【第1章】夢のようなひと
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6日目。
いつまでもギスギスしたような空気をまとっているのは嫌だったから、私は起き抜けすぐにまたVに縋り付いた。
例えばそれがVにとって嫌な行動だったとしても、そうすることしか私の頭では思い浮かばない。
少し前と同じようにVと普通に会話がしたい。
Vを真っ直ぐ見つめる私とは対照的に、一瞬こっちを見た後Vは相変わらず視線を逸らす。
その表情はどこかぼんやりしていて、何も読み取れなかった。
「ねぇ、V…私、何かしたなら本当に謝るから…」
「…お前は何もしていない」
ぽつりと呟いた台詞は、それ以上私に発言することをやめさせた。
すっかり黙ってしまった私を見かねてか、今度はVから視線をくれ、胸が何故かどきっとする。
「アリア」
Vが私の名前を呼べば、また心臓が飛び跳ねる。
それがどんな感情から来たものなのか、自分自身でもやっぱりわからない。
鳥くんならわかるんだろうか。
「…お前は、俺を好いているのか」
Vの質問がとても直球で、答えが見つかっていないけど私が視線を逸らす番になる。
昨日鳥くんに指摘されて、今は何故かV本人から聞かれている。
今まで避けられているようで、今これだけ聞かれるってことはこの質問がVにとって何か重要なんだろうか。
でも、私の答えは相変わらずだった。
「…わかんない」
意味深にVが口角を吊り上げる。
Vが好きかわからないという答えが、Vには都合が良かったの?
それならそれで、なんだかすごくもやもやしてくる。
「それなら…良かった」
瞳を細めてきっぱり言われた瞬間、自分の胸が痛むのが確かにわかった。
私なんでショックを受けてるんだろう。
この感情が、わからない。
「Vは…誰かを好きになったことはあるの?」
頭が真っ白になって震える唇から出た言葉はこれだった。
こんなこと聞いて、Vになんて言ってほしいのか。
好きって感情を教えてほしい?
それともVに、私のことを…?
色々な考えが浮かんで消えて、でもVの答えは私を益々落ち込ませるものだった。
「…ない。これまでも、これからも…恐らくないだろうな」
「そう…なんだ」
Vにはもう、何も言えないし聞けない。
なんだかそう思ってしまうような答え。
Vはまた私から視線を外してしまい、この日も1日中避けられている様子だった。
end.
いつまでもギスギスしたような空気をまとっているのは嫌だったから、私は起き抜けすぐにまたVに縋り付いた。
例えばそれがVにとって嫌な行動だったとしても、そうすることしか私の頭では思い浮かばない。
少し前と同じようにVと普通に会話がしたい。
Vを真っ直ぐ見つめる私とは対照的に、一瞬こっちを見た後Vは相変わらず視線を逸らす。
その表情はどこかぼんやりしていて、何も読み取れなかった。
「ねぇ、V…私、何かしたなら本当に謝るから…」
「…お前は何もしていない」
ぽつりと呟いた台詞は、それ以上私に発言することをやめさせた。
すっかり黙ってしまった私を見かねてか、今度はVから視線をくれ、胸が何故かどきっとする。
「アリア」
Vが私の名前を呼べば、また心臓が飛び跳ねる。
それがどんな感情から来たものなのか、自分自身でもやっぱりわからない。
鳥くんならわかるんだろうか。
「…お前は、俺を好いているのか」
Vの質問がとても直球で、答えが見つかっていないけど私が視線を逸らす番になる。
昨日鳥くんに指摘されて、今は何故かV本人から聞かれている。
今まで避けられているようで、今これだけ聞かれるってことはこの質問がVにとって何か重要なんだろうか。
でも、私の答えは相変わらずだった。
「…わかんない」
意味深にVが口角を吊り上げる。
Vが好きかわからないという答えが、Vには都合が良かったの?
それならそれで、なんだかすごくもやもやしてくる。
「それなら…良かった」
瞳を細めてきっぱり言われた瞬間、自分の胸が痛むのが確かにわかった。
私なんでショックを受けてるんだろう。
この感情が、わからない。
「Vは…誰かを好きになったことはあるの?」
頭が真っ白になって震える唇から出た言葉はこれだった。
こんなこと聞いて、Vになんて言ってほしいのか。
好きって感情を教えてほしい?
それともVに、私のことを…?
色々な考えが浮かんで消えて、でもVの答えは私を益々落ち込ませるものだった。
「…ない。これまでも、これからも…恐らくないだろうな」
「そう…なんだ」
Vにはもう、何も言えないし聞けない。
なんだかそう思ってしまうような答え。
Vはまた私から視線を外してしまい、この日も1日中避けられている様子だった。
end.