Charlotte
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どうして父さんは人間の女の子を、うちに受け入れたんだろう。
俺とダンテには仲良くするように、しか言われず、だからきっと父さんと母さんしか本当の理由を知らない。
父さんがひとりで出て行って、ひとりで連れて来た女の子。
訳ありか?本人に直接聞くとか?
…気になったけど、この好奇心には蓋をしておいた方がいいんだろう。
ダンテはその理由を特に気にする素振りはなく、遊び相手が増えたと単純に喜んでいる。
俺と剣の稽古をしたいと言ってくることは相変わらずだけど、妹と、平和に花を摘んだりもしているようだ。
と言っても俺はまだ、家の窓からそっと見ているだけだったから、2人が何をして遊んでいるかは詳しくは知らない。
今日も、妹はダンテに誘われて出て行っている。
良かったな。
多分ひとりぼっちだったのに、友だちができて。
いや、この場合は兄か。
あのダンテが、兄…。
急にできた、俺たちの妹。
お前がどう思ってるか知らないけど、俺も兄だぞ?
なんて、言わなきゃわからないんだろうけど。
俺はひとりでいつものソファに座って、お気に入りの本を読み始めた。
やっと外にいる2人のことがあんまり気にならなくなって来たのに、少ししたら大騒ぎで廊下を走る音がした。
誰だ?ダンテか?
「バージル!見て見てー!お花持ってきた!」
予想に反して、やって来たのは妹の方だった。
白いワンピースの両端を手で掴んで、できたくぼみを花でいっぱいにして。
溢れそうなくらい、というか、走って来た廊下にも花が落ちてしまっているんだけど。
やっと頭が追い付くと、それよりもある1点が気になってしまった。
「…馬鹿、パンツ見えてる!そんなんじゃ淑女になれないぞ!」
「え?しゅくじょ?」
「俺たちの母さんみたいな女の人のことだ。お前にはまだ難しいかな…」
仕方なしに床に全ての花を置いて、スカートを下ろしてやった。
俺が一緒に外に行かないから、代わりに持って来てくれたんだろうか。
いや、そんなことはない。
「ねぇ、今度、バージルとも遊びたい」
「俺と?何もすること…」
何もすることなんてないぞと言いかけながら、ソファに置いた本に自然と視線をやっていた。
「…絵本、読んでやろうか」
それなら、俺にもできる。
というか、得意分野だ。
まだそんなに英語に慣れていないだろうし。
あ、これってもしかして、すごく兄らしいことじゃないか。
「やったぁ!絶対ね!いつにする?明日?」
「…わかった、じゃあ明日な」
俺の妹は、笑うと可愛い。
ぴょんぴょん跳ねて喜ぶ彼女に、気づいたら俺も一緒に笑っていて。
妹がいるのも、いいかもしれない。
「おーい!ダメだろ、床に落とし過ぎ!母さんに怒られるぜ!?」
後から追って来ただろうダンテは、零した花を拾って来たようで、なんだか兄らしいことを言っている。
「ごめんなさい、ダンテ。早くバージルに見せたくて」
「俺も手伝ってたから、キョウハンだな。それに、ごめんなさいが言えるのはいいことだって、母さん言ってた」
ダンテは妹に、にっと笑って見せた。
どうしたんだ、ダンテ。
すごく、兄っぽくなってる。
それに、そうか。
2人ともこの花は、俺のために摘んだんだ。
今までそんなこと、あったかな。
こいつがうちに来る前、そんなこと、あったかな。
「…俺も今度、一緒に外に遊びに行きたい」
3人でいたら、何か変わるだろうか。
俺が時々、例えば母さんとダンテを前にして、もやもやしてるこの気持ちも、変わるだろうか。
自然に出た言葉に、妹も弟も、満面の笑みをくれた。
「勿論だよ、バージル!」
父さんが、なんで、人間の女の子をうちに受け入れたのか。
わからないけど。
父さん。
妹がいるのも、俺は悪くないかもしれない。
end.
俺とダンテには仲良くするように、しか言われず、だからきっと父さんと母さんしか本当の理由を知らない。
父さんがひとりで出て行って、ひとりで連れて来た女の子。
訳ありか?本人に直接聞くとか?
…気になったけど、この好奇心には蓋をしておいた方がいいんだろう。
ダンテはその理由を特に気にする素振りはなく、遊び相手が増えたと単純に喜んでいる。
俺と剣の稽古をしたいと言ってくることは相変わらずだけど、妹と、平和に花を摘んだりもしているようだ。
と言っても俺はまだ、家の窓からそっと見ているだけだったから、2人が何をして遊んでいるかは詳しくは知らない。
今日も、妹はダンテに誘われて出て行っている。
良かったな。
多分ひとりぼっちだったのに、友だちができて。
いや、この場合は兄か。
あのダンテが、兄…。
急にできた、俺たちの妹。
お前がどう思ってるか知らないけど、俺も兄だぞ?
なんて、言わなきゃわからないんだろうけど。
俺はひとりでいつものソファに座って、お気に入りの本を読み始めた。
やっと外にいる2人のことがあんまり気にならなくなって来たのに、少ししたら大騒ぎで廊下を走る音がした。
誰だ?ダンテか?
「バージル!見て見てー!お花持ってきた!」
予想に反して、やって来たのは妹の方だった。
白いワンピースの両端を手で掴んで、できたくぼみを花でいっぱいにして。
溢れそうなくらい、というか、走って来た廊下にも花が落ちてしまっているんだけど。
やっと頭が追い付くと、それよりもある1点が気になってしまった。
「…馬鹿、パンツ見えてる!そんなんじゃ淑女になれないぞ!」
「え?しゅくじょ?」
「俺たちの母さんみたいな女の人のことだ。お前にはまだ難しいかな…」
仕方なしに床に全ての花を置いて、スカートを下ろしてやった。
俺が一緒に外に行かないから、代わりに持って来てくれたんだろうか。
いや、そんなことはない。
「ねぇ、今度、バージルとも遊びたい」
「俺と?何もすること…」
何もすることなんてないぞと言いかけながら、ソファに置いた本に自然と視線をやっていた。
「…絵本、読んでやろうか」
それなら、俺にもできる。
というか、得意分野だ。
まだそんなに英語に慣れていないだろうし。
あ、これってもしかして、すごく兄らしいことじゃないか。
「やったぁ!絶対ね!いつにする?明日?」
「…わかった、じゃあ明日な」
俺の妹は、笑うと可愛い。
ぴょんぴょん跳ねて喜ぶ彼女に、気づいたら俺も一緒に笑っていて。
妹がいるのも、いいかもしれない。
「おーい!ダメだろ、床に落とし過ぎ!母さんに怒られるぜ!?」
後から追って来ただろうダンテは、零した花を拾って来たようで、なんだか兄らしいことを言っている。
「ごめんなさい、ダンテ。早くバージルに見せたくて」
「俺も手伝ってたから、キョウハンだな。それに、ごめんなさいが言えるのはいいことだって、母さん言ってた」
ダンテは妹に、にっと笑って見せた。
どうしたんだ、ダンテ。
すごく、兄っぽくなってる。
それに、そうか。
2人ともこの花は、俺のために摘んだんだ。
今までそんなこと、あったかな。
こいつがうちに来る前、そんなこと、あったかな。
「…俺も今度、一緒に外に遊びに行きたい」
3人でいたら、何か変わるだろうか。
俺が時々、例えば母さんとダンテを前にして、もやもやしてるこの気持ちも、変わるだろうか。
自然に出た言葉に、妹も弟も、満面の笑みをくれた。
「勿論だよ、バージル!」
父さんが、なんで、人間の女の子をうちに受け入れたのか。
わからないけど。
父さん。
妹がいるのも、俺は悪くないかもしれない。
end.