。
そして人体の限界を超えた瞬間に、プツリと意識を失うのである。
だから彼女は人一倍、己の体力の残存値には気を配っていた。
このくらい動いたら己の体力はどれほど減るのか。
どのくらいの傷を負ったら致命傷なのか。
どれほどの力で触られたら相手に不快感を与えないのか。
色々と思考錯誤をして、彼女は普通の人と同じように生活を送っていたのである。
だが試練中のあの七日間はほぼ不眠不休でおなまーえは鬼を滅殺していた。
通常の受験者の退治する倍の数を相手に、刃こぼれした刀の攻撃力を補うように無茶な動きをしたりもした。
そのせいで体力の残存値を見誤り、彼女の体は限界を迎えてしまったのである。
【続】