【第1章】夢のようなひと
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8日目。
久しぶりに、ひとりになった。
今はもう太陽が高いのに、不思議と私は昨日の夜から1食も食べていない。
食べる気もしなかった。
何もしたくない。
音楽も、何も聞こえない。
庭の花も見たくない。
今の私には、何もない。
真っ白だ。
いや、もしかしたら本当はもっと早くからこうなっていたのかもしれない。
私が無気力にならなかったのは、あの日皆と出会えたからなんだ。
世界が終わりそうなこの状況で、私はとても幸せだった。
今からたくさん楽しいことが起きるんだって、そんな感覚さえあった。
初めから、期間限定だったのに。
わかってたつもりで、だから、その「終わり」が早く来ちゃっただけ。
でもこの数日が、私の今までの中でとても輝いていた。
何かが変わっていくような感覚。
初めての、感覚。
私は自然と頭の中に、Vの姿を思い描いていた。
そしてそっと、数日なのに、それなりに書き込まれた自分の日記を最初から読み返し始める。
「すまないことをした。俺も、ここがいいと思ったんだ」
初めて出逢った日。
Vはお店の前に野宿しようとしていて、私はそれが、父のお店を汚されているようですごく不快だった。
すぐには謝ってくれなくて、それも嫌だった。
「アリアと言ったな。きっと、お前の方がよっぽどまっすぐで美しい」
男の人に、初めて美しいなんて言われた。
私がこのお店に留まる理由。
お互いに「大切なもの」があったから、認めて許してくれた。
「お前の父は、いい趣味を持っていたんだな」
Vは、私の父のことも気にかけてくれた。
「アリア自身が気に入った曲も、聴いてみたいものだ」
同時に、私の感性に興味を持ってくれた。
私まだ、Vに紹介してない。
今から急いで探して見つけても、もう聴いてくれないかな。
「初めて出逢ったからな…ひとの趣味にこんなに理解を示す人間に」
目が覚めてしまった夜。
月明かりに照らされるVは、まるで夢の世界の住人みたいだった。
もっとあなたのことを知りたいって、私が言いたいこと、Vはわかってくれたのに。
今まで私にくれた言葉、仕草、表情。
全部、私が勝手に舞い上がって、嬉しくなってただけなの?
Vは違った?
たとえVが私と同じ気持ちじゃなかったとしても、私は…。
「V…会いたいよ…」
瞳から自然と、涙が溢れる。
Vに会って、もしこれで「さよなら」ならちゃんと私の言葉で「ありがとう」って言いたい。
それで、Vは何も言ってくれなくていい。
ただ聞いて、そうして微笑んでくれればいい。
それだけで、いいから。
「…V…っ…」
Vの穏やかな表情を思い浮かべたら、益々目の奥が熱くなってしまう。
鳥くん。
今、私、やっとわかった。
これが「好き」ってことなんだね。
私、Vが好きなんだ。
知らない間に、こんなに。
まだ、間に合うかな。
間に合ってほしい。
私はVに、ただ言いたいことがある。
早く追いかけなくちゃ。
そう思って、今が何時だとか考えることもなく、お店を飛び出した。
end.
久しぶりに、ひとりになった。
今はもう太陽が高いのに、不思議と私は昨日の夜から1食も食べていない。
食べる気もしなかった。
何もしたくない。
音楽も、何も聞こえない。
庭の花も見たくない。
今の私には、何もない。
真っ白だ。
いや、もしかしたら本当はもっと早くからこうなっていたのかもしれない。
私が無気力にならなかったのは、あの日皆と出会えたからなんだ。
世界が終わりそうなこの状況で、私はとても幸せだった。
今からたくさん楽しいことが起きるんだって、そんな感覚さえあった。
初めから、期間限定だったのに。
わかってたつもりで、だから、その「終わり」が早く来ちゃっただけ。
でもこの数日が、私の今までの中でとても輝いていた。
何かが変わっていくような感覚。
初めての、感覚。
私は自然と頭の中に、Vの姿を思い描いていた。
そしてそっと、数日なのに、それなりに書き込まれた自分の日記を最初から読み返し始める。
「すまないことをした。俺も、ここがいいと思ったんだ」
初めて出逢った日。
Vはお店の前に野宿しようとしていて、私はそれが、父のお店を汚されているようですごく不快だった。
すぐには謝ってくれなくて、それも嫌だった。
「アリアと言ったな。きっと、お前の方がよっぽどまっすぐで美しい」
男の人に、初めて美しいなんて言われた。
私がこのお店に留まる理由。
お互いに「大切なもの」があったから、認めて許してくれた。
「お前の父は、いい趣味を持っていたんだな」
Vは、私の父のことも気にかけてくれた。
「アリア自身が気に入った曲も、聴いてみたいものだ」
同時に、私の感性に興味を持ってくれた。
私まだ、Vに紹介してない。
今から急いで探して見つけても、もう聴いてくれないかな。
「初めて出逢ったからな…ひとの趣味にこんなに理解を示す人間に」
目が覚めてしまった夜。
月明かりに照らされるVは、まるで夢の世界の住人みたいだった。
もっとあなたのことを知りたいって、私が言いたいこと、Vはわかってくれたのに。
今まで私にくれた言葉、仕草、表情。
全部、私が勝手に舞い上がって、嬉しくなってただけなの?
Vは違った?
たとえVが私と同じ気持ちじゃなかったとしても、私は…。
「V…会いたいよ…」
瞳から自然と、涙が溢れる。
Vに会って、もしこれで「さよなら」ならちゃんと私の言葉で「ありがとう」って言いたい。
それで、Vは何も言ってくれなくていい。
ただ聞いて、そうして微笑んでくれればいい。
それだけで、いいから。
「…V…っ…」
Vの穏やかな表情を思い浮かべたら、益々目の奥が熱くなってしまう。
鳥くん。
今、私、やっとわかった。
これが「好き」ってことなんだね。
私、Vが好きなんだ。
知らない間に、こんなに。
まだ、間に合うかな。
間に合ってほしい。
私はVに、ただ言いたいことがある。
早く追いかけなくちゃ。
そう思って、今が何時だとか考えることもなく、お店を飛び出した。
end.