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ひと仕事終え、私は出掛ける準備をして自室を出た。
夜までずっと缶詰めで仕事していたから、お腹はぺこぺこだ。
施設内にもバージルの指導のもと、無農薬で身体に良さそうな料理を提供してくれるレストランはある。
でも、こんな施設の中で1日中パソコンをいじっていたら、頭がおかしくなりそうだ。
一応彼氏であるバージルはあまり無断で外に出てほしくないようだけど、そんなことは考えない。
他のスタッフに軽く挨拶をしながら廊下を歩いていると、見慣れた姿に出会う。
「あ、キャット!」
「エミリー、どうしたの?」
キャットは施設内では珍しい女友だちで同時に妹みたいで、よく2人でお茶したりしていた。
「今からご飯行かない?…バージル抜きで」
「いいわよ。どこ行く?」
「私久しぶりにハンバーガーが食べたいの!付き合ってくれる?」
「あ、だからバージル抜きなのね」
「そう。あのひと安いところ嫌いでしょ」
せっかくだからダンテも誘おうと、彼の部屋に向かう。
彼は双子だけどバージルと違い、育ちがお貴族じゃないし裏表がなくて、とっても付き合いやすい。
ドアをノックし開くと、暇してるのかダンテはベッドに寝そべっている。
普段肉体的な面でバージルにこき使われているし、施設内では出来るだけくつろいでほしいとは思っていた。
「ダンテ」
「あ、エミリー」
「一緒にご飯行かない?奢るわ」
「マジ?行く行く」
ハンバーガーだけどと付け足して、彼は嬉しそうに笑いながらベッドから身を起こし、いつものコートを羽織る。
「太っ腹だな、エミリー」
「って言ってもハンバーガーだしね。お金はバージル持ちだし」
私は財布から彼からもらった黒いカードを見せる。
自由に使っていいと言われてるけれど、普段はあまり使わず、偶に彼に嫌がらせしたい時に使っていた。
と言っても、それが彼にとって嫌がらせになるかはわからないけれど。
ダンテはカードを見て、あからさまに驚いた顔をする。
「うわっブラックカード。彼女にも渡してるとか、さすがバージル…」
「エミリーって偶に可愛いことするわよね」
「ありがと。キャット」
「今のって褒めてんの?」
ダンテのツッコミをかわしながら、私とキャットは顔を見合わせて笑う。
彼女は私とバージルの関係とか私がバージルに対してどう思っているかとか、よく知っている。
だから、笑えるのだ。
私は2人を引き連れちょっと急いで車に乗り込み、ここから一番近いファーストフード店に向かった。
キャットとダンテの3人でいると変に背伸びとか裏読みしなくていいから、とっても楽しい。
店内に入りメニューを見ていたら、ダンテが私の肩を叩く。
「なぁなぁエミリー」
「どうしたの、ダンテ」
「頼んでもいいか?これ」
ダンテが指差したのは一番高くて2段になっているハンバーガーだった。
わざわざ確認してくるところがいじらしくて、私は微笑む。
「勿論。1個で足りる?もっと食べてもいいわよ」
「マジかよ!やった!」
ハンバーガーで子どものように喜ぶ彼がとっても可愛い。
他にナゲットやフライドポテトをオーダーして、道に沿っているガラス張りの席に3人で座った。
ダンテは席につくなり、満面の笑みでハンバーガーを頬張る。
その笑顔だけでお腹がいっぱいになる気さえする。
「ダンテ嬉しそうね」
「そうね。来て良かった」
「私たちも食べましょ…って」
「どうしたの、エミリー」
私がガラスの方を見て目を開いたので、キャットも視線を移すとそこには何もなかった。
間違いない。
バージルがガラス越しに笑顔で手を振っていた。
やがて店内に騒がしい足音が近づいてくる。
「おいおい、皆酷いじゃないか!こんなところで楽しそうに」
「お、バージル」
ハンバーガーに夢中だったダンテも顔を上げる。
よっぽど急いで来たのかバージルは若干息切れしていた。
「まさか付けてくるなんて…」
「付けたんじゃない。追跡しただけだ」
通常の精神ならそんなことあんまりしないだろうけれど、バージルは私たちをGPS機能を使って割り出したらしい。
しまった。
携帯なんか置いてくれば良かった。
と言っても、バージルのことだからどうにかして場所を割り出しそうだ。
「そうね…あなたってそういうひとだったわ…」
「どうして俺も誘ってくれないんだ」
私が頭を抱えているのは無視して、バージルがダンテの隣に座る。
「バージルも食う?」
「ありがとう、ダンテ。だが、それはお前が食べればいい」
「あ、そうか」
嬉しそうに笑いながら、バージルは勝手にフライドポテトをひとつ摘む。
まぁバージルのカードで買ったものだから文句は言わない。
普段は脂っこいものは嫌だとか言ってるくせに、この態度。
私はテーブルに頬杖をつく。
「食べないの?エミリー」
「食べる」
私はキャットに言われて、自分用に買ったハンバーガーをかじった。
End.
夜までずっと缶詰めで仕事していたから、お腹はぺこぺこだ。
施設内にもバージルの指導のもと、無農薬で身体に良さそうな料理を提供してくれるレストランはある。
でも、こんな施設の中で1日中パソコンをいじっていたら、頭がおかしくなりそうだ。
一応彼氏であるバージルはあまり無断で外に出てほしくないようだけど、そんなことは考えない。
他のスタッフに軽く挨拶をしながら廊下を歩いていると、見慣れた姿に出会う。
「あ、キャット!」
「エミリー、どうしたの?」
キャットは施設内では珍しい女友だちで同時に妹みたいで、よく2人でお茶したりしていた。
「今からご飯行かない?…バージル抜きで」
「いいわよ。どこ行く?」
「私久しぶりにハンバーガーが食べたいの!付き合ってくれる?」
「あ、だからバージル抜きなのね」
「そう。あのひと安いところ嫌いでしょ」
せっかくだからダンテも誘おうと、彼の部屋に向かう。
彼は双子だけどバージルと違い、育ちがお貴族じゃないし裏表がなくて、とっても付き合いやすい。
ドアをノックし開くと、暇してるのかダンテはベッドに寝そべっている。
普段肉体的な面でバージルにこき使われているし、施設内では出来るだけくつろいでほしいとは思っていた。
「ダンテ」
「あ、エミリー」
「一緒にご飯行かない?奢るわ」
「マジ?行く行く」
ハンバーガーだけどと付け足して、彼は嬉しそうに笑いながらベッドから身を起こし、いつものコートを羽織る。
「太っ腹だな、エミリー」
「って言ってもハンバーガーだしね。お金はバージル持ちだし」
私は財布から彼からもらった黒いカードを見せる。
自由に使っていいと言われてるけれど、普段はあまり使わず、偶に彼に嫌がらせしたい時に使っていた。
と言っても、それが彼にとって嫌がらせになるかはわからないけれど。
ダンテはカードを見て、あからさまに驚いた顔をする。
「うわっブラックカード。彼女にも渡してるとか、さすがバージル…」
「エミリーって偶に可愛いことするわよね」
「ありがと。キャット」
「今のって褒めてんの?」
ダンテのツッコミをかわしながら、私とキャットは顔を見合わせて笑う。
彼女は私とバージルの関係とか私がバージルに対してどう思っているかとか、よく知っている。
だから、笑えるのだ。
私は2人を引き連れちょっと急いで車に乗り込み、ここから一番近いファーストフード店に向かった。
キャットとダンテの3人でいると変に背伸びとか裏読みしなくていいから、とっても楽しい。
店内に入りメニューを見ていたら、ダンテが私の肩を叩く。
「なぁなぁエミリー」
「どうしたの、ダンテ」
「頼んでもいいか?これ」
ダンテが指差したのは一番高くて2段になっているハンバーガーだった。
わざわざ確認してくるところがいじらしくて、私は微笑む。
「勿論。1個で足りる?もっと食べてもいいわよ」
「マジかよ!やった!」
ハンバーガーで子どものように喜ぶ彼がとっても可愛い。
他にナゲットやフライドポテトをオーダーして、道に沿っているガラス張りの席に3人で座った。
ダンテは席につくなり、満面の笑みでハンバーガーを頬張る。
その笑顔だけでお腹がいっぱいになる気さえする。
「ダンテ嬉しそうね」
「そうね。来て良かった」
「私たちも食べましょ…って」
「どうしたの、エミリー」
私がガラスの方を見て目を開いたので、キャットも視線を移すとそこには何もなかった。
間違いない。
バージルがガラス越しに笑顔で手を振っていた。
やがて店内に騒がしい足音が近づいてくる。
「おいおい、皆酷いじゃないか!こんなところで楽しそうに」
「お、バージル」
ハンバーガーに夢中だったダンテも顔を上げる。
よっぽど急いで来たのかバージルは若干息切れしていた。
「まさか付けてくるなんて…」
「付けたんじゃない。追跡しただけだ」
通常の精神ならそんなことあんまりしないだろうけれど、バージルは私たちをGPS機能を使って割り出したらしい。
しまった。
携帯なんか置いてくれば良かった。
と言っても、バージルのことだからどうにかして場所を割り出しそうだ。
「そうね…あなたってそういうひとだったわ…」
「どうして俺も誘ってくれないんだ」
私が頭を抱えているのは無視して、バージルがダンテの隣に座る。
「バージルも食う?」
「ありがとう、ダンテ。だが、それはお前が食べればいい」
「あ、そうか」
嬉しそうに笑いながら、バージルは勝手にフライドポテトをひとつ摘む。
まぁバージルのカードで買ったものだから文句は言わない。
普段は脂っこいものは嫌だとか言ってるくせに、この態度。
私はテーブルに頬杖をつく。
「食べないの?エミリー」
「食べる」
私はキャットに言われて、自分用に買ったハンバーガーをかじった。
End.