Charlotte
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眠れない。
ダンテはひとり、ベッドの上で思っていた。
バージルとエリが2人して外に出て行ったのは気づいていた。
止めることは恐らくできたが、しなかった。
バージルがエリを攫ってそのままこの事務所に帰らない。
そんな未来があったとして、その時自分がどうするかは分からなかった。
例えばそれでエリが悲しんだり泣かないのなら、それはそれでいいかもしれない。
エリは、家族想いで優しいやつだ。
ずっと傍で見ていたダンテにはそれがわかっていたので、エリが笑っていられるなら、今のバージルもそう捨てたもんじゃない。
どれくらい経ったのか、しばらくして玄関に僅かな会話が聞こえて来て、やっと胸を撫で下ろす。
良かった。
バージルはちゃんと、エリを連れてここに戻って来た。
そう思った瞬間すっかり安心したのか、次にまぶたを開いたら陽の光が眩しかった。
久しぶりに、子どものように夜眠れなかった。
エリを取られるかもしれないと不安だったのか。
それは勿論ある。
だが、きっと、それだけではない。
またあのテメンニグルの時のように、仮にも血が繋がっている者と本気で敵対するのが嫌なのかもしれない。
バージルがどう考えているかは知らないが、気分がいいものでは絶対にない。
時間だとか気にせずにいたら、部屋のドアをノックする音がしてエリが顔を出した。
「ダンテ、おはよう」
「…エリ、おはよ」
俺、今普通に笑えてるか?
ベッドの上に胡座をかいて口角を上げ、どこか客観的に思う。
「あー…飯だろ。ありがとうな、起こしに来てくれて」
というかバレバレだな、こんな態度は。
エリもわかっていただろうが、昨日の夜のことはお互いに触れずに部屋を出た。
不思議とバージルの姿は見えず、遅めの朝食はエリと2人っきりになる。
ダンテが無言でサンドイッチを頬張るのを、エリも椅子に座って付き合っている。
何口目かで、自分の性に合わないことをしているなともやもやし始め、エリに視線だけやりながら口を開いた。
「…エリ」
「なに、ダンテ」
「バージルに、泣かされなかったか?」
エリは予想外の質問だったのか、目を見開いてから静かに微笑む。
「うん、大丈夫だったよ」
「そうか、良かった…」
「心配かけてごめんね、ダンテ」
言われた通りに色々な意味で心配だった。
しかしエリの態度を見ていたら、エリは嘘を付いている訳ではないし、バージルを選んだという訳でもなさそうだ。
食事は二の次になってしまい、ダンテはエリの瞳をじっと見つめた。
そらさずにいてくれるエリに、そのまま真面目に伝える。
「エリ、俺はお前の笑顔が好きだ。だからどっちを選んでも…いや、選ばなくても…お前が笑っていればそれでいい」
「…ダンテ」
心から大好きで大切にしたいから、そう思える。
物心ついた時から、ダンテはエリの平穏な生活を祈って過ごしていた。
「ありがとう…」
できればずっと、すぐ傍で笑っていてほしい。
エリの笑顔を見たら、改めてそんな願望が顔を出す。
End.
ダンテはひとり、ベッドの上で思っていた。
バージルとエリが2人して外に出て行ったのは気づいていた。
止めることは恐らくできたが、しなかった。
バージルがエリを攫ってそのままこの事務所に帰らない。
そんな未来があったとして、その時自分がどうするかは分からなかった。
例えばそれでエリが悲しんだり泣かないのなら、それはそれでいいかもしれない。
エリは、家族想いで優しいやつだ。
ずっと傍で見ていたダンテにはそれがわかっていたので、エリが笑っていられるなら、今のバージルもそう捨てたもんじゃない。
どれくらい経ったのか、しばらくして玄関に僅かな会話が聞こえて来て、やっと胸を撫で下ろす。
良かった。
バージルはちゃんと、エリを連れてここに戻って来た。
そう思った瞬間すっかり安心したのか、次にまぶたを開いたら陽の光が眩しかった。
久しぶりに、子どものように夜眠れなかった。
エリを取られるかもしれないと不安だったのか。
それは勿論ある。
だが、きっと、それだけではない。
またあのテメンニグルの時のように、仮にも血が繋がっている者と本気で敵対するのが嫌なのかもしれない。
バージルがどう考えているかは知らないが、気分がいいものでは絶対にない。
時間だとか気にせずにいたら、部屋のドアをノックする音がしてエリが顔を出した。
「ダンテ、おはよう」
「…エリ、おはよ」
俺、今普通に笑えてるか?
ベッドの上に胡座をかいて口角を上げ、どこか客観的に思う。
「あー…飯だろ。ありがとうな、起こしに来てくれて」
というかバレバレだな、こんな態度は。
エリもわかっていただろうが、昨日の夜のことはお互いに触れずに部屋を出た。
不思議とバージルの姿は見えず、遅めの朝食はエリと2人っきりになる。
ダンテが無言でサンドイッチを頬張るのを、エリも椅子に座って付き合っている。
何口目かで、自分の性に合わないことをしているなともやもやし始め、エリに視線だけやりながら口を開いた。
「…エリ」
「なに、ダンテ」
「バージルに、泣かされなかったか?」
エリは予想外の質問だったのか、目を見開いてから静かに微笑む。
「うん、大丈夫だったよ」
「そうか、良かった…」
「心配かけてごめんね、ダンテ」
言われた通りに色々な意味で心配だった。
しかしエリの態度を見ていたら、エリは嘘を付いている訳ではないし、バージルを選んだという訳でもなさそうだ。
食事は二の次になってしまい、ダンテはエリの瞳をじっと見つめた。
そらさずにいてくれるエリに、そのまま真面目に伝える。
「エリ、俺はお前の笑顔が好きだ。だからどっちを選んでも…いや、選ばなくても…お前が笑っていればそれでいい」
「…ダンテ」
心から大好きで大切にしたいから、そう思える。
物心ついた時から、ダンテはエリの平穏な生活を祈って過ごしていた。
「ありがとう…」
できればずっと、すぐ傍で笑っていてほしい。
エリの笑顔を見たら、改めてそんな願望が顔を出す。
End.