Charlotte
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木陰で休憩がてら3人並んで寝転がっていると、お日様が眩しく葉の隙間から光が差し込んで、きらきらきれいだなとエリは思う。
このままお昼寝してしまうのもいいかもと考え始めた時、隣にいたダンテが勢いよく身体を起こした。
「なぁバージル、もう1回しようぜ!」
「…次お前が悪者ならいい」
ダンテの後ろ姿で見えないが、恐らく横になったままのバージルが渋々答える。
「えーやだよ」
「じゃあ俺もいやだ」
3人兄妹にもだいぶ慣れ始めた頃、定番化しつつある遊びがあった。
それはそれぞれを王子、姫、悪役に見立て、剣の稽古とまでは言わないが戦い要素を絡めたごっこ遊び。
今まで2人だけで打ち合っていたダンテとバージルはエリという妹を得て、まず王子役決定のため一戦交え、めでたく本番を勝ち取った方は妙にやる気が湧いてくるのを感じていた。
エリは女の子が自分しかいないため、いつも姫役になることは疑問に思っていなかったが、2人が王子役で争うことは不思議だった。
エリにとって新しく得た兄2人は、それぞれに大切なひとになり始めていたため、どちらかが悪役になるのは遊びなのに嫌なところもあった。
「ねぇねぇ、2人とも王子様じゃダメなの?」
「そしたらごっこ遊びできなくなるだろ、エリ」
「うん…」
エリも続いて身体を起こして思ったままに質問すれば、当たり前のようにダンテに諭される。
勿論わかってはいたので、それ以上は言及しない。
ともかく、今日のごっこ遊びはこれで終了のようだ。
バージルは家に戻ろうとゆっくり立ち上がって、エリに視線をやる。
「…エリ、帰ろう。絵本読んでやる」
「うん、バージル!」
新しく出された提案にエリはすぐさま便乗し、バージルに駆け寄っていく。
2人が仲良く寄り添う姿を、まだまだ地面に腰を下ろしていたダンテが、引き裂くかのように叫ぶ。
「あーずりぃぞ!エリをエサで釣るなよ!」
「口が悪いぞ、ダンテ」
バージルはむっとしてダンテを睨んだ。
確かに最近、どうにかエリを手元に置いておきたいと考えている自分もいる気がした。
それが何故かはわからないし、バージルから見たダンテも文句を言えた状態ではなかった。
自分と同じような気持ちを、その言動から感じていたからだ。
「なぁエリ、探検行こうぜ、探検!」
「探検…!?どこどこ!?」
ダンテの言うところのエサで釣るスタイルをそのままやり返され、まだまだ好奇心旺盛な妹は単純にもダンテのもとへ駆け寄って行ってしまう。
当然いい気はせず、だが「俺の方へ来い」とも言えなかったバージルは、ダンテにこう伝える。
「ダンテ!エリが怪我したらどうするんだ!?」
「…珍しく声上げてどうしたんだよ、バージル。エリを取られて悔しいのか?」
「ごまかすな!」
言われた通りなところも勿論ある。
しかし1度、ダンテはエリと一緒にいて怪我をさせてしまったこともある。
だからこそ、2人だけで遊びに行ってしまうのを止めるのとエリを心配する気持ち、両方を込めてこう言ったのだ。
さあどう答えるんだろうとバージルが待つ間もなく、ダンテはあっさりと口を開いた。
「そんなの、エリが怪我しないように俺が守ればいいだろ」
いとも簡単に「守る」と言った弟は、考え抜いた上でのこの発言なのか。
それとも思ったままに発言したのか。
予想していなかった展開にバージルは目を見開き、そうして仕方なく今回は自分が折れることにした。
「…気が変わったから、俺も行く。ほら、エリ」
「うん、バージル!」
ただ、先に妹の手を握るのだけは自分がいいと、すぐさまエリの左手を取る。
当たり前に受け入れて微笑んでくれるエリに、胸が暖かくなる。
「あー!じゃあ俺も!」
「わーい、ダンテ!皆で行こ!」
その様子を見ていたダンテもエリの右手をぎゅっと握り、妹は先程と同じようににこにこした。
Ten odd years later…
このままお昼寝してしまうのもいいかもと考え始めた時、隣にいたダンテが勢いよく身体を起こした。
「なぁバージル、もう1回しようぜ!」
「…次お前が悪者ならいい」
ダンテの後ろ姿で見えないが、恐らく横になったままのバージルが渋々答える。
「えーやだよ」
「じゃあ俺もいやだ」
3人兄妹にもだいぶ慣れ始めた頃、定番化しつつある遊びがあった。
それはそれぞれを王子、姫、悪役に見立て、剣の稽古とまでは言わないが戦い要素を絡めたごっこ遊び。
今まで2人だけで打ち合っていたダンテとバージルはエリという妹を得て、まず王子役決定のため一戦交え、めでたく本番を勝ち取った方は妙にやる気が湧いてくるのを感じていた。
エリは女の子が自分しかいないため、いつも姫役になることは疑問に思っていなかったが、2人が王子役で争うことは不思議だった。
エリにとって新しく得た兄2人は、それぞれに大切なひとになり始めていたため、どちらかが悪役になるのは遊びなのに嫌なところもあった。
「ねぇねぇ、2人とも王子様じゃダメなの?」
「そしたらごっこ遊びできなくなるだろ、エリ」
「うん…」
エリも続いて身体を起こして思ったままに質問すれば、当たり前のようにダンテに諭される。
勿論わかってはいたので、それ以上は言及しない。
ともかく、今日のごっこ遊びはこれで終了のようだ。
バージルは家に戻ろうとゆっくり立ち上がって、エリに視線をやる。
「…エリ、帰ろう。絵本読んでやる」
「うん、バージル!」
新しく出された提案にエリはすぐさま便乗し、バージルに駆け寄っていく。
2人が仲良く寄り添う姿を、まだまだ地面に腰を下ろしていたダンテが、引き裂くかのように叫ぶ。
「あーずりぃぞ!エリをエサで釣るなよ!」
「口が悪いぞ、ダンテ」
バージルはむっとしてダンテを睨んだ。
確かに最近、どうにかエリを手元に置いておきたいと考えている自分もいる気がした。
それが何故かはわからないし、バージルから見たダンテも文句を言えた状態ではなかった。
自分と同じような気持ちを、その言動から感じていたからだ。
「なぁエリ、探検行こうぜ、探検!」
「探検…!?どこどこ!?」
ダンテの言うところのエサで釣るスタイルをそのままやり返され、まだまだ好奇心旺盛な妹は単純にもダンテのもとへ駆け寄って行ってしまう。
当然いい気はせず、だが「俺の方へ来い」とも言えなかったバージルは、ダンテにこう伝える。
「ダンテ!エリが怪我したらどうするんだ!?」
「…珍しく声上げてどうしたんだよ、バージル。エリを取られて悔しいのか?」
「ごまかすな!」
言われた通りなところも勿論ある。
しかし1度、ダンテはエリと一緒にいて怪我をさせてしまったこともある。
だからこそ、2人だけで遊びに行ってしまうのを止めるのとエリを心配する気持ち、両方を込めてこう言ったのだ。
さあどう答えるんだろうとバージルが待つ間もなく、ダンテはあっさりと口を開いた。
「そんなの、エリが怪我しないように俺が守ればいいだろ」
いとも簡単に「守る」と言った弟は、考え抜いた上でのこの発言なのか。
それとも思ったままに発言したのか。
予想していなかった展開にバージルは目を見開き、そうして仕方なく今回は自分が折れることにした。
「…気が変わったから、俺も行く。ほら、エリ」
「うん、バージル!」
ただ、先に妹の手を握るのだけは自分がいいと、すぐさまエリの左手を取る。
当たり前に受け入れて微笑んでくれるエリに、胸が暖かくなる。
「あー!じゃあ俺も!」
「わーい、ダンテ!皆で行こ!」
その様子を見ていたダンテもエリの右手をぎゅっと握り、妹は先程と同じようににこにこした。
Ten odd years later…