#03 シュガーとスパイスを少々






『創造主（クリエイター）』にとって、作品は魂の切り売りである。
自らの想像力を、己の知識をこき下ろして、その結果に生まれるのが作品と呼ばれる血と汗と涙の結晶だ。



だが往々にして、創造主の作りたいものとファンの期待は隔絶されてしまう。
実のところ、創造主の作りたいものと作るべきものは別なのである。






清楚系アイドルが暴言を吐いて失望した。
好きだった画家の新作にも期待していたが、大したことがなかった。
いつまでたっても作家が作品の更新をしてくれない。



誰しもそんな経験の一つや二つ、あるだろう。






期待外れの作品が仕上がると「このクリエイターもここまでか」と簡単に見切りをつけてしまうのである。
だからこそ、創造主はファンの期待に応えられるように腕を磨く。






あるいは、創造主よりファンの方がみんなの期待通りのモノを作ることがある。



――だからこそ、二次創作なんてものが流行るのだろう？