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「そういえばエミリーとバージルってどうやって出会ったんだ?」
バージルの自室を訪ねたダンテはここに来てずっと気になっていたことを、パソコンを弄っている彼に尋ねた。
画面から視線を外し、いつものようににこやかに微笑んでみせる。
「ネットだ」
「あ、やっぱそうなの?」
2人ともパソコンスキルが秀でているので予想はしていた。
デスクに腰を下ろしもっと探りを入れようと口を開くと、先にバージルが切り出した。
「彼女はとても賢かったから、気になって実際会ってみたら美人だった」
「で、手出したと」
「男なら当然だろう」
彼は笑みを深めキーボードから手を放し、横にあったマグカップに口を付ける。
「最初エミリーは少女みたいに素直で今とは違う可愛さがあったんだが、今は今で可愛いよな」
「それはゴチソウサマ」
完全なるノロケだ。
ある特定の異性に執着したこと、むしろ恋をしたこともないダンテにはわからない世界だった。
「でもあんまりベタベタしてるとエミリーも嫌じゃねぇ?」
「そうか?」
「前ちょっと言ってたけどな」
「照れ隠しだろう」
本当に照れ隠しだとしてもそうでないにしてもすべてポジティブに考えられる兄に、ダンテは時々尊敬とも呆れとも言える不思議な感情に苛まれる。
黙っていると、バージルは再び続けた。
「何年エミリーと一緒にいると思ってる」
「ずっとひとりに本気ってすげぇなバージル」
「他とは一緒にいても意味がないからな」
「イミ?」
他やら意味やらよくわからない発言に、ダンテが眉を寄せる。
「エミリーは人間の女性の中で最高だ」
「何が?」
「頭も顔もスタイルも」
清々しいまでの笑顔。
愛だの恋だのよくわからないが、バージルのエミリーに対するそれは真実のそれなのか。
ダンテは少しだけ考えて、同じようにエミリーの部屋へと向かった。
なんとなく自然に足が動いて、彼女にもバージルとのことを聞きたくなった。
部屋を訪ねるとエミリーもいつものように笑顔で招き入れてくれ、丁寧に紅茶まで出してくれた。
「エミリーってバージルに愛されてるよな」
ティーカップをぎこちない手付きで持ち上げそう告げれば、エミリーは目を見開いて、少ししてから俯いた。
「それは…嘘よ」
やばい。
泣かせたらどうしようかと思ったが、もう言ってしまったものは仕方ない。
「他とは一緒にいても意味がないからな」ダンテの脳内でバージルの台詞がぐるぐる回って、そのまま固まってしまった。
「あ、図星?大丈夫、それくらいじゃもう傷付かないから」
エミリーはバージルのあの発言の真意、どう思われているのか知っていて彼のそばにいる。
下手に妙な発言をしてしまい、ダンテはばつが悪くなった。
「なんか、ごめん」
「ダンテが謝ること?」
「いや、多分バージルはバージルなりにエミリーが好きだぜ」
「…どうかな」
一応フォローを入れてみるが、エミリーは俯いたまま。
バージルとは違って彼女は本当に、彼の真意を含めて彼が好きなんだ。
ダンテはちょっぴり感動し、同時に可哀想になってきてしまった。
「私、初めてダンテを見た時、羨ましいと思ったわ」
エミリーが下に向けていた視線を上げ、瞳を食い入るように見つめてくる。
「彼とは違って真っ直ぐで、裏がなくて。バージルに爪の垢飲ませたいくらい」
こんな思いにさせたのは自分だが、辛い時は泣けばいいのに。
眉を歪める彼女は、絶対に涙は零さない。
「…なんで別れねぇの?」
「彼ほど…私を必要としてくれるひと、いないもの。だから、馬鹿みたいにそばにいる」
必要。
必要ってどういうことだろう。
確かに、バージルはエミリーを「必要」にはしている。
だけど、何かが違う。
恋人同士で、周りからは順調にいっているように見えるのに。
ダンテは益々恋愛がわからなくなった。
End.
バージルの自室を訪ねたダンテはここに来てずっと気になっていたことを、パソコンを弄っている彼に尋ねた。
画面から視線を外し、いつものようににこやかに微笑んでみせる。
「ネットだ」
「あ、やっぱそうなの?」
2人ともパソコンスキルが秀でているので予想はしていた。
デスクに腰を下ろしもっと探りを入れようと口を開くと、先にバージルが切り出した。
「彼女はとても賢かったから、気になって実際会ってみたら美人だった」
「で、手出したと」
「男なら当然だろう」
彼は笑みを深めキーボードから手を放し、横にあったマグカップに口を付ける。
「最初エミリーは少女みたいに素直で今とは違う可愛さがあったんだが、今は今で可愛いよな」
「それはゴチソウサマ」
完全なるノロケだ。
ある特定の異性に執着したこと、むしろ恋をしたこともないダンテにはわからない世界だった。
「でもあんまりベタベタしてるとエミリーも嫌じゃねぇ?」
「そうか?」
「前ちょっと言ってたけどな」
「照れ隠しだろう」
本当に照れ隠しだとしてもそうでないにしてもすべてポジティブに考えられる兄に、ダンテは時々尊敬とも呆れとも言える不思議な感情に苛まれる。
黙っていると、バージルは再び続けた。
「何年エミリーと一緒にいると思ってる」
「ずっとひとりに本気ってすげぇなバージル」
「他とは一緒にいても意味がないからな」
「イミ?」
他やら意味やらよくわからない発言に、ダンテが眉を寄せる。
「エミリーは人間の女性の中で最高だ」
「何が?」
「頭も顔もスタイルも」
清々しいまでの笑顔。
愛だの恋だのよくわからないが、バージルのエミリーに対するそれは真実のそれなのか。
ダンテは少しだけ考えて、同じようにエミリーの部屋へと向かった。
なんとなく自然に足が動いて、彼女にもバージルとのことを聞きたくなった。
部屋を訪ねるとエミリーもいつものように笑顔で招き入れてくれ、丁寧に紅茶まで出してくれた。
「エミリーってバージルに愛されてるよな」
ティーカップをぎこちない手付きで持ち上げそう告げれば、エミリーは目を見開いて、少ししてから俯いた。
「それは…嘘よ」
やばい。
泣かせたらどうしようかと思ったが、もう言ってしまったものは仕方ない。
「他とは一緒にいても意味がないからな」ダンテの脳内でバージルの台詞がぐるぐる回って、そのまま固まってしまった。
「あ、図星?大丈夫、それくらいじゃもう傷付かないから」
エミリーはバージルのあの発言の真意、どう思われているのか知っていて彼のそばにいる。
下手に妙な発言をしてしまい、ダンテはばつが悪くなった。
「なんか、ごめん」
「ダンテが謝ること?」
「いや、多分バージルはバージルなりにエミリーが好きだぜ」
「…どうかな」
一応フォローを入れてみるが、エミリーは俯いたまま。
バージルとは違って彼女は本当に、彼の真意を含めて彼が好きなんだ。
ダンテはちょっぴり感動し、同時に可哀想になってきてしまった。
「私、初めてダンテを見た時、羨ましいと思ったわ」
エミリーが下に向けていた視線を上げ、瞳を食い入るように見つめてくる。
「彼とは違って真っ直ぐで、裏がなくて。バージルに爪の垢飲ませたいくらい」
こんな思いにさせたのは自分だが、辛い時は泣けばいいのに。
眉を歪める彼女は、絶対に涙は零さない。
「…なんで別れねぇの?」
「彼ほど…私を必要としてくれるひと、いないもの。だから、馬鹿みたいにそばにいる」
必要。
必要ってどういうことだろう。
確かに、バージルはエミリーを「必要」にはしている。
だけど、何かが違う。
恋人同士で、周りからは順調にいっているように見えるのに。
ダンテは益々恋愛がわからなくなった。
End.